水ぼうそう(水痘)の診断

5歳男児のことで相談です。 先日水ぼうそうにかかったのですが あまりにも症状が軽く(体に4,5ヵ所発疹が出た程度)、皮膚科と小児科の先生とで 水ぼうそうかどうかで意見が別れた程でした。2週間後 今現在下の子に発症していますので 間違いなく水ぼうそうだったようです。私たち素人の間では 「あまり軽く済むと 成長してからもう一度かかることがある」という意見をよく耳にします。私自身も あんなに軽くて 抗体がしっかりできたのか。等と不安になっております。実際の所はどうなのでしょうか。この先 抗体検査や予防接種も必要なのでしょうか。ちなみに 下の子の方の発疹は 育児書でみるように 全身次から次へと広がって出てきています。(静岡県・Sさん)

2週間後に下のお子さんが水ぼうそう(水痘)にかかったことを考えあわせれば、上のお子さんの水ぼうそうは確実だと思います。

軽いからもう一度することは、ありません。
水ぼうそうのウイルスが体内で繁殖し、ある程度以上になると症状(皮膚の発疹、発熱など)を起こします。
そのウイルス量が多いほど症状が強くなります。
「症状が軽い」ということは、ウイルス量が比較的に少ないからなのですが、それは、体の中でウイルスを中和する(殺す)免疫が早くからしっかりと出来てきたからです。
免疫の出来方が遅かったり、弱かったりすると、ウイルス量がそうとうに多くなり、症状はとても強く、治るまでにかなりの日数を要することになります。
(一般に下の子のほうが症状が強いというのは、そういった意味合いもあるのだと思います)

ということで、今回、しっかり免疫(抗体)ができたからこそ、症状が軽くすんだのであり、もう一生水ぼうそうになることはないと考えてかまいません。
(ただし、帯状疱疹にはなるかもしれませんが)
もちろん、抗体検査、予防接種は不要です。

2002.5.10

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塚田こども医院Q&A2002年 5月