坐薬を入れたあとにウンチをしたが効果は?

約2年前に、熱性けいれんを起こして以来、発熱時には、必ずダイアップを使ってけいれんを予防しています。今日は、坐薬挿入後、30分くらいして、ガスと共に、おそらく坐薬が溶けたものとみられる「ドロッ」とした透明なものが出てしまいました。早朝で、病院にも、調剤薬局にも相談できずに、迷いましたが、もう一つ新たに、坐薬を挿入しました。坐薬をもう一個入れた私の判断は、正しかったのでしょうか? 坐薬が、直腸から吸収されるスピードはとても速く、挿入後10分と説いているホームページもあったのですが・・。もしかして、分量的に多かったのでは・・・?と反省しています。今後のこともありますので、どうかご教示頂けますように、お願いします。(長野県・Aさん)

坐薬の効果は、その中の薬剤が腸の粘膜から吸収されることによってもたらされます。
さらに、坐薬の全てが薬ではなく、「基材」と呼ばれるパラフィンのようなものの中に、少量の薬剤が入れられています。
この基材は、体温程度で溶けてきますが、粘膜から吸収されることなく、のちにウンチと一緒に排出されます。
たいがいの坐薬は5分ほどで溶けてきて、10分から15分ぐらいでは形が無くなっていると思います。
そうなると、少しずつ薬剤は吸収され始めています。
薬剤の吸収が何分ぐらいで終わるかは分かりません(坐薬によっても、その子によっても、その時の体の状態によっても変わってくるかもしれません)。
ですが、数分後からはすでに吸収が始まっていると思って良いと思います。

熱冷ましもけいれん予防の坐薬も、子どもの使うとすぐに便と一緒にそとに出してしまうことがあります。
そんなとき、それがつまめるようなら、指でつまんで同じ物をまた肛門に入れてもらっています。
これなら、「規定量以上」に薬剤を使用することはありません。
つまめないくらいに溶けていれば、すでに薬剤の吸収は始まっているので、それがどのくらいかは分かりませんが、新しい坐薬を使うと「規定量以上」になることが予想されるので、やめてもらっています。

お尋ねの件ですが、30分ほどもたっていると「けいれんを予防する程度の血中濃度」になっている・・つまり、そうとう薬剤は吸収されていますので、別の坐薬をもう一本いれると「規定量以上」となる可能性があります。
医師より指示された量を超えることが十分に考えられますので、このような時には主治医よりあらかじめ指示をもらっておくようお願いします。

2002.5.17

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塚田こども医院Q&A2002年 5月