はしか(麻疹)の流行と予防接種

麻疹について教えていただきたいと思います。現在1才2ヶ月になる男児の母です。11月生まれなので、お誕生日の月にインフルエンザの予防接種を受けました。その後、すぐ風邪にかかり、ずっとすっきり治る事なく2ヶ月がすぎてしまいました。かかりつけの病院は、鼻水程度でも受けさせてくれません。先週、鼻水も咳もとまったので、いそいで麻疹の予防接種に行くと、前の週に熱を出していたため、もう1週間あけて下さいと言われ受ける事ができませんでした。そして、また、その2日後に発熱してしまい、また2週間あけなくてはいけなくなってしまい、なかなか麻疹の予防接種が受けられず、いつはしかにかかるのではないかと、気が気ではありません。(神経質すぎますか?)まだ保育所などには行っていませんが、どの程度の接触ではしかはうつるものなのでしょうか? 人ごみは避けた方が良いのでしょうか?スーパーへの買い物などの程度はどうでしょうか。(兵庫県・Tさん)

お子さんのはしか(麻疹)予防接種のことについて、少しお話をします。
まずは予防接種一般のことですが、「体調の良いときに行う」が原則になっています。
といっても、どの程度の状態で接種できるかは、接種医の判断によります。
一応の基準もありますが、それにこだわることなく、それぞれの接種医が親御さんとの話し合いや理解のもとで、ケースごとに判断されていることだと思います。
接種医の先生と、またよくご相談になってください。

はしか(麻疹)予防接種は、1歳になったら早めに受けて下さいとお願いをしています。
最近は「1歳のお誕生日にはしかワクチンのプレゼントを」というキャッチフレーズもつかうことがあります。
1歳までにはお母さんからの移行免疫は完全になくなっていて、いわば「無防備」な状態になっているので、早めに免疫をつけ、はしかから守ってあげたいということです。

以上は一般的な話で、個別にはいろんな状況を加味しながらスケジュールを組んでいくことになります。
もし0歳から集団保育をするのであれば・・1歳未満でもワクチンを受けておいて下さい(これは任意接種。1歳すぎにもう一度、法定接種を受けて下さい)。
周囲ではしかの流行があれば・・早めに受けることをお薦めします。
はしか患者と明らかに接触したら・・3日以内にワクチンを「緊急接種」すれば、発症を防ぐことができます。

ワクチン接種の緊急性があるときには、多少の風邪気味ぐらいは目をつぶって接種してもらう必要があるでしょう。
(私はそうしています)

はしか(麻疹)はとても伝染力が強い感染症です(飛沫感染)。
ほんの少し接触しただけで、確実に感染します。
それどころか、はしか患者がいた部屋には、その患者がいなくなったとしばらくははしかウイルスが浮遊していて、次に入った子に感染させることもあると言われています。
はしかにかかると最初の数日は風邪症状が主ですが、とても重症感が強いので、普通に外出したりはしていないでしょう。
家で静かにしているか、または小児科を受診しているかと思います。
そうすると、一番心配なのは小児科の待合室ということになります。
やはり、周囲でのはしかの流行の有無について確実な情報があるといいですね。
ネット上にあるはずですので、探してみて下さい。

2002.1.22

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塚田こども医院Q&A2002年 1月