反復性耳下腺炎の対処と予防

小学3年生の女の子ですけど、おたふく風邪は4歳と7歳になりましたけど、6月ぐらいから急に反復性耳下腺炎にかかり、6/12は右6/20は左、6/29は右が大体2日ぐらい腫れ耳鼻科に幾たびに抗生剤をもらい6/29は大きい病院で血液検査とかレントゲンしてもらうように行ったのですが、しても炎症があるのがわかるだけなので無駄みたいなことを言われて痛み止めだけもらい抗生剤も3日ぐらいしても痛がり腫れがなおならなければ飲んだらいいと言われました。7/9も少し腫れてまた症状がでてるのですが10日おき
ぐらいに毎月なったら他の病気ではないかと不安になるのですが他の病気があるとすればどんな病気が考えられるでしょうか?高学年になれば治るので様子見ればいいと言われしたが子供は痛がりで下を向いても歩いても頭も痛いといいご飯もあまり食べれなくなります。なのでその度に学校も休むので私も今度はいつなるのだろうと心配になってます。今は、なったらなったときで治まるまで様子見るのを繰り返すだけしか方法はないのでしょうか?(Kさん)

耳下腺は唾液腺の一つで、唾液を作る働きがありますし、口腔内とつながっています。
耳下腺炎はいろいろな原因によっておきます。
最も頻度の多いものが「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」というウイルスによる感染症で、その症状の一つに唾液腺の腫脹(とくに耳下腺)があります。
ちなみにおたふくは一生に一度だけの感染症ですので、2回しているという記述がありますが、いずれか一方(もしかしたら双方とも)おたふくではないものと思います。

次に多いのは、口腔内の雑菌が入り込むことによる細菌性の耳下腺炎でしょう(急性耳下腺炎)。
耳下腺と口腔内をつないでいる唾液管が比較的太くて、細菌が逆流しやすいためにおきるようです。
そのため繰り返しおきることも少なくなく、「反復性耳下腺炎」「習慣性耳下腺炎」とも呼ばれています。
毎回の治療は、抗生剤の使用(通常は内服を数日)と、痛みが強い時には鎮痛剤の使用を行うことが多いです。
症状と経過から容易に診断がつきますし、通常は治療によく反応してくれるので、治療に苦慮することはあまり経験していません。
年齢的には年長になってくるとだんだんと起きなくなってくる傾向があります。
お子さんも、長い目でみていただければ、いずれは起こしにくくなっていくのではないかと思います。
問題は、その頻度が多く、症状が強いような時です。
お子さんの場合にも、繰り返し起こしているようで、対処に困っておられるとのことですね。

耳下腺は唾液を作るところなので、より唾液の量が多くなり、たえず流れていれば、雑菌が逆流することは少なくなると期待できます。
そのためには、チューイングガムを頻繁に噛むことが勧められています。
家にいるときだけではなく、学校でも休み時間などに噛んでみてはいかがでしょう(学校の先生に「医療上の必要のため」とお話しし、保健室を利用してもらうといいかと思います)。
また、口腔内を清潔にしておくことも大切ですので、頻繁にうがいをしたり、食後はすぐに歯磨きもしたりと、心がけて下さい。
この他に、普段から抗生物質の使用を続けるという方法もあるかもしれませんが、これは主治医の先生のご判断によりますので、ガムなどで効果がないようでしたら、またご相談になってみて下さい。

2006.7.13

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塚田こども医院Q&A2006年