塚田こども医院/ヘルス・レター 211

はしか(麻疹)

はしか(麻疹)は、大変に感染力が強く、そして重症になる病気です。昔、栄養状態の悪い子どもが多い時代は、「子どもの命だめし」などと呼ばれ、恐れられていました。

ワクチンで予防できるようになった現在でも、日本で年間50人ほどの子どもたちが、命を落としています。満1歳をすぎたら、早めに予防接種を受けましょう。

はしかは大病です

予防接種を受けていない1歳前後の赤ちゃんが多くかかります。伝染力が強く、とても重い病気です。

[1] 初めの2-3日は、熱、咳、鼻みず、目やになど、かぜと同じ症状です(前駆期)。この時にはしかと診断するのは、むずかしいです。

[2] 本格的に高熱になり、全身に細かい発疹があらわれます(発疹期)。咳こみが強くなり、食欲がおち、ぐったりとしてきます。この4-5日が、全身状態が悪くて、はしかで一番つらい期間です。

[3] その後熱が下がり、発疹も消えていきます(回復期)。咳や目やになどの症状も次第にとれ、全身状態などがやっと回復してきます。それでもすぐに元に戻るわけではありません。

治療

主に対症療法です。咳止め、熱さまし、時に抗生物質などを使いながら、必要に応じて点滴などもします。
重症になると、ガンマ・グロブリンという注射薬を使うこともあります(人の血液中の免疫蛋白から作られた薬で、はしかウイルスを中和する抗体も入っています)。
さらに重いときには、入院が必要なときもあります。

家庭で気をつけること

1. 高い熱:熱が高くてつらいときは、熱さましの薬を使ったり、冷やしてあげたりして下さい。でも、寒気があるときはむしろ暖めてあげたほうが楽です。本人が快適に感じるように配慮して下さい。

2. 強い咳:咳止めも使いますが、それでも強い咳が続きます。あまりひどいと、肺炎が心配です。

3. 強い伝染力:ワクチン接種を受けていないなど、はしかに対する免疫をもっていないきょうだいがいると、うつしてしまいます。(乳児はお母さんからの免疫があればかかりませんが、生後半年ほどで、その力も落ちてきます。大人でも、免疫がなければかかります。)

4. 食べ物:食欲が落ちますので、水分だけでもとるようにし、消化の良い、口当たりのよいものを与えて下さい。

5. 入浴:回復期にはいり、熱がなく、咳が軽くて、具合が良くなっていれば入浴もできます。それまでは、体をふいたり、シャワーを使うなどで、皮膚を清潔にしておいて下さい。

次の診察は

はしかは肺炎や脳炎を合併することもあり、きちんと治るまでは目が離せません。
次の受診の日時などの指示がありますので、しっかり守って下さい。
この時、他の方へ感染させるおそれがあるので、「隔離」の扱いになります。その方法なども、指示通りに行って下さい。

他の子へうつすかもしれない・・

伝染力は強烈です(はしかと診断されていない「前駆期」から伝染力はあります)。
予防接種を受けていない子が、はしかの子と接触した場合は、できるだけ急いでワクチン接種をうけるか、ガンマ・グロブリン注射を受けることで、発症を予防するか、発症しても軽くすませることができます。

保育園・学校

登園・登校停止になる病気で、熱がおさまって3日間までは休み必要があります。
さらに、肺炎をおこしたり、本人の具合が十分に回復しないときは、もうしばらく休んでもらいます。

はしかの内攻

はしかが重症になると、全身の状態が急激に悪くなり、顔色は真っ青、手足は冷たく、ぐったりした状態になります。こういった「末梢循環不全」におちいると、それまで見られていた発疹(ほっしん)が消えてきます。このことを古くから「はしかの内攻」とよび、あたかも、はしかのブツブツが、体の中に入り込み、悪さをしているようにイメージしていました。

もちろん、良くなってきて発疹が消えてきたのなら安心ですし、この時は本人はニコニコしているはずです。

はしかの予防注射

母親からもらった麻疹に対する免疫は生後半年くらいでなくなり、麻疹にかかりやすい状態になっています。満1歳から公費による麻疹の予防接種を行っています。

1歳未満でも、保育園での集団生活をしているときはワクチンを受けておくことをお勧めします(任意接種)。

なお、平成18年度より麻疹と風疹の予防接種は混合ワクチン(MR二種混合)を使うことになりました。また、生後1歳〜2歳未満に1期、小学校入学前1年間に2期を行う「2回接種法」が日本でもようやく導入されました。

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