風疹抗体の意味

現在二人目を妊娠中(16週)なのですが、血液検査の結果、Igmが陽性でした。一人目の時は、血液検査の結果、風疹の抗体がなかったので子供が1歳を過ぎた2年前に、子供と一緒に予防接種を受けました。その後、抗体がついたかどうかの検査はしていません。最終月経は1月20日で、初めの血液検査は3月1日、再検査は3月15日に行いました。母子手帳に、風疹(±1.19)、IgM64×と記入されています。主治医の先生の話では、先天性風疹症候群の子供が生まれる可能性は低いが、100%ないとは言い切れないと言われています。私自身、予防接種以降風疹にかかったとは思えないのですが、Igmが陽性ということは、極めて最近風疹にかかったということになるのでしょうか??主治医の先生は、風疹の抗体が64倍で、最近風疹にかかったとは考えにくいと言っています。風疹にかかっていなくても、Igmが陽性になることはあるのでしょうか?(神奈川・Nさん)

風疹抗体について若干の誤解があるようですので、整理してお話をします。

抗体価の測定にはいくつか方法があります。
IgM抗体は感染を起こした直後からしばらくの間出現し、次第に少なくなります。
判定の基準は施設によって違う可能性がありますが、当院が依頼している検査センターでは次のようになっています(単位省略)。
・陰性:0.8未満
・疑陽性:0.8〜1.2
・陽性:1.21以上
感染後にIgM抗体が陽性である期間は数ヶ月程度ですが、個人差があり、最短では1か月程度、最長では1年以上あることもあります。

もう一つよく行う検査方法はHI法です。
この判定基準は次のようになっています(単位は希釈の倍数)。
・陰性:8倍未満
・弱陽性:8倍
・陽性:16倍以上
感染から1か月以内には抗体価が上昇し、数ヶ月ないし数年間は高抗体価(256倍以上)が続きます。
また、再感染時(この時は風疹ウイルスが体内で増殖しないために先天性風疹症候群のような問題はおこしません)でも上昇します。
そのため、1回だけの検査で初感染の時期の特定は難しいことが多いです。

母子手帳に書かれている内容は、検査方法が間違って書かれているものと思います。
ここでは
・IgM抗体1.19
・HI法64倍
と解釈してお話をします。

すでにお話をしているように、IgM抗体は陽性ではなく、「疑陽性」です。
またHI法では通常の陽性です。
これらの結果からは、陽性の時期を過ぎて陰性になりつつある途中と考えてよいものでしょう。
推測ですが、以前に受けた風疹ワクチンで免疫ができ、その免疫がまだ続いている状態だと思います。
つまり、今回の妊娠中に風疹に初めて感染したと判断すべき材料はありません。

以上はいただいたデータから考えたものです。
診察をしているわけでもありませんし、抗体価の測定を時間をおいて数回行うことも大切かと思いますので、最終的な判断は主治医にお願いをして下さい。

でも・・風疹のことは心配する必要はないですよ。
妊娠中にこのようなことを気にさせる医者は罪作りなのかもしれません。
どうぞ、新しい命の誕生を楽しみに待っていて下さい。

2003.5.13

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塚田こども医院Q&A2003年5月