院長の書斎 001

襲いくるウイルスHHV-6 --体内に潜む見えない侵入者を追う

著 者
ニコラス・レガシュ(二階堂行彦訳)

出版社
ニュートンプレス(2000.9刊)

定 価
2,800円(税別)

分 野
科学読み物

感 想

HHV-6とは、「ヒト(ヒューマン)・ヘルペス・ウイルス-6」のこと。乳幼児の病気である突発性発疹をおこすウイルスとして、10数年間に発見されました。この発見にいたるまでのことや、実はかなり大きな問題をもったウイルスであることが、多くの科学者によって次第に分かってきた・・という内容です。(ちなみに、ウイルスが発見されたのはAIDSの研究の中です。また、これが突発性発疹をおこすウイルスであることを見つけたのは、大阪大学の教授です。)

HHV-6は、突発性発疹をおこしたあと、そのまま体の中に残っていて、ときにまた「活性化」することが知られています。赤ちゃんがかかるのも、実は周りにいる大人からであることも、興味ある事実です。そこまでは、「私にとっての常識」でしたが、それだけにとどまらず、AIDA(エイズ)の発症にも関係し、さらに、多発性硬化症(神経の病気)や慢性疲労症候群など、いくつかの「難病」にも関係がありそうです。この本を読む限りでは、HHV-6がかなり「破壊的役割」をしているし、もしかして「原因」となっている可能性もある・・という、深刻な問題をもっていそうです。

そんな医学的事実の積み重ねが面白くて、最近読書から遠ざかっていた(このHP作成に十分すぎるほど時間をとられているため?)私でしたが、週末に読み切ってしまいました。さらに、ここに書かれている医者や科学者を、実に人間くさく描き出していることも、興味をもてた理由なのでしょう。(こんな書かれ方をしたら、本人が怒りだすのではないか・・などと、いらぬ心配をしながら読んでいましたが)

細かい文字で228ページ。医学的知識はさほどいりませんが、科学物に興味があり、ちょっと根気のある方にだけ、お勧めです。(それ以外の方のは、「取り扱い注意」・・?)

作成日
2000.9.12

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