予防接種後の感染症罹患

1歳10ヶ月の男児ですが、1歳になると同時に麻疹の予防接種を受けました。しかし、その次の日、高熱が出て、かかりつけの医者に突発性発疹と診断されました。治癒した後、何かの雑誌で、「予防接種直後に高熱が出ると抗体がつかない」という記事を見ました。まさにこれに当たると思うのですが、先生のQ&Aの中で、「インフルエンザの予防接種直後の突発性発疹」を読んだら、心配ない旨書いてありましたが、麻疹の場合も大丈夫なのでしょうか? 抗体検査をすればはっきりするのでしょうが、負担がかかるのでしたくありません。むしろ、2回受けてしまってもいいかなと考えております。その場合、いつごろ受けた方がいいのでしょうか? また、水疱瘡とおたふくの予防接種も受けようと思うのですが、標準的な接種年齢とかはあるのでしょうか?(わたしのまわりはなぜか、水疱瘡は2歳に、おたふくは3歳になってから、という人が多いので)(千葉・Kさん)

はしか(麻疹)ワクチンの効果についても、その直後に突発性発疹の熱がでていても、そう減弱することはないのではないかと思います。
予防接種直後に感染症にかかることは、子どもでは稀ではないです。
しかし、厚生労働省などの用意しているマニュアルにも、この点についても明確な記載はなく、あまり問題にしなくてよいということだと思っています。

通常外来で見かける病気の中で、免疫能をぐっと落としてしまうのははしか(麻疹)だけです。
予防接種直後にはしかにかかったということでしたら、再度の接種を勧めることもあると思いますが、それ以外のケースではとくにそのように指導はしていません。

ワクチン接種によって全ての人に完全な免疫ができるとは言えません。
理由は分かりませんが、一部には免疫ができていなかったり、出来方が弱くて次第になくなっていったりすることもあります。
そんなことも考えると、今回のこととは関係なく、再度はしかワクチンの接種を受けることは、とても大切なことと思います。
ご承知とは思いますが、欧米でははしかワクチンは2回接種が常識になってきていますし、いずれ日本でもそうなるものと考えています。

いつ2回目を受けるかは、とくに決まりはありません。
東京都が出しているマニュアルでは、1歳未満で接種した場合(任意接種)には、生後15か月以降に2回目を接種(法による定期接種)するように書いてあります。
今回は、お子さんの免疫がついていないことを心配されているわけですので、半年以内ぐらいの比較的早い時期に2回目の接種を行う(任意接種)のもいいかと思います。
(欧米での2回目は小学校入学前、または中学〜高校ぐらいで行われているようです)

水ぼうそう(水痘)とおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチンは、いずれも希望される方の任意接種です。
どちらも集団生活に入るとかかりやすい病気ですので、入園までにすませておくといいと思います。
しかし、入園直前である必要もありません。
1歳ちょうどではしか(麻疹)、その後風疹の予防接種を受けた後、しばらく受けるワクチンがないと思いますので、そろそろ検討されてもいいのではないでしょうか。

2002.7.26

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塚田こども医院Q&A2002年 7月