インフルエンザ・ワクチンの副作用(腫れ)

先日インフルエンザの副反応と思われるギランバレー症候群について新聞でも取り上げられておりました。息子は、すでに2回接種が終了しましたが、人事ではありません。受ける人数と、副反応の出た人の確立としては低いものだと思いまが・・・。もしインフルエンザにかかって脳炎などになる確率を思えば、受けたほうがいいと思い毎年受けています。いつも、どきどきしながら受けているのも事実です。息子は、今年で3度目の接種ですが今まで、局所の腫れなどはおこしたことがありませんでした今年1度目の接種で2CM大に赤くはれ、2度目の接種で直径5cm大にはれました。いままで、腫れたことなどなかったのに、今回はれるということはどういうことなのでしょうか?「不活化ワクチンは、その働きを強めるためにアジュバントという、いわば増強剤が配合されています」と先生がおっしゃっていますが、増強剤による反応なら毎年同じではないのかと疑問に思い質問させていただきました。(福井・Oさん)

インフルエンザを始めとして不活化ワクチンは一般に注射部位の腫脹を起こしやすいです。
これは免疫増強剤のほか、ワクチンの成分そのものの特徴でもあります。
そして、この局所の副反応は注射の回数が多くなるにつれてますます大きくなる傾向にあります。
たとえば三種混合(DPT、1回量0.5ml)では1期で4回の接種を行いますが、次第に腫れが強くなってきます。
2期(二種混合=DT、小学6年)では腫れがとても強くなることが多いので、接種量を0.1mlに減量しています(これでもひどく腫れる子が出てきます)。

また接種の方法などでも腫れ方が異なってくる可能性があります。
注射は皮下注射なのですが、この部位を深めにした方が腫れが少ないようです。
(もう少し深く筋肉注射にするとほとんど腫れません)
また、注射後のもみ方についても、あまりに強くもむと、もんだことによる組織のダメージがおき、結果として腫れが強くなることがあります。
とくのお父さん方にもんでもらうとそうなりやすいようで、「優しくもんで下さい」とお話をしています。

ワクチンの副反応については、命にかかわるような大きなものがゼロになることが理想的ですが、近年のワクチン製造技術はそうとうしっかりしていますので、それに近づいてきていると思っています。
今後とも副反応を減らし、一方では有効性がきちんと確保されたワクチンが供給されることを願っています。
ただし、こういった副反応の問題と、ワクチンの「必要性」については、きちんと分けて議論されることだとも思っています。

2002.11.29

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塚田こども医院Q&A2002年11月