外陰部炎になりやすい理由

(3歳女児)外陰部のことですが、おりものは薬の服用後、とまっていますが、膣と肛門との間の皮膚が赤くなっていることがあります。日に2、3回はお湯の流水で流し、よく乾燥させてお風呂ではかならず石鹸を使って洗っていますが、(中略)場所がデリケートなのでやはりほうっておけません。どうぞよろしくお願いいたします。(千葉県・Mさん)

外陰部の清潔については、とても気にされているようですし、毎日のお手入れもきちんとできているようです。
女の子のウイークポイントですので、そのまま続けていって下さい。

お薬としてはゲンタシン軟膏を使うことが多いです。
赤くなったらまずは清潔に洗い(石けんも使う)、そしてゲンタシン軟膏を「べっとり」と塗っておいて下さい。
外陰部の中、つまり粘膜部分もいっしょに塗って下さい。

女の子の外陰部が汚れてしまうと細菌感染を起こしやすいのですが、それには理由があります。
まず、汚れやすい構造をしていること(窪んでいますよね)。
次に、その中を洗わないことが多いこと(親も本人もつい遠慮しているようです)。
そして、まだ女性ホルモンが働いていないで、感染に対する抵抗力が弱いこと。
そういった理由で、乳幼児期には外陰部炎が多いのです。

学童期になると、自分でも注意してきちんと洗うようになりますね。
もう少しして思春期に入ると、女性ホルモンがきちんと分泌され、多少の汚れや細菌にはびくともしない丈夫な粘膜に成長していきます。

そんなことで、ご理解いただけたでしょうか。
もっとも「清潔にして下さい」とお願いしているので、気にしすぎてゴシゴシと荒っぽく洗っているとしたら、それもまた逆効果です。
あくまでも優しく!(デリケートなところですから)
手に石けんをとって、そうっとナデながら、ぬるぬるしている汚れをとってあげるのが一番いい洗い方かと思います。

2002.4.22

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塚田こども医院Q&A2002年 4月