乳糖不耐症と母乳

最近2歳の娘が嘔吐下痢症になり、乳幼児の下痢について調べていました。さまざまなHPの中で、人工乳の場合、下痢のときははじめはうすめて、という対処がのせてあります。しかし、母乳の場合はそのままあげてよいとされています。乳糖は人工乳にも母乳にもふくまれているし、むしろ母乳中により多く含まれているはずですが、なぜ上のような対処法なのでしょうか。(Sさん)

下痢をしているときには、消化吸収の働きが弱くなっています。
そのために乳糖の入っているものは少なくするか、時には中止する必要があります。
しかし、乳糖だけではなく、ほかのタンパク質、脂肪分なども、すべて消化能力が弱くなっていますので、より消化しやすい形で、より少なく与える必要があります。
その意味で、一回に与える乳汁は少なめにした方がよいとお話をしています。

人工乳の場合は薄めて・・という指導も多いようですが、私は必ずしもそうはお話していません。
いつもより少なめにしてもらっています。
2倍に薄めて与えるのと、濃さは同じでも半分あげるのでは、内容量には変わりありません。
「薄める」というのは、下痢のときに水分を多めにあげた方がいいということからかもしれませんが、ミルク以外に水を飲めばいいだけですし、極端にひどい下痢であるとか、嘔吐を伴っているということがない限り、水分をさらに多めに与える必要性はそれほどありません。

母乳についても、一回の量は少なめがいいです。
乳糖のほかにも多くの栄養素が入っていますので、いつもと同じ量をあげるのはやめた方がいいです
もっとも、人工乳よりも消化はしやすいですし、赤ちゃんの月齢が大きくなってからの母乳はしだいに薄くなってきていて、成分量は少なくなっているので、それほどの制限が必要ないのかもしれませんが。

多少はご理解いただけたでしょうか。

なおお子さんの年齢からは、すでに母乳をあげてはいないと思います。
下痢のときの対処としては、まず乳製品をやめることが大切です。

2005.4.2

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塚田こども医院Q&A2005年