塚田こども医院/ヘルス・レター 620

狂犬病の予防接種


 日本ではもうなくなったと思われていた狂犬病は、実は海外ではそうとう発生しています。そして、もし発病すればほぼ100%死亡する怖い感染症です。

 東南アジアなどへ出かける際には、あらかじめワクチン接種を受けておくようにして下さい。

病気とワクチンについて

 狂犬病は狂犬に噛まれたあとに発症する重症な感染症です。致死率はほぼ100%。

 日本では犬に対して狂犬病予防接種を徹底したために発生はなくなりましたが、このような国は日本以外にはイギリスなど、少数です。大半の国や地域では、狂犬病はまだとてもおそれられています。(世界では年間に数万人の死者がでていますし、犬に噛まれたあとに発病防止のためにワクチン接種を受ける人は1,000万人を超えているとのことです。)

 日本の国内で居住している場合には、現在は狂犬病の心配はありませんが、海外に行くときには注意が必要です。とくに、東南アジア、中南米、中近東、アフリカなどへ長期に旅行、あるいは在住する場合には、あらかじめ予防接種を受けておくことをお勧めします(暴露前免疫)。

 なお、日本でも犬などに噛まれた時には、そこから雑菌が入ることがあるので、消毒を丁寧にすることが必要です(その場では流水で傷の中まで良く洗うこと)。3日間は縫合せず、消毒を繰り返すようにして下さい。また、時には破傷風に感染するおそれがありますので、医師の指示に従って下さい。

ワクチンについて

任意接種です。

予防的な接種【暴露前免疫】
 4週間隔で2回皮下注射、その後6〜12か月後に1回追加。

受傷後の発病防止【暴露後免疫】
 受傷からできるだけ早く1回目(0日)、以降3、7、14、30、90日の計6回を皮下注射。

接種上の注意

【全てのワクチンに共通】予防接種の副作用として、ごくまれに、注射の直後に急に具合の悪くなることもあります(アナフィラキシー・ショック)。15分〜30分は、医院の中で休んでいて下さい。(その場で適切な処置をすれば、最悪の事態はさけられます。)

狂犬病ワクチンには安定剤としてゼラチンを含有しているので、アレルギーのある方には慎重に投与する必要があります。

注射したところは、適度にもんでください。

今日は激しい運動は避け、普通の生活をしていて下さい(入浴はかまいません)。

接種したあと、まれに丸1日以内に熱をだすことがときにありますが、ほとんどはそのままでおさまります。

注射したところが、赤くなったり、はれたりすることがありますが、そのままでも数日でおさまります(程度の強いときには受診して下さい)。

小児と大人の注射量は同じです。

接種の間隔

このワクチンは不活化してあるワクチンです。ほかの予防接種は、1週間以上(接種の翌日から次の接種日の前日まで6日以上)たってから受けて下さい。