1998年1月号(85号)

新年あけまして、おめでとうございます。

昨年一年間は、みなさんにとってどんな年だったでしょうか。

日本海でのタンカーからの石油流出事故、消費税率アップ、神戸での小学生殺害事件、医療費の自己負担アップ、大手の金融機関の倒産や不況の進行など、どうも暗い話が多くなりがちでした。

私個人では、当院が院内処方に変更したことについて大きな関心を呼び、原稿依頼などが多くて、多忙をきわめた一年でした。もちろん充実した仕事ができたのですが、「本職」である診療にゆとりがなくなっているように感じ、反省しています。ゆったりとかまえて、子どもたちの診療にあたれるといいなあと考えています。

今年は明るい話題が多いといいですね。みなさんにとって、良い年でありますように。

インフルエンザはワクチンで予防を

新型インフルエンザの出現かとさわがれています。香港で十名ほどの患者がでて、H5N1という新しい型だということです。決してあなどることはできませんが、まだ人から人へどんどん感染しているという状況ではないので、今後のきちんとした専門家の発表を待っていいと思います。

それよりも、例年の流行であるA型やBの方を心配すべきでしょう。おそらく必ず流行するはずですし、その時、高齢者などに相当大きなダメージを与えます。毎年のインフルエンザに十分に備えることなくして、新型の流行を防ぐことはできません。

積極的な予防は、やはりワクチンです。幸い昨シーズンとは違い、12月の流行はありませんでしたので、今からでも急いで予防接種を受ければ間に合いそうです。当院では、約100人分のワクチンを緊急に追加購入し、希望者には必ず接種できるよう体制を整えました。ご希望の方は、早めにお申し出下さい。

冬の健康管理--換気を忘れずに

長い冬の間、いろいろと生活の注意が必要です。

暖房をいつも使いますので、換気を忘れずに。特に室内の空気を燃やすタイプの暖房機(ファンヒーターなど)は、言ってみれば締め切った車庫の中で車のエンジンを回しているようなもので、必ず酸素が欠乏し、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などが急激に増えてきます。三十分に一度程度は新鮮な外気を取り入れて下さい。

それ以外の暖房機でも、人がいれば必ず空気は汚れてきますので、やはり換気は大切です。

湿気については、どうすればいいのか、いつも悩みます。乾燥するというので加湿すれば、結露がおきがちで、ダニやカビが心配になります。除湿すれば結露はしなくなりますが、喉がカラカラになりがちです。でも一番大切なのは、たえず換気をしておくことです。汚れた空気の中にいて、そこの湿度を問題にするのはおかしなことです。

また、暖房機のためにやけどをさせてしまう例が、毎日の診療の中でよくみかけます。小さな子どもがハイハイや伝い歩きを始めたら、手の届くところにはストーブなどを置かないで下さい。また、お湯がかかってしまってのやけども見かけます。全て周囲の大人たちの不注意によるものです。くれぐれも気をつけて下さい。

皮膚のトラブルも多くみかけます。だいたいは乾燥肌によるものです。子どもたちはもともと皮膚の油分が少なく、鳥肌のようになっているのが普通ですが、冬場はそれがもっと強くなります。程度がひどいと、赤くなったり、かゆみが強くなったりしますが、見た目に引っかき傷を作っているようなら、治療が必要です。かゆみ止めの飲み薬や、弱めのステロイド含有の軟膏やローションを使ったりします。皮膚の油分を多くするように、お風呂あがりのスキンケアーも大切です。

もちろん、アトピー性皮膚炎のお子さんは、湿疹が悪くなる季節ですので、十分注意して下さい。

当院は感染症調査の定点になりました

感染症の流行の様子を知るために、全国的に観測網が作られています。サーベイランスと呼んでいるのですが、毎週、水ぼうそう、おたふくかぜなどの感染症の発生数を報告し、各都道府県単位や全国で集計するものです。これによって、注意が必要な病気は何かをお知らせしたり、行政を進める上でどんなことが大切かを知ることができます。

当院は、今年からこの定点に選ばれ、毎日の患者さんの中から該当する病気の発生数を週単位で保健所に連絡することになりました。この通信の一面の「感染症情報」は、私の「主観」で書いていたのですが、これからはきちんとした数値をもとに、より正確なお話ができるようになりそうです。

もっとも、忙しい外来診療の合間に、正確に報告することができるのか、開始する前から心配しています。

もう一つ、インフルエンザのウイルスを検出する観測点にも選ばれました。昨シーズンはまだ正規の観測点にはなっていなかったのですが、インフルエンザが流行った時、保健所と連絡を取り、10名ほどの患者さんの協力を得て、A香港型の流行であることを確かめています。

今後は、新型のウイルスの出現にも備えて、より観測点を強化しようということで当院が選ばれました。それらしい患者さんが出たときには、直接お願いをし、ウイルス検出に協力していただくこともあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。(方法は、綿棒で喉の粘膜をこするだけで、さほど負担になるものではありません。)

クリスマス・ツリーの「短冊」に願いがいっぱい

先月いっぱい、待合い室にクリスマス・ツリーを飾っていましたが、今回は子どもたちにサンタさんへのお願いを「短冊」に書いて下げてもらいました。大変好評で、ツリーを追加したり、職員も「短冊」を作るのが追いつかない、といった感じでした。

子どもたちのお願いは、どうもポケモンなどのおもちゃが多かったようですが、サンタさんはちゃんと用意できたでしょうか。