赤ちゃんの湿疹とアトピー性皮膚炎

8月生まれの女児です。生後二ヶ月頃より湿疹が出始めかゆみを伴うようになりました。生後3ヶ月頃に近医を受診。母親の私がアレルギー(小児喘息・アレルギー性鼻炎)であることと、アレルギーの定義にあてはまるとのことでアトピーと診断されました。アンダームを処方されましたが一時良かったもののしばらくするとひどくなり、再受診すると、ロコイド軟膏を処方され三日使って二週間休みと言う使い方をしていました。それでも良くならず、小児科から皮膚科に変えてみました。そこではワセリンを普段使用しステロイドを顔は三日使用し二週間あける。体は赤い部分のみ毎日でも可。ザジテン0.6(最初は0.4だったがかゆみが引けず夜間不眠のため増量。ちなみに体重は6250グラムです.)母乳のため私は卵、牛乳,大豆油を除去。(アレルゲンのテストは離乳食が完了してないのでしないとのこと)これを行っていますが相変わらずかゆみは強く、夜間特にかきむしり、顔からは浸出液が出ている状態です。アレルゲンのテストは小児科にて検査中です.先生はアトピーに対してどのような治療をおこなっていますか。またこの子にはどのような治療を行いますか.夜間のかゆみを軽減させる方法はないですか。ザジテンの量が多いのですがこのまま飲みつつけても大丈夫ですか.(長野県・Kさん)

お子さんの皮膚のトラブルについてご心配ですね。
症状や経過からは、やはりアトピー性皮膚炎として治療を続けていただく必要があると思います。

症状等を診察していませんので、治療内容等についてはコメントできません。
投薬内容等についての疑問は、主治医の先生とよく相談して解決して下さい。

一般的なこととしていくつかお話をしておきます。
今は生後6か月ですね。
食事アレルギーが大いに問題になる月齢です。
日本人の「4大食事アレルゲン」は、鶏卵、牛乳、大豆、小麦です。
(最近は米もときどき問題になります)
これからについては、血液の検査でわりと確実に調べることができます(IgEという抗体検査)。
それによってはっきりアレルギーがあるようでしたら、完全〜中等度の除去をお勧めしています。
母乳栄養児では、お母さんの摂取もできるだけ避けてもらいます。
離乳食の中期〜後期に入って、消化吸収の働きがしっかりし、さらに症状のある程度落ち着いてきているようでしたら、次第に食事制限を解除し、1歳のお誕生日ころには軽度の制限ですむようにもっていっています。

ダニ、ハウスダストなど、皮膚に接触してアトピー性皮膚炎を悪化させるアレルゲンも、次第に問題になってきます。
乳児期に検査でまだ異常がなくても、あらかじめ環境整備など行い、十分に注意していて下さい。

抗アレルギー薬は、症状が強く、アレルギー検査での異常もはっきりしている場合には使うことがよくあります(ザジテンなど)。
また、かゆみ止めも必要なことがあり、それ単独、または抗アレルギー薬との併用で
使用することがあります。

外用は、原則として顔面は非ステロイド薬(アンダームなど)、それ以外はステロイド薬を使うことが多いです。
浸出液が多いときや、膿痂疹などの細菌感染をかぶっているときは、イソジンでの消毒、ゲンタシン軟膏などの外用、あるいは抗生物質の内服(ときに注射)も併用することがあります。

最近はなかなかお薬の効かない子もいるので、漢方薬を併用することもあります(消風散など)。

アトピー性皮膚炎でつらいのは痒みですね。
とくに眠くなったときに強いです。
引っ掻くとさらに皮膚病変は悪化しますので、できれば掻かせないほうがいいです。
皮膚をこまめに清潔にする、皮膚を涼しくする(温まると痒みが強いので)、かゆみ止めを就眠前に服用する・・などですが、実際にはなかなかうまくいかないことがよくあります。
基本的には皮膚がきれいになると痒みもとれてくるので、アトピー性皮膚炎の治療をきちんと行うことだと思っています。

2002.1.20

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2002年 1月