BCG接種の意義

オーストラリアと日本では予防接種の内容が異なっておりまして、今回BCGについて教えていただきたく、メールさせていただいております。こちらではBCGの予防接種は公費でも私費でもありあせん。しかし、友人(日本人のお母さん)がこちらの医者に日本頻繁に行ったりするのであれば日本でBCGの予防接種を受ける事を勧められました。また他の日本人のお母さんからも日本ではBCGの予防接種が公費のプログラムに含まれていて奨励しているし、大阪は結核の感染率が最も高いので帰国の際に受けておいたほうがよいという話を聞きました。私達はオーストラリアに移住しているのですが、夫の実家が大阪で、今年の10月ごろにその頃には10ヶ月になろうとする娘を連れて一時帰国する予定です。またこれから年に一回ぐらいのペースで子供を日本に連れて帰るつもりですが、BCGの予防接種は今回帰国の際に受けておいたほうがよいのでしょうか? また、BCGの予防接種を受けた場合その跡は成長しても濃く残るのでしょうか?夫は娘の腕に跡が残るのを懸念し、年に2週間ぐらい帰るのであれば結核感染の可能性もかなり低いし、BCGの予防接種を受けなくてもよいのでは?と言っております。(Nさん)

BCG接種の意義は、結核の罹患予防ではなく、重症化の予防です(とくに乳幼児)。
このため、日本でも乳幼児のBCGは継続していますが、小学校と中学校でのBCG(ツベルクリン反応陰性者を対象)は廃止されました。
諸外国では、乳幼児のBCGも必要なしとしているところがあります。

日本での乳幼児BCGは、結核罹患したときにその症状を重くさせないということなので、結核に罹患する可能性が低いときには、その必要性はさほどないことになります。
乳幼児が結核に罹患するのは、その大半が家族内感染とされています。
つまり、高齢者など成人の結核患者が身近にいて、そこから感染を受けるものです。

今回のように、旅行等で一時帰国するというだけで、結核に罹患する可能性が高まることは考えにくいです。

BCG接種痕は、それが正しく行われれば醜いケロイドを作ることなく、美容上の問題を生ずることはありません。
日本人女性のほとんど全ての方がBCG接種を受けていますが、ノースリーブを着ることができないような瘢痕を持っている方は、あまりいないはずです。
その点は心配される必要はないと思います。
一方で、もしBCG接種の必要性が高いのであれば、仮に接種痕が残るとしても、美容上の理由をもってBCG接種の必要性を否定することは、問題があるのではないかと思います。

2004.8.25

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塚田こども医院Q&A2004年