塚田こども医院

日 誌 2004年10月  月別の索引

2004.10.30(土)

◇地震から1週間

新潟県中部地震がおきてちょうど1週間がたちました。先週の土曜日の夕方、大きな揺れに見舞われましたが、私は帰宅の途中。土曜の午後は4時頃までインフルエンザ予防接種の外来をしていますが、それが終わって仕事を片づけてから家路につきました。自家用車を運転中に最初の地震があったのですが、じつはその時すぐにはそれが地震とはわかりませんでした。車がヘンにゆれるのでタイヤのパンクなのかと思ったのですが、少しすると普通に走れるので違うと分かりました。次に思ったのは風が強くてハンドルを取られたのかなということでしたが、窓をあけてもそれほど強い風が吹いているわけでもなし。もしかしたら脳卒中の発作なのかとも思ったのですが、特に麻痺がでているわけでもありません(これを疑ったのは職業柄なのでしょうね)。

ふと外をみると、あるレストランの周りでそこの従業員らしい人が建物を見回しています。建物が壊れていないか心配をするぐらいだから、ただ単に私の車が関係している個別的なことが原因ではなく、広く大きな影響をもたらす別の原因があるに違いない。それは地震しかない。そう思って車載TVをつけると、長岡市付近で大地震があったとのこと。これは大変と、家路を急いだという次第です。

家では妻と娘がいましたが、半分パニック状態。物が落ちたり壊れたりという被害がでたわけではありませんが、それでもとても大きな揺れが長い時間続いたことで、精神的に参っている様子でした。折しも、私の父母(おじいちゃん、おばあちゃん)を一時的に同居させていたのですが、たまたま一緒にいられたということで。こちらはわりと落ち着いているようでした。

その後1時間ほどの中で何回も大きな余震があり、私自身もそうとう大きな揺れを体感しました。生きている心地がしなかったです。幸い家の中で物が落ちたり、棚などが倒れたりという被害はありませんでした。そうこうしているうちに医院では被害がでていないかどうか、心配になってきました。家のことが一段落したあと、自宅とは離れている医院に向かいましたが、こちらも物の一つも落ちていないのには、むしろビックリしたほどです。そうとう大きな揺れがあったのでしょうが、無傷でいられたのは偶然だったのかもしれません。

夕時を襲った地震でしたが、夕食も手つかず。火事騒ぎにならなかったのは幸いでしたが、でももう食事の支度をする気力も失せてしまいました。そこで向かった先がコンピニですが、そのおにぎりコーナーはきれいなまでに何もありません。地震が起きてからわずかの間に売り切れてしまったようです。私も買おうとして行ったわけですが、みんなの考えること、望む物は一緒だったんですね。

この1週間、当地でも余震があり、その度にまだ一連の地震がけっして終わってはいないことを思い知らされました。被災地の状況も多少は改善されたとはいえ、まだまだ不自由がいっぱいです。避難生活も、まずは生命に関わることはなくなってきたようですが、次に中長期の課題・・生活に関わることがこれからも大きな問題です。

被災地の救助活動をすすめる中で、全体を統括し、方向性を打ち出し、具体的な支持を出す部署がいないことが指摘されています。日本の国や自治体などでもっとも苦手な部分です。早く手を打たないと、現地は雪に埋もれてしまいます。もう時間がないことを、どれくらい分かっているのでしょう。何とかならないものでしょうか。

2004.10.29(金)

◇心のケアを

行方不明になったいた母子3人のうち、男の子を除いてお母さんと娘さんは残念な結果に終わりました。一度に二人の家族を失ったお父さんの心痛を思うと言葉がありません。

一命を取り留めた優太ちゃんには、早く元気になって、お父さんとの楽しい生活を取り戻してほしいです。お母さんもお姉ちゃんの分も・・

そう言いながら、でも、優太ちゃんにそんな言葉かけをしてはいけないのかも、という気持ちもあります。普通に、一人の元気な男の子として育っていくのが一番の幸せです。お母さんの分も、お姉ちゃんの分もその小さな肩にせおって生きていくのは、あまりに可哀想です。

心のケアも必要です。でも、難しいことを考えることはありません。お父さんが隣に寄り添い、優しく抱きしめてあげること。保育士が彼を楽しく遊んで上げること。普通の子どもらしい日常生活を取り戻してあげることが、一番のケアです。

それよりも心配なのはお父さんです。今日もお葬式などでお忙しかったようです。できれば一分でも長く、優太ちゃんといっしょにいさせてあげたい。それは優太ちゃんだけのためではなく、実はお父さんのためにでもそうです。

子どもたちはすごい力をもっています。私たち大人の気持ちをちゃんと癒してくれるのです。落ち込んでいるとき、子どもの何気ない笑顔を見るだけで、心がなごみ、気持ちが楽になります。

優太ちゃんの容態にもよるのでしょうが、できることなら早く一般病棟に移してあげて、お父さんたちとゆっくりと過ごさせてあげてほしいです。子どもの心がちゃんと分かる小児科医なら、きっとそうして下さることでしょう。

2004.10.28(木)

◇避難している子どもたちと過ごして

昨日は地震による土砂崩れで車ごと生き埋め状態だった2歳のお子さんが、92時間ぶりに無事救出されるという、ほとんど奇跡ともいえるニュースが飛び込んできました。午後からのテレビ中継に釘付けだった方も多かったことでしょう。

救出の瞬間、涙が流れるのを禁じ得ませんでした。ほんとうに良かった、よくいまままで頑張っていたね、寒くて暗い中でひとりぼっちでつらかったよね。今日は病院でずいぶんと元気になっていると聞いて、安心しています。でも、一緒だったお母さんとお姉ちゃんは、残念な結果でした。それを聞くと、また切ない気持ちになります。冥福をお祈りいたします。

当院でも、今日は多少のお手伝いができました。長岡市で被災された3人の女の子を一時預かったのです。家が被災し、避難所になっている体育館で何日も過ごしていたのですが、お一人の子が体調を崩し、お母さんの職場のある上越市にやってきました。お昼に受診に来られたのですが、事情をお聞きし、夕方までわたぼうし病児保育室でお預かりしました。もともととくに病気ではない子どもたちですから、落ち着いた家庭的な雰囲気の中にいると、もう元気になります。小さい子の面倒をみたり(一緒に遊んだり)、お天気も良かったので保育士といっしょに近くの公園にお散歩にいったりと、数時間でしたが楽しく過ごしてもらいました。夕方お母さんが迎えに来られる時には、もとの元気な女の子に戻っていました。

避難所での長期間の生活は、想像するだけで大変だと思います。生きることだけで精一杯。生活そのものがなりたつような環境ではありません。夜もよく眠れないということですし、食事も満足のいくものではありませんし、トイレもきちんと行けません。入浴ももちろんです。そして子どもたちにとっては「遊び」のないことが何よりもストレスの原因になります。

地震という怖い体験をしただけで、小さな心は張り裂けそうになっているのに、その後の生活の中でも、どんどんとストレスをため込んでしまいます。心の様子がそとからは簡単に見えないだけに、それをしっかり受け止めてあげる大人の存在と、それが可能になる環境の整備は、一刻を争う緊急な課題です。

昨日のあるニュースで、小さなお子さん方とお母さんが鬼ごっこをしている場面がありました。被災されてつらい時なのに、お子さんと楽しく過ごせるお母さんに関心しました。そして、とてもうれしそうにしている子どもたちの様子を見て、やっぱり子どもたちには、どんな大変な状況の時でも、「遊び」や「笑顔」が必要なんだと、つくづく感じました。

今日3人の女の子をお預かりして、みんなに笑顔が取り戻せたことを、とても嬉しく思います。ほんの少しのことですが、でも多少なりともお役にたてて良かったです。もっと組織的に、大規模に実行して、避難しているすべて子どもたちの心のケアができるといいのですが・・

2004.10.26(火)

◇4日目の寒い夜

新潟県中越地震がおきてから4回目の夜を迎えています。雨が降り、気温が下がる闇の中で、この先も見えず、いや今の様子すら分からない生活を余儀なくされている多くの方々の、筆舌に尽くせない苦悩と悲嘆さを思うと、胸が張り裂けそうです。何としてでも生き延びて、またいつか普通の幸せな暮らしが戻ってくることを祈っています。

それにしても救助が遅く、必要なところに手が回らないような印象を持ってしまいます。土曜の夜に現地に入れなかったのは仕方ないとしても、よく朝までのほぼ12時間で救助の体制が作れなかったのでしょうか。自衛隊には夜間も飛行できるヘリコプターや暗視カメラがあるはずです。それらで現地を見渡せば、そこにどんな災害が起きているかを翌朝までに把握することは、ある程度可能であったはず。

そして翌日の日曜は好天に恵まれました。救助し、避難させるには絶好の気象条件。全国から自衛隊、国、自治体、民間などのあらゆる人員と機材を投入すれば、10数万人を救いだすこともけっして不可能ではなかったように思います。けっきょく全体を指揮し、実行させる機能が国にも自治体にもないことが根本的な問題なのでしょう。

避難生活のための緊急物資も、翌日にはぜひ到着していてほしかったです。テレビのニュースを見ながらヤキモキし続けていました。こういった物資も、全国の自治体に一定の物を準備しておくべきでしょう。法律を作って、すべての市町村に、例えば人口の1%分の非常用の物資の保管を義務づけてはどうでしょう。東京都であれば、都内に10万人分です。小さな災害時にはそれを使うだけで十分でしょう。大災害時には、他の地域への投入を義務づけておきます。今回であれば関東や甲信越からの緊急輸送だけでもまかなえる量が備蓄されることになります。それを搬送するのも、自衛隊、消防などの他、民間の輸送業者と契約や協定を結んでおき、最優先でその業務にあたるようにしておきます。

こういった危機管理対策がきちんと作られていたらと思うと、残念です。阪神大震災の教訓がちっとも生かされていなかったことが、証明されてしまいました。日本という国は危機管理ができないんですね。困ったことです。今回の大災害から、大いに学んでほしいものです。

当院のある上越市はほとんど被害もなく、医院の診療も普通に行っています。困難な中で診療を続けている現地の医療機関と医師たちのことを思うと、いてもたってもいられなくなる気持ちがありますが、でも手だてがありません。まだ余震の心配がある中で、上越から離れるわけにもいきません。もちろん、当地での普通の診療を続けることも必要です。そこで、せめてもの気持ちとして・・

もしも当地でも地震による被害が出たときには、当院の一部を近隣のみなさんの一時避難所として使っていただくことを、町内会の会長さんとの間で合意しました。本格的な避難生活はできませんが、とくに町内の独居老人の方などが、みんなと一緒に過ごすことで、不安な気持ちを解消してくれたらと思っています。

当院にはわたぼうし病児保育室があり、多少ともそこで生活ができるようになっています。また、非常電源装置を2基ありますし、停電時でも地下水を利用することで使用できる水洗トイレも備え付けてあります。十分とは言えませんが、災害時でも医療活動が継続できるようにとの設計コンセプトを活かすことで、地域への貢献もできるかと思っています。

もちろんそれらが利用されない方がいいわけですが、危機管理としてはやはり「備えあれば憂いなし」。地震よ、来るなら来い!という構えでいたいです。

2004.10.25(月)

◇新潟県中越地震

一昨日夕方、突然襲った地震はとても大きな被害を出してしまいました。新潟県中越地震と名付けられたこの地震では、強烈な強さの余震が繰り返しおきています。長岡市、山古志村、川口町など中越地域では壊滅的ともいえる大規模災害になりました。死者が20数名、負傷者1,000名以上。その被害の大きさは、テレビなどで詳しく伝えられているとおりです。

しかしニュースを見ながら怖いと思うのは、その被害が時間を追う毎に、日を追う毎に甚大になっていることです。詳しいことが次第に分かるに従って、実はとてつもなく大きな災害であることが分かってきました。

今、外は雨が降っています。被災され、避難されている多くの方々の上にも冷たい雨が降り注いでいることでしょう。地震から3日目の夜も、絶望と寒さの中で過ごさなくてはならないことを思うと、心が痛みます。子どもたちは満足に食事ができたでしょうか。赤ちゃんにはミルクが足りているでしょうか・・。

当院のある上越市は震源地から60キロほど離れています。震度5前後の揺れが何回かありましたが、大きな被害はでていないようです。医院も自宅も大丈夫でした。わずか数十キロの違いで、助かったようです。

でも、このわずか数十キロしか離れていないところで、地獄のような体験をし、今のこの瞬間も苦しんでいる人たちが何万人もいると思うと、何もしてあげられないことに、やるせなさを覚えます。ただただ、これ以上の被害が出ないことを、そして一日も早く元の生活に戻れることを祈るのみです。

2004.10.23(土)

◇コミュニケーションはキャッチボール

先週から始まったインフルエンザ予防接種は、今のところ順調の進んでいます。土曜午後にもうけたインフルエンザ予防接種の特設外来も今日で2回目。12月下旬まで10週連続で行いますので、いわば2合目まで来たところ。これからまだまだ険しい坂道(?)が続きそうです。

来月、ある中学校で「思春期講座」を依頼されています。思春期まっただ中の中学生とその保護者を対象に、50分の授業をしてきます。性のことから始まって、友だちとの関係、生き方など、心に響く話をしたいと思って準備しているところです。

ネタ探しをかねていくつかの本を読んでいるのですが、その一つにとても感動しました。「この気もち伝えたい」(伊藤 守著)がそれです。片手に入るくらいの小さな本で、内容はシンプルなのですが、でもその分、心に響いてくるものがあります。コミュニケーションをキャッチボールにたとえて、良いコミュニケーションを作るために心がけなければいけないことが書かれています。生き方の基本が、きっとここにあるのでしょう。来月、中学生たちにもぜひ伝えたようと思います。

「院長の書斎」のコーナーに「この気もち伝えたい」を紹介しました。1年ぶりの新刊書です。よろしかったらお読みになって下さい。

2004.10.21(木)

◇台風被害

超大型台風23号は、全国で記録的な被害をもたらしました。死者・行方不明者が80数人というのは、平成になって最も多い数なのだそうです。ニュースに写る状況は想像を絶するものがあります。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

私のところでも、いくつかの台風被害がありました。当地でも夜半まで強風と大雨が降りましたが、朝方にはもう穏やかになっていました。朝おきたときは、曇り空で小雨が降る程度。もしかしたらそうとう悪い天候の中を出勤しなくてはいけないかも・・などと思っていたので、嬉しいことでした。でも・・

台所のお湯が出ません。室外に置かれた給湯器がダメになったようです。あとでサービスの方にみてもらったところ、猛烈な風のために、普通は入るはずのないところから雨水が入り込み、中の電子部品を壊してしまったとのこと。他の家でも同じような被害がでているというお話もされていました。

次に医院にいくと、駐車場の中の様子がいつもと違います。強風でおれた木の枝などが散らばっているのですが、それだけではありません。よく見ると、消雪用ポンプを覆っている小屋がなくなっていて、ポンプが裸になっているのに気づきました。さてさてどこに行ったのかとあたりを見回していると、近くの方が来られ、道路に飛ばされたとのこと。

さらに、行き交う自動車にはねられたりして、一部の鋼材がその家のお風呂場のガラスを割ってしまっていました。夜中だったのが幸いしてか、人にケガをさせることがなかったのが、せめてもの幸いでした。もし入浴中だったら大変なことになっていたかもしれません。さっそくお詫びに伺いました。

もう一つ、アルミ製のフェンスの一部が崩れていました。猛烈な風に支柱が支えきれなくなり、折れてしまったようです。こちらの方は近隣の方にご迷惑を掛けることはありませんでした。

台風への備えは万全だなどと、先日の「日誌」には書きましたが、頭で考えていただけでは十分ではありませんでした。これを機に、しっかりとした対策がとれるように見直していきたいと思います。そのための良い反省材料になりました。

改めて、医院の近くの方にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

2004.10.20(水)

◇風速200km(!?)の台風

またもや台風です。今年はこれで何個、日本に上陸しているのでしょうか。しかも今回の23号はその強風域が日本列島を覆い尽くすほどの巨大さ。大雨と強風で大きな被害のでないことを祈るのみです。

医院の「台風対策」も、もう定着しました。まだ雨も降らない昨日のうちに、医院の外にあるお花のポットやベンチになどをしまいこみ、今日はいつ台風が来ても良いように準備万端。こんな程度の危機管理も、繰り返す中でスムーズにできるようになるのですね。火災などの防災訓練も、形だけ、忘れたころに時々するのでは不十分で、もっと頻回に行い、たえず職員の脳裏を離れないようにしておくことが肝心なのでしょう。

台風情報を見ていて少し気になることがあります。それは「風速」の表し方。強風が15メートル以上、暴風が25メートル以上ですし、今回の台風でも最大瞬間風速は60メートルほどになったところもあります。でも、この数字にどうも実感がありません。風の速さなど、普段気にしていないからでしょうが、もう一つ大きな理由も。それは表し方の単位です。

風速は1秒間に進む風の速さをメートルで表します(秒速)。これを「時速」で表してはみてはどうでしょう。「秒速10メートル」は、1分で 10m×60秒=600m、1時間では 0.6km×60=36km になります。これでもすでに走る速さを超えています。強風の風速15メートルは時速54km、普通に走る乗用車並です。風速25メートルでは時速90kmにもなり、高速道路のスピードの近いわけですから、その速さはそうとうだということがすぐ分かります。風速50メートルは時速180km、60メートルは時速216km・・これはほとんど新幹線のスピードですから、メチャクチャな速さだと直感できます。

風速を時速で表すと台風情報も、受け方の印象が変わってくることでしょう。「広い範囲で風速90km以上の暴風が吹き、瞬間最大風速は200kmにも達する巨大な台風が迫っています。」こんなニュースが流されると、台風の猛烈な威力がダイレクトに伝わり、避難などの準備も直ぐに取りかかるれるでしょう。

“生きた”台風情報になること間違いなし! この意見を、気象庁では採用しませんか?

2004.10.18(月)

◇新しい新潟県知事誕生

新潟県の新しい知事が昨夜決まりました。自民党などが推した泉田氏がその人で、若干42歳。現役の都道府県知事では最年少とのこと。新しい県政の新しい顔としてふさわしい“顔”になることでしょう。

新潟県の財政はそうとう悪いようです。このままでは来年度、財政再建団体になるかもしれないとのこと。民間の企業でいえば借入金が多いのにそれに見合う収入がない状態。いわば“倒産”寸前。その再建のために、銀行が実質的に経営するようになるわけですから、生き残れるかどうかの瀬戸際にいるわけです。

新潟県がこんなに財政が悪くなったのは、公共企業の大盤振る舞いです。道路や橋を県内の隅々まで整備し、大型の施設をそうとう作ってしまいました。さすが田中角栄の出身県、土木の力がまだまだ強いです。県の支出全体を減らしてきていますが、それは全体を平均して減らしてきただけ。バランスをとったといえば聞こえはいいですが、そこには県政を担う理念はありませんでした。前知事の12年間は、あまりに長かったように思います。

新しい知事が誕生しました。若くて勢いのあるリーダーシップが期待できます。でも・・緊縮財政で困っていた土木などの団体が強力に推していた候補が知事になったのですから、これからどういった政策が実行できるのか、心配です。子育て支援をはじめとした福祉関係に、しっかりとした予算をつけることも、本当にできるのかどうか、心配です。

それにしても投票率は低かったですね。53%ほどといいますから、有権者の半数近くは投票にすら行っていません。これで民意を反映した選挙になるというのでしょうか。というよりも、県の政治をこうしてほしい、こうあるべきだという「民意」そのものが、もうないのかもしれません。自分の意見をもち、それを伝える最高のチャンスが選挙だと思っているのですが、もうそんな捉え方はできないようですね。悲しい現実です。

2004.10.15(金)

◇インフルエンザ予防接種がスタート

今日からいよいよインフルエンザ予防接種が始まりました。インフルエンザ予防接種は当院にとっても「一大行事」です。まずはとても対象者が多いと言うこともあります。当院がずいぶん前から「子どもたちにワクチンを!」と主張し続けてきたこと成果もあるのでしょう、とても多くの方に接種を受けてもらっています(日本有数というウワサも・・)。通常の外来の時間枠では収まらず、12月中旬まであしかけ3か月間、毎週土曜午後には特設外来を設けているほど。最後まで息を切らさず走りきれるかは、多少心配ですが・・

しかし、何よりも「子どもをインフルエンザから守る」という“大義”があります。インフルエンザは決して軽い感染症ではありません。重い症状になり、時に命に関わることもあります。昨年アメリカでA香港型インフルエンザが流行したときには、公式には143人の乳幼児が亡くなったとされています。日本でもけっして少なくない被害ができているはずです。さらに「インフルエンザ関連脳症」の問題があります。これはなぜか日本人にそうとう特有な問題です。毎年数百人の子どもたちがこの脳症にかかり、その何分の一かは亡くなっている実態があります。

ワクチン接種を多くの子どもが受けることで、少しでも不幸な事態を引き起こさないようにしたいという思いは、日本中の全ての小児科医がもっているでしょうし、親御さんもみなそうです。幸い、今年は昨年よりも4割近くワクチンが増産され、2,000万本が供給されるとのこと。これは約4,000万人分に相当します。日本中の小児科医が、かかりつけの子どもたちに接種するには十分な量でしょう。あとは、接種をどう実行するかの問題です。

一つお願いがあります。「子どもたちをインフルエンザから守る」ために、子ども本人がワクチン接種を受けるのは当然ですが、それ以外にも、周りにいる親御さんやご家族の方も、必ず予防接種を受けていただきいということです。インフルエンザは大人にとってもそうとうダメージの大きな感染症です。そしてもしかかってしまうと、一緒に暮らしている小さなお子さんに移してしまうことも心配です。ワクチン接種を受けてあっても、大人が大量のウイルスをすぐ近くで排出していれば、それを完全に排除し、感染から免れるというのは、難しいでしょう。ぜひ大人も一緒になってワクチン接種を受けてほしいと願っています。

今日はそのワクチン接種の初日。ほぼ一年ぶりの接種で、看護婦を始め、注射に間違いがないかなどを確認しながらの作業でしたので、ちょっと疲れました。明日からは土曜午後の注射もあります。これから頑張るぞ!と心を引き締めたところです。

今日、このHPへのアクセスが190,000件を超えました。多くの方にご覧いただいていることを感謝しております。次は200,000ですが、いつになるでしょう(年内はまだ?)。これからも、どうぞよろしくお願いします。

2004.10.12(火)

◇台風一過・・でも小児科外来は別の大風が

このところ忙しさに追われ、余裕のない生活をしていました。個人的なこともありますし、仕事の上でもそうでした。10月に入って急に気温が下がり、風邪をひくことも多くなったのでしょう、外来もけっこう混んでいます。もっとも、連休になったためにその前後が混雑するのは仕方ないことなのですが。

先週末日本を襲った台風22号も、恐ろしい破壊力をもっていました。夕方、静岡付近に上陸し、首都直撃という場面には、テレビの前から離れることができなくなったくらいです。アメリカでも数多くの巨大ハリケーンが襲来しているということですが、その時のテレビ映像も思い出され、何事もなく過ぎ去っていってくれればいいのにと、遠くから祈るような気持ちでテレビニュースを見ていました。

今年の台風は数の多さだけではなく、雨も風もすごいものがあります。風速では瞬間的に50〜60メートルにもなったとのこと。人間が立っていることもできなくらいなのだそうで、こんな風が吹いた時には危なくてとても外にはいられません。屋外の物も飛んでいったり、巻き上げられたりして、強風による「被害者」であると同時に「加害者」にもなりうるわけです。飛んで行きやすい物は、縛ったり、屋内に入れたりと、それなりの準備をしておかなくてはいけません。

医院の周りを見渡すと、そんな「危険物」がいっぱい。お花のポットも少なくありませんし、ベンチもあります。そういった物を、雨が降り出したり、風が吹き出す前にしまい込みます。台風情報で進路が新潟を向いていることが分かると、私が「撤去命令」を出し、職員がそれを受けてさっと片づけることになっていますが、今年はその練習の機会が異常に多く、スムーズにできるようになりました。実害は全くありませんでしたし、貴重な訓練(?)ができたのも、今年の台風のお陰なのかもしれません。

さて、今週はいよいよインフルエンザ予防接種が始まります。当院では15日(金)がスタートです。アメリカでは、生後6か月〜23か月の乳幼児は、もしかかるとよりリスクが大きいとして、今年から急きょ予防接種の対象者に加わりました。また、生後0か月〜23か月の乳幼児の周囲の大人たちも同様にワクチン接種の対象者になりました。つまり、家庭の中にインフルエンザを持ち込ませないという作戦です。これは昨年の流行で多くの幼い子どもたちの命を失ったからですが、その対応の早さに感服しています。アメリカのいろんなイヤな面もありますが、こういった「危機管理」の対応については、まだまだ学ばなくてはいけないですね。

ということで、大人の方も一緒に、インフルエンザから子どもたちを守るためにぜひ予防接種を受けて下さい。

2004.10.5(火)

◇一度で3回へこんだ話

昔のコマーシャルに「一粒で2度美味しい」というのがありましたよね(確かマーブルチョコ)。私はその上をいく(?)経験をしました。

先月のある日曜、多少は家庭のこともしなくっちゃ!と頑張って、夏のものを片づけていました。普段はしない肉体労働・・疲れてきて、最後は集中力がなくなってきていたんでしょうね。ヨシズを車庫の中に持っていったとき、注意をしていたつもりなのに、その端で棚の上に置いてあった犬のケージを落としてしまいました。ボコッという音がしたときには時遅し・・ その下はマイカーのトランクでした。

イヤな予感はたっぷりとしたのですが、それでも“もしかして大丈夫だったかも”と願いつつ、そっと見てみると、立派なへこみがそこにはありました。まだ新車に近い車なのに・・ 車がへこんで、いっしょに私の気持ちもずいぶんとへこんでしまいました。これで「一度で2回」へこんだものでした。

その後修理に出して車は元通り。どこにへこみがあったのかも分かりませんし、細かい傷もきれいになって帰ってきました。修理の技術もずいぶんとしっかりとしているものだな、これも「匠の技」なのかも、などと感心しきりでした。

でも、今日その請求書が来て、またへこんでしまいました。そこに書かれた数字・・またもや、何てことをしてしまったんだという苦い思いがまた吹き出してきました。3回目のへこみをたっぷりと味わっているところです(>0<)

2004.10.4(月)

◇イチローに大きな拍手

10月に入って急に気温が下がってきました。先月は残暑が厳しかったので、いっそう肌寒く感じます。タオルケット1枚で寝ていましたが、急にお布団を引っぱり出してきました。

イチローの活躍がスゴイですね。シーズン最多の262本ものヒットで、大リーグ新記録を出しました。どちらかというとパワーのない日本人、そしてその中でもけっして大柄とはいえないイチロー選手が大量のヒットを増産したのですから、アメリカ人もビックリするはずです。渡米した当初は半分バカにされていた感もありますので、よけいに嬉しいです。

彼自身が話していますが、「体格が小さくても頑張れができる」ということを身をもって教えてくれました。多くの子どもたちにとって、励みになることでしょう。もちろんみなが大リーグ選手になるわけでも、新記録を作ることもできるわけではありません。でも、明確な目標をもち、それに向かって努力することが大切だということなんですね。

アメリカの野球場の様子がTVに映し出されていました。感心したのは、敵の選手であっても良いプレーをしたときには拍手をして称えていること。イチローは大リーグ新記録がかかっているからでしょうが、でもスタジオのみんながスタンディングで大きな拍手を送っている様子は、とても良かったです。

日本の野球では、味方の応援には鳴り物も使って大声援を送りますが(それもあまり好きではありませんが)、相手の選手にはヤジを飛ばしてけなすことがよくあります。野球の試合そのものを楽しみに来ているのではなく、自分のひいきのチームの勝敗だけのために来ているお客さんが多いように感じます。ストレスの発散にはいいのかもしれませんが、でも「野球を愛する」という姿勢ではないですよね。

敵・味方の関係なく、良い試合を見たいし、素晴らしいプレーにはおしみなく拍手を送る・・そんな観戦ができるのなら、私も野球場に足を運びたいと思いますが、そんなことができるのはいつになることでしょうか。

PS
私は自分のことをよく「Dr.ジロー」と言っていますが、これはイチロー選手のネーミングを真似たもの。でも“本家”とは違ってヒットを飛ばすこともできていませんが・・

2004.10.1(金)

◇今月は県知事選挙があります

今日から10月。このところ台風続きで、秋らしい良いお天気に恵まれていません。今月はどうでしょう。秋晴れのお天気になるといいですね。

新潟県では今県知事選挙が行われています。3期12年知事をつとめた平山氏は出馬せず、今回は新人どうしの闘い。それも過去最多の6名が立候補しています。数か月前までは立つ人がおらず、どうなっちゃうのかなと思っていたのに、あれよあれよという間に“乱立”。やっぱり政治家になりたい人は多いんですね。

でも、今の新潟県政は危機に瀕しています。財政赤字がさらに増大し、来年度は財政再建自治体になってしまうという怖い話もあります。もしそうなると、中央からの圧力が強くなり、自治体として独自の施策はできなくなってしまいます。国が作っているもの以上は、「過剰」「不要」「不急」として実行できなくなってしまうわけです。それでは、何のための地方自治か分かりません。

誰が知事になっても同じという意見を良く聞きますが、そうでもないようです。隣の長野県に田中知事が誕生して、県政の方向がガラリと変わりました。必要なことであれば、中央にもきちんと物申すとう、いわば当たり前のこともできるようになりました。「中央からお金をもってくる」「太いパイプ」を自認するだけの地方政治は、もう成り立たなくなってきています。

知事がしっかりすれば、地方政治は必ず変わります。問題は、そんな太っ腹の度量と能力をもった知事を選び出せるかどうか。それは突き詰めれば、私たち住民の資質が問われているということでしょう。

17日(日)が投票日。この日、もしかしたら新潟県が変わるかもしれません。楽しみです。

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