サイトメガロ感染症と抗体

今、二人目を妊娠しています(8週)。過去2回流産しており、その原因がサイトメガロウイルスではないかとのことです。過去2回は8週〜12週の間に流産しており、また産院を代えて検査をしてもらったところ、サイトメガロIgG判定は(+)でEIA価119.3、またサイトメガロIgM判定では(−)で抗体指数0.5でした。今度の産院の先生はサイトメガロは流産の原因とは考えにくいと言われているのですが、前の産院で奇形の確立が高いとまで言われていたのでとても心配です。上の数値の意味するところは最近かかったのなら抗体数値があがるけど抗体数値が低いので、大丈夫だということでしょうか?(免疫ができていると考えるのでしょうか?)それとも抗体値が低いので胎児に感染してしまうということなのでしょうか?(奈良・Nさん)

感染症にかかると体の中に免疫ができてきます。
通常はこの免疫ができると、再度その病原体は体の中に入れないので、その病気にかかることはなくなります。
IgM抗体が真っ先に出てきて、その後IgG抗体が出てきます。
IgM抗体は短期間で消失しますが、IgG抗体は長く持続します。

検査の結果によると、IgM抗体が陰性で、IgG抗体が陽性ですので、以前にサイトメガロ感染症にかかっていて、現在は感染を防ぐだけの十分な免疫があるので、今後サイトメガロ感染症にかかることはありません。

いつ感染したかについては今回の検査結果からは分かりません。
しかし、感染は1回きりですので、過去の流産の原因が2回ともサイトメガロ感染症によることはありません。
(そのうちに1回がこの感染症による可能性は否定できませんが、しかし、そうだと断定する根拠は何もありません)

今回の妊娠について、サイトメガロ・ウイルスは何ら影響を与えませんので、その点ではどうぞご安心下さい。

2003.6.20

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塚田こども医院Q&A2003年6月