塚田こども医院/ヘルス・レター 221

上気道炎(扁桃炎、咽頭炎など)


 子どもはよく病気をするもの。その大半は何かの感染症ですし、そのまた大部分は風邪などの上気道炎です。子どもは風邪をひきながら大きくなっていくともいえます。

 「上気道炎」のことやその対処法を知っておくことは、お子さんの健やかな成長にとって、とても大切です。

上気道炎とは

 上気道炎はウイルスや細菌による感染症で、鼻の入り口から始まって、口腔(口の中)、のど(扁桃、咽頭)、喉頭、気管までの炎症をさします。

  

 炎症のおきている場所によって症状が変わります。鼻の炎症は鼻水・鼻汁・鼻づまり、口腔の炎症は口の痛み、扁桃や咽頭の炎症は熱やのどの痛み、喉頭の炎症では声のかれ・せき・呼吸困難などです。

 炎症の場所によって病名も少しずつ変わってきますが、子どもではそれぞれが重なり合っておきることが多く、大部分は「風邪症候群(かぜ)」と呼ばれています。

 病原体によっては独特の症状を作ります。風邪症候群の多くはさまざまなウイルスによるもので、鼻やのどの症状と発熱が主です。病原体を殺す治療薬はなく、症状を抑えながら治るのを待ちます(対症療法)。

 インフルエンザは発熱などの症状がとても激しく、全身状態が強いのが特徴で、「かぜの王者」と呼ばれています。毎年冬に必ず大流行します。タミフル、リレンザなどの抗ウイルス薬がよく効きます。

 A群β溶連菌が咽頭についておきるのが溶連菌感染症です。のどがとても痛く、熱の出るのが特徴。抗生物質による治療が必要です。

 百日咳は、吐くほどの強い咳込みがおきる細菌感染症です。初期にしっかり抗生物質と使わないと、咳が100日ほども続きます。乳児では無呼吸発作をおこすこともあります。

 このほか、ウイルスによる特徴的な上気道炎にヘルペス性口内炎、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)などもあります。

注意してほしいこと

 子どもの上気道炎は容易に気管支炎や肺炎に進展することもありますし、重症になることもあります。完全に治るまでは、お子さんの様子をよく見てあげてください。

(一口メモ)上気道炎と抗生物質

 上気道炎の多くは風邪症候群と呼ばれるウイルス感染症です。それらの大部分は対症療法になりますが、インフルエンザ、ヘルペス口内炎などに対しては有効な抗ウイルス薬を使うことができます。

 細菌感染に対しては抗生物質を使うことになります。とくに溶連菌感染症には必ず必要です。

 風邪症候群に対して抗生物質を使うべきかは、よく問題になります。鼻水や熱などの軽い症状であれば必ずしも必要ないでしょう。しかし、のどの痛みが強い、高熱が続く、痰のからんだ強い咳が出る、汚い鼻汁が続くなど、症状が強いときには必要になってきます。

 一律にこうだというのはありません。お子さんの症状をよく見ながら、治療の方法を考えていく必要があります。