塚田こども医院/ヘルス・レター 204

細菌性腸炎


子どもたちの下痢の多くはウイルス性のものですが、ときに細菌感染によっておきることがあります。細菌性腸炎では下痢の程度が強く、血便になったり、腹痛を強く訴えたりしがちです。

全身状態が悪くなることもありますので、早めに受診して手当を受けて下さい。

細菌性腸炎とは

腸管内に異常に細菌が繁殖し、腸管粘膜を傷つけている状態です。

熱がでたり、腹痛、嘔吐や下痢がみられます。血便になることも多く、ウイルスによる感染症より重症になる傾向があります。

カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、エルシニアなどの細菌が原因になります。

カンピロバクターは汚染された鶏肉、サルモネラは汚染された肉や卵、あるいはミドリガメなどのペットが感染源になっています。

下痢がひどいときは、母乳、うすめのミルク、下痢治療乳、子ども用イオン飲料、うすい番茶、野菜スープ、みそ汁のうわずみ、リンゴのすりおろし、など。
離乳食の最初の頃に戻す感じで、ほどほどにあげて下さい。
下痢が良くなってきたら、少しずつ元の食事にしていきましょう。

治 療

便の培養検査を行い、抗菌薬(抗生物質)を使用することになります。嘔吐、下痢などの症状が強い時や、グッタリしているなど全身状態が悪い時には点滴治療や入院が必要になります。

家庭で気をつけること

食べ物:水分と、消化の良い物を少しずつ与えましょう。腹痛、嘔吐が強い時には無理をしないように。

入浴:全身状態が良い時には、軽く入浴していいです。シャワーや座浴でお尻はたえず清潔に。

手洗い:周囲への感染を防ぐために、手洗いをしっかりと行いましょう。(たっぷりに流水で十分に)

こんな時には早めに受診を

嘔吐や下痢を繰り返していて、水分が十分にとれず、グッタリとしている時。

腹痛が強かったり、血便の程度がひどくなった時。

高熱が続く時。

細菌性腸炎を予防するためには

肉や卵は十分に加熱してから食べるようにして下さい。

生肉(とくに鶏肉)を調理したまな板、包丁などをそのまま使って生野菜を切ったりしないようにして下さい。熱湯をかけ、洗剤で洗ってから使用するようにお願いします。

(一口メモ)ベロ毒素

細菌性腸炎の中でもっとも問題になるのは「腸管出血性大腸菌O157」です。この細菌は牛の腸管の常在菌で、牛肉などの料理の時に加熱が不十分だったり、まな板・包丁・手指などを介して摂取することで感染します。

その名前の通り腸管内がひどくただれて血便になります。子どもや高齢者は症状が強くなりがちで、ときに「溶血性尿毒症症候群」をおこして重篤になることもあります。

この大腸菌が作り出すベロ毒素が、こういった問題を引き起こします。O157以外にもいくつかの大腸菌が同じ毒素を作ることが知られています。

一度かかってしまうと大変。やはり「予防」がもっとも大切です。新鮮な食材の使用、十分な加熱、手洗い、調理具の清潔、調理品の適切な保管などに気をつけていて下さい。

これは食中毒の予防対策そのもので、他のカンピロバクターやサルモネラなどによる細菌性腸炎の予防と共通です。