塚田こども医院

日 誌 2005年1月  月別の索引

2005.1.31(月)

◇1月の晦日(みそか)です

今日で1月が終わりです。暖冬とはいえ、やはり大きな寒気が入り込んでいます。テレビの天気予報では「冬将軍」という言葉を使っていました。最近は死語のなったように思っていましたが、今でも使うんですね。若い人は分かっているのかな?

テレビの受け売りですが、「世の辞書に不可能という文字はない」と豪語したかのナポレオンが、ロシアとの戦争では、大寒気を前にして撤退せざるを得なかったのだそうです。それほど強いシベリア上空の寒気を、ナポレオンをも破った「冬将軍」と言っているのだそうです。なるほど!ですね。

今シーズンはインフルエンザの流行が遅く始まっています。これからが本番でしょうが、暖冬のために流行期が短くすみ、結果として小さな流行で終わってくれるかもしれません。そうだったらいいですね。

明日から2月。まだしばらくは寒い日が続きますので、どうぞお体に気をつけてお過ごし下さい。

2005.1.28(金)

◇絶句!

来年度の休日診療所の当番が決まったようで、その一覧表が回ってきました。そしてそれを見た瞬間・・絶句!! もし周りで見ている人がいたら、顔面蒼白になり、手が震え、意識ももうろうとした院長の姿を見ることができたことでしょう(ちょっとオーバーですが)。

それほどにショックな内容とは「5月4日勤務」。ゴールデンウイークの3連休の、それもど真ん中。カレンダーどおりにしか休めない開業医の身としては、この勤務は大きいです。今年の大型連休は、どこにも行けなくなりました。さらに、今年はすでに元旦に休日診療所で働いています。年度は変わっていますが、同じ年のまだ半分にもならない間に、せっかくの連休がなくなってしまうなんて、いったいどうしたことなんでしょう。

「オレって、そんなに悪いことをしているの?」と、思わず自問自答をしてしまいました。一生懸命に、けっこう真面目に生きているつもりでいますが、それが認められていないようにも感じてしまいました。

あるいは、天を仰いで我が身の不運を恨むというのも、こういった心境なのかもしれません。さっそくある方が運勢を調べてくれましたが、どうも「大殺会(だいさっかい)」の入り口にいるようです。普段は運勢も血液型性格学(?)も信じていませんが、自分自身の中の問題ではなく、そとから与えられたものだと考えると、多少は気持ちが楽になります。

もしかしたら神様が、仕事好きの私を本当にそうなのか試しておられるのでしょう。きっとそうに違いありません。そういうことであれば、この『課題』と受けてみましょう。こんなことぐらいでへこたれません。みんながどこかに旅行ででかけていても、自分は自分。頑張って仕事を貫くことにしましょう。

私一人の身であれば、そんなふうに考えていけるのですが、家族もいて、一応「夫」兼「父親」もしています。もしかしたら、それももう認めてもらえなくなるのかも・・。そうなると、ちょっとつらいものがあります。フー。ため息がもれます。

2005.1.27(木)

◇コラム無事終了

インフルエンザ患者発生の報告を一昨日しましたが、昨日も一人おられました。昨日の患者さんはB型で、どこでもらったのか、良く分かりません。小学生なので、きっと学校のお友達でいたのかな、と思いますが、今のところはまだ散発的な発生ですんでいます。新潟市とその周辺ではそうとうの流行になってきているとのことですので、当地でも来週くらいには流行が始まりそうなイヤな予感がしています。みなさん、どうぞお気をつけて下さい。

新潟日報に連載していたコラムが、今日の掲載文でやっと終了です。夕刊なのであまりみんなの目にとまらないようですね、ほとんど反響がありません(@_@) 週に1回だけですし、あまり大した内容でもないのでそれはそれで仕方ないこと。せめて自分のHPでは“有効活用”しようと思っています。

といことで、その最終回を飾って、この「日誌」にもアップしておきます。どうぞお読み下さい。


ネット時代の子育て支援

 私が開業するときに心に決めたことが一つあります。それは「病気や健康についての情報を分かりやすくお伝えすること」でした。毎月1回患者さん向けに新聞を出し、感染症の流行情報を伝え、病気の知識をリーフレットにまとめたりと、いろんなことをしています。主に院内での簡易印刷で作っているのでお金をかけていませんが、その分「旬」な情報提供が可能です。

 しかし、今やインターネットの時代。時流に乗り遅れまいと5年前、ホームページを作りました。現在ではとても多くの方に利用してもらっています。

 ご質問に答えるコーナーもあり、毎日何通かのメールが寄せられています。年間に約千通、累計で5千通ほどになりました。一番多いのは病気についてで、私も勉強が欠かせません。育児や栄養に関しては、医院の助産師や栄養士からの助言も書き添えています。

 ときどき心配になることもあります。育児に疲れたママが深夜に送信してきたメールを見ると、何とかしてあげられないものかと心が痛みました。虐待しそうだと書いている方には地域の保健師を紹介し、その結果、危機を脱出できました。海外からも質問をいただきます。言葉が不自由で不安になるのでしょう。

 今の日本社会は、いろんな意味で曲がり角にたっています。これまでの価値観ややり方が通用せず、新しいものを模索しているのですが、なかなか簡単には解決していきません。育児もそうです。核家族が多くなり、社会の中で孤立する傾向にあります。情報の量は多いのですが、何を信頼していいのか分からないという混沌(こんとん)とした状況です。そんな中で、インターネットという手段を介して、日本中の子育てを多少なりとも応援できていることを嬉しく思っています。

 今は大変でも、いずれ子育てをして良かったと思えるように、そして子どもたちが生まれてきて良かったと思えるようになるといいですね。今の子どもたちが親になって子育てをするくらいまでは、現役の小児科医で頑張りたいと思っています。

2005.1.25(火)

◇インフルエンザ患者が出ました

とうとう出ました。インフルエンザ患者さん、当院の今シーズン発の方です(A型でした)。週末を新潟市で過ごしていて、もらって帰ったようです。周囲ではまだ発生なし。この方は早い段階で診断ができ、抗インフルエンザ薬を使えたので、本人もすぐ良くなるでしょうし、学校や地域の中で感染を広げることもないでしょう。

しかし、市内の医療機関からは散発的ですが発生の報告が届いています。新潟市などでは学級閉鎖が出たとか、休日の診療所では相当数の患者がいたとかいった「インフルエンザ話」が小児科医の中で飛び交っています。例年よりは遅くなっていますが、やはりそろそろ出てきたという感じです。

実は今月は外来がさほど混んではいませんでした。先月がとても感染症などが流行っていましたし、インフルエンザ予防接種も追い込み状態で、ほとんどパニック状態に近かったことを思うと、ずいぶんの違いです。年末年始の休みをはさんで、風邪や胃腸炎などの流行が峠を越えていたようなのです。ということで、今月はわりとヒマしている時間もあったのですが、それももう続かないかもしれませんね。

さあいよいよ小児科医の出番。インフルエンザの流行が来ないことを願ってはいますが、備えだけは万全です。来るなら来い! インフルエンザなんかに負けないぞ!!・・そんな意気込みでいます。(はやり始めたら、一番最初にダウンするのが私だったらどうしましょう・・)

2005.1.22(土)

◇麻疹輸出国の汚名

11月より続けている「新潟日報」夕刊のコラム「晴雨計」ですが、来週でやっと終わります。先日、その最後の原稿を提出し、ほっとしているところです。週1回ですが、それなりに時間と労力を使いました。どんな内容にするか、それをどう伝えるか、なかなか考えがまとまらず、いつも胸のつかえとなっていましたが、それももう終わり。胸焼け状態がやっと解消されました。

今週は「はしか(麻疹)」を話題にしました。日本ではまだまだ多発していて、子どもたちがはしかウイルスの犠牲になっています。これは日本でワクチンをおろそかにしてきたことのつけ。欧米並にしっかりと予防接種の体制を作り、子どもたちを怖いウイルスから守ろうというのが趣旨です。以下に転載しますので、どうぞお読み下さい。


麻疹ウイルス輸出国

 今は韓国ドラマにはまっている私ですが、アメリカの物も好きです。中でも「ER(救命救急室)」は同じ業界物なので、大のお気に入り。魅力的な登場人物も多く、研修医からスタートしたカーターという青年が成長していく様は、自分の過去を見ているかのようです。

 ある時、とても驚いた場面がありました。それは発熱と発疹(ほっしん)のある子が運ばれてきたところ。全身状態も悪く、真っ先に麻疹(はしか)を疑うのは「日本の小児科医」にとっては常識。しかしカーターはなかなか診断できません。小児科の分厚い教科書を取り出してきて、やっと麻疹だと分かりました。すでに周囲は汚染されていたため、外来は閉鎖。感染を受けたと思われる患者と医師も隔離・・。

 日本では麻疹は日常的な病気ですが、アメリカでは診たことのない医者がそうとういるようです。つまり患者が少ないのです。手元の資料には、年間の患者数が日本は8,000人以上に対して、アメリカはわずか42人とあります(2003年)。アメリカでは報告を怠ると罰則があり、この数字は信用できます。一方の日本は一部の小児科だけからの報告で、実態はその数倍といわれています。

 アメリカで麻疹が根絶寸前にまでなったのは、予防接種を徹底したからです。欧米では子どものうちに2回接種するのが一般的。さらにワクチン接種を受けていないと、学校などへの入学が許可されません。

 ひるがえって日本はどうでしょう。法律によって受けることになっているのは1回の接種だけ。それも受けていない子どもたちがずいぶんいます。入学の条件になっておらず、ひとたび患者がでると学校等で集団発生してしまいます。

 こういった日本の状況は、風疹やおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)も全く同じです。まるで開発途上国のよう。日本が今まで予防接種をないがしろにしてきた結果です。

 さらに諸外国からは、日本は麻疹ウイルスを海外に輸出していると非難されています。返す言葉もありません。

 再来年度からは日本でも麻疹と風疹ワクチンの2回接種を始めるとのこと。日本も早く「先進国」になってほしいです。そして、私の世代が「麻疹を診たことのある最後の医者」になるといいなと思っています。

2005.1.21(金)

◇個人で危機管理を

冬型の気候が厳しくなり、今日は冷え込み、ときおり雪が降っています。今夜はずいぶん積もるのかもしれません。明日の朝は早めに起きて雪かきをすることになりそうです。冬の日課です。運動不足の身にとっては、それもまたいいのかもしれませんが。

このところ、日本も物騒な国になってきたものだと思うような事件が続いています。日本の治安も悪くなってきたということでしょう。ある意味で「世界標準」になったというべきかもしれません。「振り込め詐欺」「偽札事件」などなど・・

「人を見たら泥棒と思え」などという格言(?)がありますね。そういったことを言わないといけないということは、「泥棒を見ても泥棒とは思わない」という思考が私たち日本人には染みついているんだと思います。人間関係を大切にしたいと思っている「良心」を、犯罪者や悪意ある者たちは平気で踏みにじってきます。これ以上日本を危険な国にしないためにも、一定の警戒や自衛は、どうしても必要でしょう。

昨日は「スキミング」という犯罪についての報道がありました。ゴルフ場で貴重品用ロッカーに預けたはずのキャッシュカードの情報が、暗証番号ごと盗み出されていたという事件です。ここまで来ると、犯罪を完全に予防することは難しいので、考え方を変えることが必要です。つまり「盗まれても被害を小さくすませる方法」を考えておくべきだと思います。

銀行の一つの口座に何千万円も預金していた方が被害にあっていましたが、ご本人には申し訳ありませんが、それほどのお金を管理するにはとてもお粗末でした。今回は窃盗ですが、もしもその銀行が倒産したら、大部分は戻ってこないかもしれません。預金が全額保護されるなどというのは、これからはもうありませんし、どの銀行がいつ潰れるか、普通の人にはとても分かりません。

リスクを回避するという意味では、いくつかの銀行に分散したり、他の金融商品をもったりすることも大切です。そんな「危機管理」を、個人がしなければいけない世の中になっているのです。日本が不安定になってきたからではあるのですが、その部分はもうどうしようもありません。それを私たちが認識し、自衛手段を講じておくことを考えてみて下さい。

ちなみに私は・・銀行が倒産したら、借金も棒引きになってくれないかな、などと甘いことを考えています。きっとそんなことはないでしょうが・・

2005.1.20(木)

◇とっても眠くなる話

今日は暦の上で「大寒」。その名にふさわしく朝から気温が下がり、雪模様になっています。今夜から明日にかけて大荒れになりそうだということで、北国にとってはまだまだつらい季節が続きます。インフルエンザも各地で少しずつ発生しています。例年よりも遅い立ち上がりというだけで、いずれ大きな流行がおきるのではないかと心配しています。どうぞご注意下さい。

昨日は今日とは違ってとても良いお天気。水曜の午後は休診・・のんびりと日向ぼっこ・・などという話は、私にはありません。普段は医院での“内勤”ばかりなので、たまの“外勤”の日です。市の乳幼児健診にでかけたり、保育園や学校の嘱託医の仕事をしたりしています。

昨日は市内のある中学で、授業をしてきました。子どもたちの生活を見直すという取り組みの中で、睡眠が十分にとれておらず、そのために朝起きれない、午前中ぼんやりしているなどという問題が分かってきたというのです。子どもにとって睡眠をきちんととることは大切だということを話してほしいと依頼があり、出かけていきました。

ポカポカとお天気のとても良い昼下がり・・給食後でお腹もいっぱい・・話は面白くない?・・先生も厳しい顔をしていない・・お昼寝をするには絶好の条件です。「睡眠が大切だよ」という私の話が、とても心地よい睡眠導入剤になっている子どもたちが少なくなかったです(けっこう大人の方も)。

睡眠が必ずしも十分ではなく、不規則で、いい加減な生活をしている私が説く話ですので、説得力はなかったでしょうね。とりあえず「授業中の睡眠」を確保してあげただけで、あんまり役立たずだったようです。

2005.1.18(火)

◇子育て支援センター

神奈川県に子育て支援のための団体があります。(財)神奈川県児童医療福祉財団・小児療育相談センターがそれです。県内の市町村に「子育て支援センター」を次々と作り、力強く活躍しておられます。私は個人的に多少の縁があり、情報交換などさせていただいています。このたび、そこの部内誌にメッセージを書きました。よろしかったらお読み下さい。


子どもたちの心が大切にされる社会に!

 昨年は大きな自然災害が繰り返し起きていました。集中豪雨、台風、地震、そし津波。あたかも私たち人間とその社会に試練を与え、何かを確かめているかのようです。

 それらの災害対策の中で、子どもたちの心のケアが重視されるようになりました。とくに「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」の予防については、阪神淡路大震災の教訓が新潟県中越地震で活かされました。

 子どもたちが大きな事故や出来事に遭遇すると、心にも障害が起きます。その予防としては、親御さんや大人がしっかりとお子さんを抱きしめ、子どもたちの気持ちを支えてあげること。大きな悲しみや不安は、まだ小さな器でしかない子どもたちの心から簡単にあふれてしまいます。大人たちが、そんな子どもたちの心を温かく抱き留めてあげれば、心がひどく傷つき、壊れることはなくなっていくでしょう。

 こんなふうに「心のケア」が注目されるようになったのは、今の社会で子どもたちの心が健康に育っているか、みなが心配するようになったからです。

 虐待もそうです。虐待は子どもたちの心の育ちをゆがんだものにします。そして子どもたちが成長し、親の世代になったとき、また虐待をしかねません。自分が受けた子育てしか知らないのですから。

 逆に言えば、今子育ての中で様々な問題を抱えている親たちは、自分たちの前の世代の子育てに問題があり、それが解決されることなく、脈々と生きていることを知る必要があります。その最たるものが、戦争と、男尊女卑や男性中心などの封建主義的な考え方です。今もって日本の社会がひきづっているこれらの問題が、子育ての中で凝縮して顕在化していることに、ぜひ気づいて下さい。

 子育てにストレスを感じる母親はきっと多いでしょう。とりあえずの対処は、不安の解消です。そして次に、一人の女性、いや人間として社会の中で大切な存在として認められるよう応援し、援助すること。そこまでのドラマを完成させることで、子育てが充実し、子どもたちが心豊かに育っていくことができるに違いありません。

 子育て支援の活動はいろいろあります。でも、もしかしたら母親を小さなサークルに閉じこめてはいませんか? 一つの段階としてはかまいませんが、最終ゴールは社会です。それを視野にいれ、具体的な道筋を作っていることこそが、本当に求められる活動ではないかと考えています。

 今年も様々な困難が子育てとその支援事業に待ち受けていることでしょうが、皆さんのがんばりで大きな成果がもたらされることを願っています−−私たちの可愛い子どもたちのために!

2005.1.17(月)

◇あれから10年

今日は阪神淡路大震災が起きてから10年。現地では追悼の催しが行われ、改めて被害の大きさ、悲惨さが思い起こされます。

未曾有の災害から、私たちはいったい何を学んだのでしょうか。10年がたとうとして起きた新潟県中部地震で、その答えが出されました。とても及第点はつけられないでしょう。全くではないでしょうが、でも根本的な災害対策や危機管理対策がとられたとは言えません。

人間とはここまでバカなのでしょうか、日本人がバカなのでしょうか。私にとって今日は悲しみと怒りがこみ上げてきた日でもありました。

2005.1.14(金)

◇インフルエンザ・パニック

昨日の新潟日報に、インフルエンザについてのコラムを書きました。ここにご紹介しますので、お読みいただければ幸いです。


インフルエンザ・パニック

 1996年のクリスマス・イブの日を、今でも忘れられません。月曜日のこの日、朝から予約の電話が鳴り続き、八時すぎには待合室がいっぱいに。いやな予感がして早めに診療を始めましたが、それは長い一日の始まりでした。
 受診する子どもたちの大半は、突然の高熱、寒気、だるさなど、とても具合が悪そう。そう、インフルエンザの大流行です。
 インフルエンザの診療はここ数年でとても変わりました。積極的にワクチンで予防しようというのも最近のこと。今シーズンは日本中でおよそ4,000万人分のワクチンが作られ、国民の四割は予防接種を受けていることになります。検査薬もできました。診察中に結果がすぐわかるので、インフルエンザかどうか、確実に知ることができます。そして、何よりも治療薬ができました。この「特効薬」のおかげで、重症にならないうちに早く治すことができるようになりました。
 しかし、当時はまだこれらの「武器」がありません。みなが判で押したように同じ症状なので診断は簡単ですが、対応には苦慮しました。午前の外来が午後2時すぎまでかかり、わずかの休憩ののち午後の診療を継続。すべてが終了したのは夜7時を回っていました。
 私も含めて職員は疲労こんばい。医者が一人の診療所では、能力の限界を超えていました。しかし、むしろ患者さんこそ大変だったことでしょう。具合の悪い中で、長い時間待たなければいけなかったのですから。
 インフルエンザは、規模の違いはあっても必ず毎年流行します。従来のA香港型、Aソ連型、そしてB型の三つだけでも大きな流行を繰り返しています。もし新型が発生したら、日本では二千五百万人以上がかかるとされていて、その規模と被害は想像を絶するものがあります。
 8年ほど前のこの日、インフルエンザ対策は国家的な危機管理そのものだいうことを身をもって知りました。ワクチン、検査、治療薬、そして流行情報の伝達という4つの「武器」を駆使し、可能な限りの対策を綿密にたてておかなければ、大流行に対応できません。
 ちなみに、この日の患者数は480人。イブの日に悪夢を見たかのようです。
 例年は1月中旬からインフルエンザの流行が始まります。そろそろ心配なころ。備えは万全ですか? くれぐれもご用心を!

2005.1.13(木)

◇大雪被害

先週末から降り続いていた雪は、今日はやっと峠を越えたようです。上越の平野部でも30センチほど積もりましたが、山間部は2メートルほどの積雪があったようです。中越地震の被災地も、そうとうの大雪のようですね。ニュースには懸命に雪下ろしをしている皆さんの様子が映っていました。本当に大変だと思います。

今年は暖冬と言われていました。確かにここ1週間でそうとう降りましたが、でもこれで終わってくれれば「少雪」です。例年は1月後半から2月の頭にかけて、大きな寒波がくることが多いので、まだまだ気を抜くことはできませんね。インフルエンザの発生も心配です。ここしばらくはハラハラする日が続きそうです。

昨日は、夜に講演会があるはずでした。市町村合併で同じ市内にはなりましたが、旧吉川村の保育園で、保護者向けに企画されていたものです。ここは市内から離れていて、山道を数十分走らないといけないところにあります。出かける支度をしていたところ、先方から連絡があり、大雪のため講演会を中止しますとのこと。参加者もそうですが、講義をする私も無事に帰ってくることができないかもしれない(!?)。それほどの吹雪になっているとのこと。確かに昨日必ずしておかなければいけない会ではないので、それでは春になってからやりましょうとお話をしました。無期限延期です。

スライドも準備して、それなりに気持ちも高めていたのですが、気象状況には勝てません。これも大雪による被害でしょうか? また雪が溶け、地域の皆さんに会いに行ける日がくるのを、心待ちにしています。「春よ来い」という気分です(^0^)

2005.1.11(火)

◇ノロウイルスによる胃腸炎

昨日は「成人の日」で祝日。連休にするために日にちをずらすのはいいのですが、ついこの間年末年始の休みがあったばかり。いつまでたっても元通りの生活に戻ってこない感じです。多くの学校や幼稚園では今日からやっと3学期。(お母さん方にとっては)長い長い休みがやっと終わったと、胸をなで下ろしていることでしょうね。

ここ数日、「ノロウイルス」が問題になっています。老人保健施設などでノロウイルス感染症が集団発生し、少なくないお年寄りが亡くなってしまったとのこと。新しいウイルスかと思われる方も多いかもしれませんが、ノロウイルスというのは以前は「小型球形ウイルス」と呼んでいたものです。最近になって国際的な学名が整理された中で、このウイルスの名前も変えられました。つまり古くからあるウイルスなのです。

そして、このノロウイルスによる胃腸炎は、子どもたちの間ではとてもポピュラーです。毎年秋の終わりから冬にかけて、全国で大流行します。子どもたちだけではなく、大人やお年寄りもかかってしまうこともあります。嘔吐が強く、水分がとれない状態が続くと脱水になってしまいます。小さなお子さんや、体力の弱くなっているお年寄りの方がかかると、時に命にかかわることもあります。

ウイルスはとても伝染力が強く、吐いた物や下痢便の中に大量に存在しています。それを他の方が口にすることで、感染が成立します(糞口感染)。オムツ替えなどをしたあとの手洗いが不充分だと、その人もかかるかもしれませんし、他の方にうつしてしまうかもしれません。今回集団発生したホームでは、やはり手洗いやオムツの処理が不完全だったと指摘されています。

お家でも同じことがいえます。誰か一人でもウイルス性胃腸炎の患者さんがでたら、その周囲に広がっていかないように、十分に注意をして対処して下さい。といってもなかなかうまくいかないのも現実。“ドミノ倒し”のように、感染が次々とおき、子どもたちだけではなく大人もみんなこの感染症に倒れると言う事態もおきています。外来受診の際に、子どもよりも具合を悪そうにしている親御さんも時々みかけますが、そんなときには処置室のベッドを何台か並べて、子どもだけではなく大人も一緒に点滴することもあります。「一家全滅」の危機から救い出す方策です。

ノロウイルスは大半は人から人へ移る感染症ですが、ときには食中毒として問題になることがあります。かき(牡蠣)を通してです。どうしてかきが問題になるか・・明日以降の日誌に書くことにしますので、お待ち下さい。

2005.1.8(土)

◇合併余波

新年ももう1週間が過ぎました。年末年始の休みがあり、まだもとの生活リズムに戻っていないように感じています。明日からはまた連休(今日お休みの方は3連休)。仕事や園、学校など、だんだんと忙しい生活になっていきそうです。

昨年の終わり頃は子どもたちの間でいろんな感染症がはやり、外来もとても混雑していました。新年になってからは、今のところはまあ落ちつているようです。来週から本格的に集団生活が始まると、また風邪や嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)などが多くなりそうな気がします。そこに寒波が加わり、いよいよインフルエンザの本格的な流行が一挙に訪れる・・などというシナリオも現実味を帯びてきました。どうぞご用心下さい。

医院の業務は、市町村合併に関連して、住所、保険、医療費助成などの変更が大量にあり、混乱気味。しばらくはまだバタバタしそうです。よりによって元旦に合併するなんて、市民の生活や仕事のことをどこまで考えているんでしょうね・・

このHPへのアクセスが210,000件を越えました。多くの方にご覧いただき、嬉しいです。年末年始で滞っていたご質問への回答も、だいたい処理できています。これからもまたよろしくお願いします。

2005.1.6(木)

◇子どもに冷たい市政?

新年に入り、外来の様子は少し落ち着きました。昨年の暮れにはウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)や風邪など、多くの感染症がはやっていて、混雑していたことを考えると、ずいぶんと違います。やはり何日かの「休息日」が入ると、流行もある程度落ち着くようです。

私の仕事のほうは、月初めのいろんな業務を順調にこなしています。いただいたご質問も、年末からたまっていたのですが、それも少しずつお答えしています(長くお待ちになている方もおられ、申し訳ありませんでした)。

今日は「新潟日報」のコラムが久しぶりに出た日。毎週木曜が担当なのですが、ここ2週間分は夕刊がお休みでした。新年の最初になったコラムでは、当地域の市町村合併のこともとりあげました。この元日で14市町村が一つになるという「日本最大の合併」が行われました。中心になっているのが旧上越市で、そこに13町村が編入されるという仕組み。それぞれの町村が独自にやってきたいろんな施策がほぼ全て廃止になり、旧上越市のものが適応されます。旧上越市のものがすぐれていれば「合併して良かった」と思っていただけるわけですが、どうもそうではないようです。福祉の水準が低下してしまうものもあり、「合併するんじゃなかった」などというネガティブな意見も出てきています。

小児医療の面では医療費助成がそうです。これまで小学校にあがるまで助成をしていた町村もありますが、それが旧上越市の「3歳まで」に変更。つまり「4歳〜6歳(就学前)」の子どもたちに対する助成が一挙になくなってしまったわけです。前日まであった助成が急になくなるわけですから、親御さんにとってはショッキングなできごとです。

一昨日から始まった外来診療の中でも、すでに不満を訴えている方も少なくありません。元日に出勤していた休日診療所でも同じです(前日までは助成制度があったわけですから!)。一番根底になる問題は、旧上越市が制度の改善をせずにいること。3年ほどまえに当選した現市長が公約したことだったはず。無策と言われても仕方ないと思っています。「子どもに冷たい市長」などという汚名をもらわないよう、この任期最後の予算を作って下さい。この秋には2期目をかけた市長選があります。市民の目が厳しくなるのは必死。それもどうぞご承知おきを。

今日の「新潟日報」のコラムを紹介します。今書いたこととダブってきますが、どうぞお読み下さい。


子育て支援が危ない!?

 新年明けましておめでとうございます。この新しい二〇〇五年が皆様にとって、そしてとりわけ子どもたちにとって良い年になりますことをお祈りしております。

 今の日本は少子化と高齢化が先進国の中でも類をみないほど進んでいます。とくに少子化対策は日本の緊急課題。もちろん「産めよ増やせよ」とスローガンを掲げて解決されるものではありません。若い世代の子育てをさまざまな角度から支え、応援する中で、次第に日本の進路が良い方に変わっていくことでしょう。

 ところでこの元旦、日本で一番大きな市町村合併が行われました。上越市とその周辺町村の合併がそれで、自治体の数で日本最多です。新生「上越市」がこれからどんな地方自治を行っていくか、全国から注視されています。

 少子化対策や子育て支援もさらに飛躍していく・・と思ったら、どうも雲行きが怪しいです。乳幼児の医療費助成が、いくつかの旧町村で引き下げられてしまいました。

 新潟県全体では外来の窓口負担を二歳まで軽減していますが、それだけでは不十分なのでほぼ全ての市町村が独自に上乗せしています。上越市は三歳までを対象にしているのですが、ほかの旧町村には六歳の就学前までを助成しているところがありました。

 この合併は上越市への編入であり、他の町村の制度はなくなります。そのために助成対象年齢が引き下げられるという「異常事態」がおきてしまったわけです。

 県内を見ると新潟市のように小学校にあがるまでを対象にしているところが多くなってきました。しかし上越市では何年もそのままに据え置かれ、その格差が広がるのを放置していたというところに基本的な問題があります。対象年齢の引き上げは現市長の公約だったと思いますが、選挙の中でのリップサービスだったのでしょうか。

 新年早々苦言を呈してしまいましたが、でも子どもたちを守り、子育てをしやすい環境にしていくには、みんなが声を出さないといけないと思っています。

 今年は酉年、私の年です。夜明けを告げる鳥のように、新しい時代の訪れを伝えてみたいものです。

2005.1.4(火)

◇謹賀新年 

明けましておめでとうございます。2005年が皆さんにとって良い年になることを願っています。

今日が当院の仕事始め。さっそく多くの子どもたちが、風邪やウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)などで受診していました。新年の最初から体調がすぐれないということで、可哀想。早く治ってくれるといいなと思っています。

私は今年は元日から仕事をしています。休日診療所の当番にあたったからです。けっこう患者さんも来て、今回はしっかり仕事をし、それなりの達成感!がありました。“仕事好き”の私にとってはピッタリの仕事始めになっています。

今年もこのHPを通して、より良い情報提供ができることを目指していきます。どうぞお付き合い下さい。

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