塚田こども医院

日誌(更新記録)2000.2

2000.2.29(火)

今日は閏日(うるうび)

今日は400年に一度の、閏日。4年に一度の閏日が、100年に一回は閏年にはしないけれど、400年に1回は再調整のために閏日にするのだそうです。そんな面倒なこと、いったい誰が決めたのかと疑問に思うけれど、そうなんだそうです。

まあ、一日、もうけたような日ですね。でも、今日生まれた赤ちゃんは、次の3年間は正式な(?)誕生日はきません。そして、かわいそうなことに、100歳のお誕生日を迎えられないのです。2100年の2月28日の次は、29日を通り過ごして3月1日。何とかしてあげなくちゃ。ひねくれちゃうよ。不良おじいちゃん・おばあちゃんになっちゃうよ!?

Y2K問題が心配されていましたが、おおむね大丈夫だったようです。1月1日のような空騒ぎにもなりませんでした。そんな中、私の使っているプロバイダーが、深夜から使えなくなっていました。すわ、Y2Kかと思いましたが、午前中には復旧していました。ただの故障だったようです。わりとよく停止する会社なので、またかと思ってはいたのですが・・

「こども通信」のデジタル配信

「こども通信」3月号を作成し、このHPにも早速アップしました。どうぞご覧下さい。また、「こども通信」のデジタル配信を、メールをよくいただく方にしてみました。まだお試し版ですので、ご意見などありましたら、よろしくお願いします。

2000.2.28(月)

私はもともとは内科医なんです・・?

昨日は休日診療所で終日勤務。インフルエンザは下火でしたが、嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)や普通の風邪が多く、わりと混んでいました。私は「内科・小児科」を診ることになっているので、いつもの診療とは違い、若い方や、おじいちゃん・おばあちゃんの診察もします。なかなか慣れないので、大変です。以前、脳卒中で倒れたお年寄りの方が運ばれてきて、あたふたしたことがあります。とりあえずの処置をして、大きな病院へ送りました。対処があれで良かったかな、などと心配になるばかりでした。もっとも、最近はみなさんよく分かっておられるようで、大きな病気なら、初めから大病院へ向かわれるので、だいたいは軽症の方がほとんどになっていますが、それでも「専門外」は気が抜けません。

私は、医師免許をとったころは、内科医を目指していましたし、内科の研修を受けていました。それがいつしか小児科医になってしまったのです。これには深いわけがありまして・・ 田舎で一人で内科をしていると、きっと子どもたちも診る必要があるだろうから、ぜひ小児科の研修をさせてほしい、と上の先生に特別にはからっていただきました。まだ小児科研修に入る前、内分泌内科を研修していた頃、そこが小児科との混合病棟で、糖尿病などのお年寄りよりも、いっしょにいる子どもたちと遊んでいることが多くて、要するにさぼっていたのですが、それが小児科部長の目に留まり、それなら小児科医になれ、ということで、いつしか「宗旨替え」をしてしまったのです。

ということで、私のルーツは内科医。小児科医は仮の姿・・ でも、もう内科のことは分からなくなってしまいましたね。

2000.2.26(土)

豚カツと胃薬

日本列島を覆っていた寒波がやっと去っていったようです。雪国にも、青空が戻ってきました。これでもう大雪は、終わりでしょうね。

昨日から始まった国立大学前期の試験は、やはり気になっています。受験生を持つ親として、人並みの心配をしています。もっとも、子どもが近くにはいないので、朝、指定の時間に目覚まし代わりの電話をかけるだけなので、ずいぶん気苦労は少ないですが。

今週は、豚肉の売れ行きが全国的に多かったことでしょう。やはり受験生の弁当は「豚カツ」--と思っていたら、最近はあんまり関係ないという話もあります。そんなことぐらいで受かるなら、みんな豚カツ弁当にしているし、全員がそうなら、合否には全然関係なくなりますね。

次は発表の頃、胃薬の売れ行きが良くなることでしょう・・

2000.2.25(金)

すき間家具

私の仕事は、すき間家具。わずかに空いている時間をみつけて、仕事をこなしています。

午前の外来が12時に終わり、午後の予防接種外来が始まる1時30分までの1時間半が、私にとっての「ゆとりの時間」のはずなのですが、忙しいと、外来の終了が遅くなり、お昼の時間が少なくなっていきます。先月のインフルエンザ流行時は、昼食もとれるかどうかという「せめぎ合い」をしてました。今月は少しゆったりできるようになり、お昼の時間にもぞもぞ動き回っています。

今日は、12:10外来終了、来客1名、昼食をとり、その後外出。そとの用を3つ足して、1:30ぎりぎりに戻るという「離れ業(?)」をやってのけました。これで懸案の仕事のいくつかが片づき、ちょっと落ち着きました。(疲れましたが)

この間、何かあればすぐに医院に戻れるよう、携帯電話をもって出かけています。ほんに、せわしない奴ですね、私は。

2000.2.24(木)

今冬のインフルエンザ流行の特徴

インフルエンザは確かに下火なのですが、完全にはなくなっていません。今日はインフルエンザの報告数は8人でした。ある小学校で流行っています。先月すでに流行していた幼稚園と小学校でも、また発生しています。前回ほどの大きな流行にはなってこないとは思いますが。同じA型でも、タイプが違うのかもしれませんね。

今日、先月のウイルス分離の報告が保健所から届きました。A香港が7名、Aソ連が6名で、半分ずつです。二つのウイルスが同時に流行していたんですね。ある小学校で、学年は違っていましたが、同時に両方のウイルスが分離されているところもありました。子どもたちがAソ連型に対してあまり免疫を持っていないことが分かっていましたが、そのことでこのシーズンの流行を大きくなったようです。

そとは雪。もうすぐ寒波も終わるのだと思いますが、明日から、いよいよ国立大学の前期の試験が始まります。我が家にも受験するのがいるので、胃が痛んでいます(スネも痛んでいますが・・)。全国の受験生のいる家庭に、早く本当の春が来ないものかと思っています。

2000.2.23(水)

小児科医のもう一つの仕事

午後、市の乳児健診にいってきました。今日は6〜7か月児の健診。発達のキー・マンス(鍵になる月)といわれている月齢で、ちょうどお座りや寝返りができるようになってきます。診察といっしょに、発達のチェックをするのですが、人見知りの始まる月齢でもあります。私の顔をみると、とたんに泣きだす子も少なくありません。あんまりひどく泣くと、お母さんが申し訳なさそうにするのですが、子どもの泣き声をうるさがっていたのでは「商売」はできません。そんな時、言ってあげます・・

「子どもは泣くのが仕事、小児科医は泣かせるのが仕事」

けっこう納得してくれます。

2000.2.22(火)

医療保険の改定

この4月から、医療保険が改定され、同時に新たに介護保険制度がスタートします。このうち医療保険の改定は、おおむね2年に一度行われ、診察料の値段や、薬の値段が変わってきます。まだおおまかな方針がでているだけで、細かい内容は25日以降に発表されることになっています。それから1か月ほどで、内容の勉強をしたり、コンピューターのプログラムを入れ替えたりの作業があります。

以前は3月10日頃の発表で、そこから2週間ほどで作業をしなければいかなかったので、きつかったです。何として欲しいという要望が強くて、日程が早まってきました。

今は医事会計専用のコンピューターが普及しているので、業者の提供してくれるプログラムを入れ替えるだけですむ部分が大きいのですが、大変なのは業者の方。現在の「薬剤負担」なんてのは、めちゃくちゃな内容で、よくプログラム化出来たものだと、感心しています。

でも、そのコストがもろに私たちに降りかかってきます。数百万円の専用コンピューターを購入し、そのメンテに毎月何万円も払っています。プログラムの入れ替えには、ときに数十万円の請求書がくることもあります。保険の改定で多少いただくものがあがっても、そういったところに流れていくお金が馬鹿になりません。(改定を繰り返すごとに、内容が複雑化しています。数ヶ月後に本がでるのですが、厚さが7、8センチはあります。)

今日は、私の入っている「保険医会」の理事会。こんな医療改定の問題を話し合います。新潟市で会議をするので、「いつもは出られないよ」と気安く理事になったのですが、何と電話を使って会議をしています。長距離電話料金を払っても、旅費の支出や事故の心配を考えると、安上がりなのだそうです。いずれは、インターネット電話を使い、もっと安く、もしかしたらお互いの顔を見ながら会議ができるようになるかもしれません。テクノロジーは進んできました。上越は新潟から遠いからというのも、もう言い訳には使えなくなってしまいました。

2000.2.21(月)

43歳になりました

極めて私的なことで、すみません。本日、私は43歳の誕生日を迎えました。

この年になると、もう誕生日なんて関係ないとは思っていたのですが、「おめでとう!」と言われると、やっぱりうれしいものですね。ちょっと照れながら、ありがとうと返事をしていました。

それにしても、長く生きてきたものです・・(?) じつは、生後8か月で、腸重積のため緊急の手術を受けています。けっこうやばい状態だったようで、当時(昭和32年)の小児外科のレベルからして、よく助かったものだと、自分でも不思議に思っています。

・・それをきっかけに医師への道を選んだ・・などとなれば、かっこいいのでしょうが、まだお座りができるようになったばかりで、オムツもとれていない赤ん坊では、何も覚えてはいません。その頃は血管内に点滴注射する技術もなく、「大量皮下注射」をしていたようです。それが「筋萎縮症」の大きな原因であったわけですが、私の太股にも、その跡が残っています。母親が暖かいタオルでよくもんだという方は何ともないのですが、もう一方には、はっきりとした段差が今でもあります。「母はありがたいものだ」と小さい頃思っていたのですが、最近は疑惑もあって、「どうして反対側ももんでくれなかったんだよ」となどという不謹慎な気持ちがもたげたりして・・

そういえば、先日TVにでたときの母親の感想は、「おまえの手はあれているね」。それより中身を聞いてよ。でもそれが母親なのでしょうね。もう70を越えていますが、いつまでたっても母親なんだと思います。近くに住んでいて、何かあれば手助けしてあげられるようにと思っていますが、でもとくに何をしているわけではありません。子どものことで煩わされずに、元気に自分たちだけの生活が出来ているだけで、幸せなんだなと考えています。

2000.2.19(土)

続・納得できない!!

2月6日に京都府警の対応について「納得できない!!」と書きました。いま、もう一つの「納得できない!!」事件が、私のいる新潟県警でおきています。

三条市で誘拐された女の子が、9年ぶりに柏崎市で見つかった事件です。保健所の職員が、犯人の自宅で女の子を保護したにもかかわらず、警察は、自分たちが病院で確認し、保護したという、全くのウソを公表しました。誘拐事件をここまで長引かせたのも、警察のあまりにお粗末な捜査によるわけですが、ここにきて、何でそんなにウソ・偽りを並べ立てるのか!!

よっぽどメンツにこだわっているのでしょうか。それも県警本部長クラスが関わっていたというのですから、開いた口がふさがりません。あとで事実と違うことが分かったときには、二重にも三重にも信頼を失うことを、まだ理解していません。神奈川県警のあれだけの不祥事から、いったい何を学んでいたのでしょうか。

新潟県警が有名になって、京都府警は胸をなで下ろしているのかもしれませんが、そちらもきちんとしてほしい。「犯人の自殺」で全てが終わりになったことを、「最善のことをやった」と真顔で言えるとは、大したものです。自殺からマスコミ発表や、犯人の母親への連絡までの「空白の数時間」--いったい府警は何をしていたか、大いに知りたいです。警察の失態をとりつくろうための時間稼ぎだけではなく、もしかして、警察が犯人を追跡する中で、積極的に自殺に追い込んでいったのではないか、それを「口裏合わせ」するために必要な時間だったのではないか、などとつまらない「妄想」をしています。そこまで警察のモラルが落ちているとは考えるだけでも恐ろしいことですが・・

ウソをつくのは、犯罪です。「ウソは泥棒のはじまり」・・いえいえ「ウソは警察のはじまり」になっている日本のあわれな現実に、大いなる怒りを覚えています。犯罪を取り締まるべき警察の犯罪を、誰が正していくのか--納得できなくて、悶々としている日々を送っています。

2000.2.18(金)

お医者さんごっこ

昨日の読売新聞からの取材のなかで、「小児科医になってよかったことは?」と聞かれ、「子どもたちといるだけで楽しくなるから・・」と答えました。(老人ばかりの内科とは違って・・と言いたかったけれど、さすがそこまでは言えませんでした。)

ときどき、外来に来ている子どもたちと「お医者さんごっこ」をします。きょうだいで来ていて、上の子だけ診察の時に、下の子が「私も・・」「僕も・・」とねだることがあります。こんな時は、診察室の外で泣かれるのもイヤなので、忙しくてもおまけに診察をしてあげます。そのうれしそうな顔を見ると、こっちもうれしくなります。本職の医者が相手をするのですから、「究極のお医者さんごっこ」だね、と言って、お母さん方と笑っています。

こんな風景も、小児科外来ならではのことですね。

2000.2.17(木)

降り続く雪の中

昨夜の寒さで、自宅の消雪ポンプのモーターを凍らせてしまいました。地下水を汲み上げるのですが、夜の間ずっと水を出しっぱなしにするわけにもいかず(地下水位が下がって、地盤沈下の原因になると警告されています)、止めていたら、朝には水がでず、「しまった」。モーター用のヒーターがあるので、そのスイッチをONにしておけば良かったのですが、それが外にあって、「まあいいや」と気持ちでいたのが失敗のもとでした。反省・・

医院の方は、ちゃんとヒーターをつけておいたので、問題なし。おそらくこの冬、最後のお勤めをしています。

ちなみに「消雪」をワープロ変換しようとしても、でてきません。「小説、小節、少雪、詳説、・・」。変換のプログラムを作った人は、きっと雪国の方ではないのだろうな、と考えながら「しょうせつ」の単語を打ち込んでいました。単語登録したので、もうこれからは一発で変換できます(でも、あまり使いたくない言葉ですが・・)

2000.2.16(水)

寒波の中・・

昨日から、大きな寒波が日本列島を覆っています。医院のある直江津(上越市)は海岸に近いので、北風が強く、路面は凍ってきています。冷え込みも、この冬一番になるかもしれません。でも、これが最後の寒波になりそうな気もします(楽観的?)。あまりに雪が少ないので、もう今年の夏の「渇水」が心配になってきました。雪の少ない冬はいいけれど、でも降るべき時には「ほどほどに」降ってもらったほうがいいようですね。

今日の午後は、少し離れた小さな保育園に行って来ました。今春、7名の子どもたちが入園します。その子たちの健診です。まだ慣れないのか、泣いてる子もいましたが、それはそれで可愛いものです(もしかしたら、医者に慣れているから泣いているのかも・・予防接種の時は、診察のあと、いつも注射がセットになっているので・・)。

園への行き帰りは、日本海の荒海を見ながらのちょっとしたドライブ(残念ながら? もちろん一人でした)。気分転換になりました(ますます暗い気分になった?)

今日は、読売新聞の方からインタビューを受けました。毎月出している「こども通信」などを中心に、私のことをネタにしようということのようです。「医者になろうとしたのはなぜですか?」という質問から始まったのには、あわてました。だった、もうずいぶん昔のことですから。中学の途中で一生の職業として医師を選んだのですが、もう30年ちかくたちます。半分忘れていました。・・この記事は、毎週月曜日の新潟県版「新潟ひと模様」に掲載されるとのことです。(早ければ今月28日、遅ければ1週おくれになるとのこと。せっかくなら、もう1週間早ければよかったな・・なにしろ、21日は私の誕生日なもんで・・)

2000.2.15(火)

上越にもハッカー出現

上越ケーブル・テレビジョンのHPにもハッカーが侵入し、書き換えの被害がでたということです。中央官庁のHPが書き換えられた時には実感がありませんでしたが、近くでそんなことが起きてくると、人ごとではありません。こういったことに詳しい技術者がきちんとした予防策をとっておく必要があるのでしょうが、とても小さなHPやサーバーには無理ですね。日本でもネット社会が爆発的に広がろうとしている時に、こんなことでつまづくのは、残念です。もっとも、これを良い教訓にして、しっかりした対策ができれば「良かった良かった」ということになるのでしょうが・・(ここでも、日本の危機管理能力の弱さが足をひっぱりそうです)

一応念のために、きっと誰も思ってやしないかもしれませんが、私はハッカーではありません。(こんなことをわざわざ言うのは怪しい? でも、私のPCの技術は、できているものを使うだけの幼稚なものですから・・ で、やっぱり誰も疑ってはいなかったようですね。失礼しました)

2000.2.14(月)

バレンタイン・デー

今日は恒例のバレンタイン・デー。ありがたいことに、今年もチョコをいただき、気分を良くしているところです。だいたいは義理チョコだということも分かっているのですが、でももらうとうれしいものですね。

中にも、もしやして・・などとつまらぬ下心をおこしては・・いませんので、ご安心下さい。

2000.2.13(日)

明日は連休明け・・

昨日は第2土曜で休診にさせていただいたので、3連休になりました。明日はその連休明けです。さあ、どうなるやら・・

幸い、インフルエンザの流行もずいぶん下火になってきていますし、学校や幼稚園などが長いお休みにはいると、流行する感染症がぐっとおさまってくることがよくあります。3日間というのは、どうなるか。子どもたちがきちんとお休みをとってくれていると、外来も穏やかでいいのですが。

2000.2.12(土)

インフルエンザ雑感

インフルエンザの流行の波がずいぶんおさまり、このシーズンを振り返る余裕がでてきました。積極的にワクチンをすすめたり、新しい検査や、新しい薬を使うことも、このシーズンに初めて経験したことです。

とくにシンメトレルという抗インフルエンザ薬については、私たち小児科仲間で大激論が続いています。以下は、小児科医でつくるメールリンクで、私が発言したものの一部です。お読みになって下さい。

私もこのシーズンに初めて、そしてかなり多くシンメトレルを使用しました。印象としては、こんなによく効く薬は他にない! と思うぐらいです。ただ、副作用・耐性ウイルスの問題は十分クリアーできておらず、苦慮するところでもあります。

ところで、このシーズンは、ワクチンとシンメトレルを積極的に使用した先生方が多かったと思いますが、その動機は何でしたか? 私は、「脳炎・脳症の予防」でした。こう書くと、「ワクチンにも、シンメトレルにも、予防効果は確認できていないはずだ」と言われてしまいそうですね。でも、ほかに一切の予防対策がない以上、効果が確認できていなくても、「効果を期待して」使用するべきだと考えました。ただの思いこみにすぎないかもしれませんし、後で、実は逆の問題が起きてきたり、別な解決方法があったりするかもしれませんが・・

シンメトレルは、小児へ積極的に使うべきではない、とする意見は理解できます。でもそれは、脳炎・脳症の問題の発生していない諸外国だからいえるのではないかと思います。日本では、やはりそれを必要としている事情が違います。

年間100名以上の、インフルエンザに伴う脳炎・脳症の死亡例という問題に、私たち日本の小児科医だけが直面していることを、重く受け止めていました。そうでなければ、ワクチン接種についても、「クレージー」にならずにすんでいたでしょう。

諸外国にはない問題ですので、乳幼児へのワクチン接種の推進も、シンメトレルの積極的投与も、このシーズンはやむを得なかったと自己弁護しています。言ってみれば、「緊急避難」です。多くの問題を抱えていることは承知の上で、でもインフルエンザ・ウイルスが日本の子どもたちの中枢神経を襲ってくる事態を、少しでもくいとめたいという思いを、強く持っていました。

もちろん、必要性さえあれば、副作用を含めて何でも許されるわけではありません。シーズンがすぎ、じっくり検証しなければならないと思います。

私の住む上越市で、ワクチン接種者の小児がインフルエンザ脳症の疑いでなくなりました。この子の状況については、またいろいろと議論があると思いますが、「ワクチンを受けていたのに」という気持ちが親御さんの中に生まれてきていることも、また憂慮していることです。ワクチン接種だけではまだ不十分なんだと言ってあげたいのですが、それも虚しく感じています。

これはちょっと思いつきで、根拠のあることではないのですが、このシーズンのインフルエンザ脳炎・脳症の発生が、ずいぶん低くなっているのではないか、などと思っています。そうだとしたら、ワクチン接種・抗インフルエンザ薬の使用によるお陰・・ではなく、ウイルスそのものの侵襲性が緩和されてきたのではないか・・ ちょうど、数年前から日本でのインフルエンザ・ウイルスが、中枢神経に対する攻撃性を獲得したのと同じように、今その逆のことが自然界で起きている・・・・

インフルエンザ・ウイルスの変異によって脳炎・脳症が発生しやすくなったというのは、ただの仮説ですので、この論は科学的根拠はありません。あくまでも私の頭の中のイメージです。でも、風疹ウイルスの催奇形性が減弱してきていることが、ウイルスの変異によって起きているという「有力な仮説」もあることを、最近知りました。1918年のスペイン風邪で、第2波の流行では主に20〜30歳台の青年の死亡が多くなったことが、第1波直後の1918年8月末頃、急にウイルスが変異したためである、という説もあるのだそうです。こんなことを考えると、インフルエンザ・ウイルスの変異が、この日本で起きているし、今後も起きうることだと考えるのも、あながち空想ではないように思えてきました。

2000.2.10(木)

国会の野中さんとは・・

先月、国会審議調査室の野中さんから電話があった、という話を書きました。私が直接電話にでることが出来ず、またあとで電話する、とのことで、何だったか気になっていたのですが、どうも正体が分かってきました。

全国の小児科仲間のメールリンクの中で、同じ様な話がでてきました。ある先生が、何ごとかと思って電話口にでたところ、「国会の××を記念して本を出版したのですが、医院でもお買いになりませんか?」といった内容だったそうです。

そうなのです、物売りの電話だったのです。うちにも、しょっちゅう電話がかかってきます。マンション、土地、どこかの会員権・・節税対策と称して、電話口で一方的にしゃべりまくってきます。だいたいこの手の電話は、受付段階でシャットアウトするのですが、「国会」となると、やはりドキッとしてしまいます。うまい手を考えてきたものです。

言わせて欲しい--国会議員も、電話で商売をするな!! ・・失礼しました。

2000.2.9(水)

午後は保育園で健診

いくつかの保育園で嘱託医をしていますが、今日はその一つで「新入園児の健診」をしてきました。まだ生後半年ぐらいの赤ちゃんから、3歳児ぐらいまで40人ほど。ずいぶん泣かれてしまった子のいるけれど、わりとみんな静かに診察させてくれました。

中には、いつまでも私のそばを離れない、かわいい子もいましたが、あんまり「医者慣れ」しているのも、なんだか良いような、悪いような・・ 

外来や雑務で忙しい中に出かけていくのは大変なんですが、でも、そんなかわいい子どもたちの様子を見るのも楽しみです。(なになに、若い保母さんに会うのも楽しみだって? まあ、否定はないけれど・・モゴモゴ・・)

2000.2.8(火)

インフルエンザの嵐が過ぎて行こうとしています

1月中旬から始まったインフルエンザの流行が、2週間まえをピークに、その後ゆっくり終息に向かっています。もちろんまだ新たにインフルエンザになる子どももいますが、それでも少なくなりました。「クレージーな外来」から、やや落ち着いた外来に戻ってきました。

吹き荒れていた巨大な台風の嵐が、やっと過ぎ去ろうとしています。県内ではこれからというところも多いようなので、一日も早く消滅してくれることを願っています。

変わりに、今日は低気圧の嵐が吹き荒れています。明日にかけて、各地で強風や降雪があるとのこと、私も早く帰ろうと思います。

2000.2.7(月)

インフルエンザの治療をめぐって「激論」

私たち小児科医の中で、インフルエンザの治療については、これまでのシーズンとは格段に違う状況があります。やはり、脳炎・脳症の発生をどう少なくするか、という重要な課題があるからです。

今までは、子どものインフルエンザは命に関わるようなこともなく、軽くすむのだから・・という議論が成り立っていたのですが、今はそうではありません。ここ数年間、少なく見積もっても年間100人以上の子どもたちが、インフルエンザにかかったあと脳炎・脳症で亡くなっています。この「現象」は、どうも日本だけでおきているようです。また、そんなに前からあったわけでもありません。つまり、脳炎・脳症の問題は、私たち日本の小児科医だけが、世界の医学の歴史の中で初めて直面している、緊急かつ未曾有(みぞう)の課題なのです。

積極的にワクチン接種を勧める、流行の情報を確実に伝える、抗インフルエンザ薬を含めて丁寧な治療をする--そんなことを通じて、少しでも脳炎・脳症の発生をくい止めたいと、祈るような気持ちで診療にあたっています。

私が入っている小児科医のメール・リンクでは、こんな治療方針が論争の種になっています。以前、ワクチン接種を巡って、「それでどれくらい脳炎・脳症が減らせるのか?」といった議論がありました。今また、抗インフルエンザ薬の使用について、副作用の問題などもからんで、同じ様な疑問が出されています。でも、(私が発言していることですが)「だから何もしない・・ということでいいのですか?」 ベストの診療は、まだ確立されていません(脳炎・脳症のことは、全く新しい問題なのですから)。しかし、少しでも良い方向に持っていくため、今できることを積極的に行うことが必要です。議論はきちんとしましょう、でも議論のための議論ばかりをしていて、何も手を打たないなんてことは、やはり許せません。

子どもたちのために明るい未来を--小児科医に限らず、そう思っておられる方は多いはずです。今、インフルエンザ脳炎・脳症という、子どもたちの健康どころか命そのものを脅かしている「見えざる妖怪」に、果敢に立ち向かい、少しでも早く解決したいと願っています。

先週から、やっとインフルエンザ流行のピークがこえて、ちょっとほっとしてきているところです。

2000.2.6(日)

納得できない!!

昨日、京都での小学生殺害の犯人が自殺したとマスコミが伝えました。「最大の証拠隠滅」であり、犯行の動機が何だったのかが解明される機会は、永遠になくなってしまいました。子どもを殺された親御さんの無念な思いが、一層つのることでしょう。任意同行を求めている最中に逃げ出され、自殺されるという失態を演じた警察に、怒りを覚えます。

と同時に納得できないのは、「最善のことをしていた、仕方ないことだった」と開き直っている幹部の発言です。それって、おかしいよ。「最善のこと」ができていないから、こんな結末になったんでしょ。言い訳にもなっていない。率直に事態を反省することがなければ、ものごとに進歩も改善もありません。結果として「犯人逮捕」ができず、「犯人の自殺」に至ったわけだから、どこかに間違いや「不適切なこと」があったわけです。それらをきちんと洗い出し、次につなげていく努力をしなければ、また同じ誤りを繰り返すだけです。

また、とくに神奈川県警での失態からはじまり、全国的に警察に対する信頼が揺らいでいるときに、言葉だけ「最善を尽くした」といっても信用されません。それどころか、そう言えば言うほど、信頼を失うことにつながることを、どうして分かっていないのでしょう。不祥事が続いたとき、さかんに聞かれた「警察の威信にかけて信頼回復に努める」という言葉も、またそらぞらしいものだったことを、証明しました。こんな警察の態度に、私はとうてい納得ができません!! 

昨日からむなしさと怒りを抑えきれない私です。日曜日というのに、こんなトーンの「日誌」ですみません。

2000.2.5

登園(登校)の3段活用

インフルエンザは出席停止の扱いになっていますので、熱が下がり、2日ほど経過すれば、登園(校)できます。今シーズンから使っている抗インフルエンザ薬(シンメトレル)が良く効いて、翌日には解熱し、そのあとは何の症状もなく、元気にしている子どもたちを多く見かけるようになりました。「出席許可証」にハンコが必要なので、再受診されますが、本人はいたって健康そう。もうヒマでヒマで仕方ない様子。そこで、3段活用--

1.「もう行けるね」(子どもの様子をみて、私から)
2.「もう行きたいね」(子どもに対して、私から)
3.「もう行って欲しいね」(お母さんに対して、私から)

家に一緒にいるお母さん方の苦労は、大変ですね。(でも、インフルエンザが軽くすんで良かった、良かった。)

2000.2.4

県内でインフルエンザ脳症による死亡/県から通知

先週、県内で4歳の男の子が、インフルエンザ脳症(疑い)で死亡していることが、県から通知されました。大変いたましい出来事です。予防接種を受けていたということで、ワクチンだけではまだ不十分なのかもしれません。

ちょうど今日の朝日新聞・家庭欄にも、「『ただの風邪』甘く見ないで--インフルエンザで幼児が脳症」という記事が掲載されています。脳症の原因はまだ分かっていないので、対策も不十分になりがちです。まずはワクチンで免疫をつけ、その上でインフルエンザにかかったときには、新しい「抗インフルエンザ薬」を使う、状態を良く観察して必要なら早めに対応する、などが必要です。

上越から始まったインフルエンザの流行は、今週は県内に広がっているようです。早く終息することを祈るばかりです。きのうの「鬼はそと」--私たち小児科医や親御さんにとって、今まわりにいる鬼はインフルエンザ・ウイルスのようです。

2000.2.3

今日は窒息事故の心配な日

今日は節分。どの家庭でも、豆まきをされることでしょう。でも、小さな子どもがいる家庭は要注意。間違って飲み込み、のどや気管につまってしまう事故が心配です。3歳までの子どもには、豆菓子を与えないようにして下さい。--豆まきは「鬼はそと」だけにして、「福はうち」は止めましょうね。

TV出演への反響

きのうにTVでの話は分かりやすかったよ、と何人かの方にお声かけいただき、ほっとしているところです。

他にもいくつか感想をいただきました。
・インフルエンザの最新情報をとてもわかりやすく丁寧に説明していただいて聞きやすかったです。膨大な情報を短い時間にまとめることは大変だったと思います。視聴者としては、スーツ姿を拝見するのが初めてでしたので、副園長が『ダンディな方ねえ。』の一言にみんなうなずいていました。
・とてもステキに映っていましたよ。ちょうどKのテレビがやっている時間だったので、Kのチャンネル攻撃に遭い、落ち着いて見れませんでしたが・・・。
・We saw you on TV today, and everyone agreed that you looked very handsome. Did you use make-up?

皆さん、お上手ですね。ありがとうございました。うそでもうれしいです。どうも、私のスーツ姿は珍しいようですね。(外来であるお母さんが、「顔を見たときは分からなかったけど、声を聞いたら分かった」と言っていました。)診察室ではトレーナー(たいていはミッキーの)、ジーンズ、スニーカーがおきまりですものね。(馬子にも衣装?)

2000.2.2

TVに出演/緊急特集「インフルエンザはかぜじゃない!」

今日の夕方、新潟市へ行き、NT21の生番組「小野沢裕子のいきいきワイド」でインフルエンザについてお話をしてきました。(トンボ帰りをして、今医院に戻ってきたところ。)

この番組では、インフルエンザの季節になるとインフルエンザのことを話題として取り上げます。私もこれまでに何度かお話をしたことがありますが、今回は、「インフルエンザの診療が大きく変わった」ことをお話ししました。「ワクチン」、「情報(検査とインターネット)」、「新薬」の3つの武器でしっかり防衛し、攻撃することができるようになったわけで、これは「革命的なできごと」なのです。

おりしも今日、先週に上越で4歳の男の子がインフルエンザ脳症で亡くなっていたことが報じられました。--最新鋭の武器を手にしても、まだまだ「敵」は手強いです。もう少しの間、小児科医と子どもたち(親御さんたちも)の、インフルエンザとの戦いが続きます。


2/2 NT21「小野沢裕子のいきいきワイド」に出演
(左から多賀秀敏=早大教授、小野沢裕子=メイン・キャスター、右端が院長)

2000.2.1

2月になりました

Y2K問題でどうなるかと思っていた2000年も、あっけないほど何ごともおこらずに始まりました。そして、もう1か月が過ぎてしまいました。

やはり、インフルエンザの流行が始まって、患者さんが急激に増えたことで、あっというまに一月がたってしまったようです。でも、このシーズンのインフルエンザ診療は、手応えがあります。何しろ、検査や治療薬といった最新鋭の強力な「武器」があるのですから。

日常の診療の中で感じていることを、あすのTV(NT21、夕方4時50分〜)の中でお話しするつもりです。県内の方は、どうぞご覧になって下さい。

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