思春期の不定愁訴

12歳女児。おととしあたりから、お腹の調子が悪く、一昨年は何度も学校を休んだり病院をまわりました。去年は比較的安定していて、今年の冬あたりから現在に至るまで、お腹の調子に悩まされています。一昨年は(1)思春期に入っている(2)自律神経が乱れている(3)ホルモンがアンバランスになっている(4)起立性調節障害である。と言われ、子供にも病気ではないと言うことを、教えてきました。ですが、子供にとっては具合が悪くなると不安だし、すぐ私を頼ってきます。最近は胸もふくらんできて、友達も初潮を向かえた子もいると聞かされて、それが原因しているのではないかと思うんですが、病院にいってもただ、整腸剤をもらってきて終わりです。いつかは忘れましたが、一昨年の子供の調子というのは大人で言うと更年期障害のような症状と言われ、まだ、私も担任の先生も、保健の先生もなったことがないので、本を読んではみましたが、これがほんとうにあるのかどうか、私にもわかりません。児童思春期科にも通いました。今毎日右のお腹が・・左が・・真ん中が・・・痛いと言うので盲腸にも該当しません。もう一度小児科かまたは児童思春期科のカウンセリングにでも連れて行かないと、今年は修学旅行と言う行事も控えていますので、気が気でありません。どうしたらよいのでしょうか?(宮城・Tさん)

お子さんについてはすでによく診てもらっているとおりだと思います。
小学校の高学年から中学生になる前後のお子さんによくみかけるものです。
いずれ症状がとれていくので、大きな意味で心配はありません。
ゆっくりと待ってあげて下さい。

ですが、その「渦」の中にいると、本人は不安ですよね。
そんな気持ちを、親御さん(女の子はとくにお母さん)に預けることで楽になろうとします。
でも、頼られている親御さんが、お子さんと同じように不安な気持ちで不安定でいると、お子さんの気持ちは楽にはなりません。
親御さんはどんと構えていてほしいと思います。

ご心配があれば、再度カウンセリングに通ったり、思春期科を受診されることもよいでしょう。
症状が強いときは、それなりのお薬がありますので、また主治医にご相談になって下さい。

いずれにせよ、親御さんがお子さんのことを高いところが見守り、大きく包み込んであげ、そして後ろからしっかりと支えてあげることが大切かと思います。
そんな親御さんの頼もしい姿を見ることができれば、いずれ本人も成長とともに落ち着いてくるはずです。
そして、そんな「荒海」を一緒に乗り越えてくれた親御さんとの信頼関係は、これから長い人生を生きていく上で、大切な心の支えになってくれることでしょう。

「一病息災」という言葉があります。
全く病気をしない(無病)というのは、自分の力を過信してしまいがちです。
一つの病気をもっていくことで、むしろ健康に注意をしたり、他の人への優しい気持ちが生まれてくるというのです。

苦しいのはお子さんです。
親御さんはそんなお子さんを暖かく見ていてあげてほしいと思います。

2003.4.14

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塚田こども医院Q&A2003年4月