リンパ節の腫脹

9歳の女の子ですが、1週間ほど前から耳の後ろにぐりぐりができ押すと痛むので小児科で受診したところ「リンパ節炎でしょう。ばい菌でも入ったかな。」ということで抗生剤3日分をもらいました。その後また今度は、首のリンパも痛くなりぐりぐりしているので受診したところ「薬を変えましょう。タチの悪いものではないと思うけど」とのことでした。のどは少し赤いのですが痛みもなく、熱もなく、元気もあり、食欲もあるのです。頭のてっぺんに虫刺されの後があり、とても痒く無意識のうちに掻いていて、手で触ると枝豆大のコリッとしたものがあります。先生は関係ないとのことでした。このまま痛みが消え、数も増えなければ、心配は要らないとのことでしたが、悪い病気だったらどうしようと夜も眠れません。耳の後ろは痛みは消えましたがなんとなく大きくなったような気が。(鹿児島・Sさん)

リンパ節が腫れるのは、いろんな原因があります。
一番多いのは、「反応性の腫れ」。
もともとリンパ節はリンパ液の流れの途中で、ウイルスや細菌を殺すためにあります。
上流(末梢)に菌が多い状態の時は、それよりも下流(中枢)のリンパ節が活躍し、いつもより大きくなるでしょう。
痛みはさほどありません。
(今回、頭に傷のようなものがあるということで、それも関係している可能性はあります)
もとの問題がなくなれば自然と小さくなっていきます(全くなくなるわけではありません)。

次に多いのが、リンパ節炎です。
リンパ節の中に菌が入って化膿し、腫れている状態です。
いわば「ミイラ取りがミイラになった」ようなもの。
頸部の化膿性リンパ節炎をときどき見かけますが、ときには一晩で鶏卵の大きさぐらいになり、とても痛く、高熱がでてきます。
抗生物質が効きにくく、何日も点滴をしたり、外科的な排膿処置が必要なときもあります。

最後に、とても頻度が少ないものに「悪性のもの」もあります。
通常は痛みがなく、一か所ではなく体のあちこちにできてきます。
血液のガンですので、貧血などの他の血液の症状も次第に起きてくるでしょう。

今回のお話からは、悪性もものをご心配される必要はないように思います。
どうしても心配ということでしたら、その旨をお話になって、詳しく調べてもらって下さい。

2002.8.23

目次のページへ

ホームページのトップへ


塚田こども医院Q&A2002年 8月