塚田こども医院/ヘルス・レター 431

腸重積(ちょうじゅうせき)


腸重積(ちょうじゅうせき)は、腸が自分の腸の中にめりこんでいき、つまった状態になっているものをいいます。

赤ちゃんの病気では特にこわいもので、早く見つけて的確な処置が必要です。おきやすいのは生後3か月〜9か月ぐらいの赤ちゃんで、全体の半数ほど。新生児や年長児ではまれです。また、なぜか男の子が女の子の2倍ほどいます。

腸重積の症状

症状は、突然におきる腹痛のためにひどく泣いたり、少しすると和らいで泣きやんだりを繰り返します。この強い泣き方は「火をつけたような」という言い方がされています。そして、次第にぐったりとし、また顔色が真っ青になるのも特徴的です(嫌がって泣いているときには真っ赤な顔をするものですが、腸重積では、いかにも具合悪そうに白い顔をしながら泣いています)。

嘔吐することもありますが、何といっても決め手は血便です。これは腸の粘膜が傷んでくるためにおきるのですが、粘液とともにでてきて、「イチゴゼリー状」をしています(これを浣腸で確かめることもあります)。

腸重積が危険なのは、命に関わることがあるからです。発症からほぼ一日以内なら、比較的簡単に治すことができるのですが、それ以上時間がたつと、めりこんだ腸がダメになってきてしまいます。早く手術をして治さないと、腹膜炎をおこすなど、重大な事態も心配です。

腸重積の治療

治療は、診断が早いときには、肛門からバリウムなどを入れて圧力をかけ、めりこんだ腸を押し戻すようにします(整復)。これで戻らないときや、丸一日以上過ぎていて危険なときには、外科の先生にお願いして、手術をしてもらいます。(整復も万一のことを考えて、入院でき、外科の先生が立ち会える病院で行ってもらっています。)

いつもと違うウンチなら現物を!

そんなわけで、赤ちゃん(特に男の子)、急に泣き出した、顔色が悪い、便に赤いものが混じっている、などと聞くと小児科医として緊張してしまいます。

もしウンチがおかしい時には、現物をもってきて下さい。ときには、それだけで診断がつき、早く治療できることもあります。



(参考)実は私(院長)も、小さい時にこの病気にかかっています。生後8か月といいますから、もちろん記憶にはありませんが、発症から3日間もたっての診断であったため、その手術のあとがしっかりお腹の真ん中に18センチほどの傷跡として残っています。

子どもに対する麻酔や手術が必ずしも安全ではなかった昭和30年代のことですので、無事助かったことは奇跡かもしれませんし、感謝しています。でも、小児科医がもっと早くきちんと診断をつけていれば、そんな危険な事態にはならなかったはずです。

今や、自分自身が小児科医として「腸重積を的確に診断する」責務を負っているのですから、不思議なものです。そんなわけで、「私は絶対に腸重積は見逃さないゾ!」と密かに誓っているのです。

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