妊娠中の風疹予防接種

質問を検索したのですが、ちょっと場合が違うので質問させてください。ただいま7wの妊婦です。第一子のときに風疹抗体がなかったので10月の2日に風疹予防接種をしました。そのとき何も言われなかったのですが、接種後3ヶ月は妊娠してはならないことを知らず11月半ばに妊娠が発覚しました。10月15日が生理だったので、妊娠前の予防接種ですが、風疹抗体の検査をしたところ風疹ウイルスが64倍、IgMが2.04で陽性でした。先生曰く「IgMが陽性なのは接種して時間がたってないから当たり前だし、抗体価が64と低いので風疹症候群の恐れは低いと思う。だが、100%大丈夫とはいえない。」と言われました。いろいろしらべたところ妊娠初期に風疹にかかっていると風疹症候群のリスクがかなり高いようで、とても不安です。できれば中絶はしたくありませんが、先生曰く「2週間後(9w)の血液検査の結果でもしまたIgMが陽性だった場合、(子供を)諦めなければならないかも」と言われてしまいもうどうしていいのかわかりません。。2人目がどうしてもほしかったので中絶はしたくありませんがリスクのある子供をあえて産む勇気もありません。でも予防接種をしたばかりでは、やはり風疹症候群の子供が生まれてきてしまう可能性は高いのでしょうか。(Tさん)

風疹ワクチン接種の際に妊娠していないこと、および接種後2ヶ月間(アメリカでは3ヶ月間)妊娠しないことをお願いしています。
今回、風疹ワクチン接種直後に妊娠されたということですが、その説明を受けていないということであれば、あなたの責任ではありません。
接種の担当医が当然すべき説明をしなかったことになります。
絶対すべき説明をせずに予防接種を行っているとしたら、責任ある医療行為とはいえません。
大変残念なことですし、同じ医師として申し訳ないことだと思います。

一方で、風疹ワクチン自身には催奇性は理論的に否定できないけれど、実際に風疹ワクチンによって奇形児が生じたという例は、過去に報告されていません。
そのため、妊娠を制限している期間の間に妊娠してしまっても、すぐに中絶はしなくてもよいとされています。
この点については、HP内に記載がありますので、お読み下さい。

さらに、抗体検査の解釈に誤りがあるように思われます。
今回風疹ワクチンを接種したわけですから、その後風疹抗体は陽性になりますし、IgM抗体も数ヶ月は陽性になります。
その変化は風疹に罹患したときと同じです。
抗体検査だけからでは風疹予防接種による変化であるか、風疹の罹患による変化かは区別できません。
しかし、風疹に罹患したというエピソードがなく(そうですよね?)、風疹ワクチンを接種したという確実な事実があるわけですから、今回の検査所見が予防接種による変化と考えることのが妥当だと思われます。
(しかも、風疹ワクチンが有効であり、今後風疹に罹患することはないということになります)
主治医の先生が「風疹に罹患した」とする根拠が、以上の他にあるということでしたら判断は変わってきます。
以上のことをふまえて、再度主治医の先生とよくご相談になって下さい。

2005.12.8

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塚田こども医院Q&A2005年