1998年3月号(87号)

三月に入ったばかりだというのに、もう冬が終わってしまったようなお天気。先月下旬には、雪もすっかりなくなり、いつもの年より一か月早く、暦が進んでいるようです。

春先に目立つ花粉症や、喘息の発作をおこしている子も少なくありません。そういえば、桜の蕾がもうふくらみ始めています。今年の春の訪れは、ずいぶんと早そうです。(これだけ雪が少ないと、夏に水不足にならないか心配にもなります。)

インフルエンザがやはり流行

インフルエンザの流行は、1月第2週より始まり、第4週をピークとして、2月第2週まで続いていました。学級閉鎖、臨時休校を繰り返しましたが、これほど大規模に行われたことは、私の記憶にはなく、上越ではかつてない大流行ではなかったかと思っています。

保健所からの依頼でウイルスの検査をさせていただいておりますが、やはりA香港型のインフルエンザによる流行でした。ワクチンの中に使われた株に近いもので、今回の予防接種は十分に効果があったとのことです。

今回の流行の中で、あらかじめ予防接種を受けてあった方は、ほとんどインフルエンザにかかっていません。いつもお願いしていることですが、毎年必ず流行するものですし、ぜひワクチン接種を受けて下さい。

春の花粉症が始まりました

スギやヒノキの花粉がもう飛び始め、花粉症の症状をおこしています。今年の予測では、例年よりは花粉量は少ないのではないかということですが、早い春の訪れといっしょで、花粉症のおき始めも早く始まりました。

天気の良い日に外に出れず、お布団も干せないのは可哀想です。低年齢化も進んでいて、保育園児ぐらいでも、花粉症にかかっている子を見かけます。

昨年困った方は、早めの対処を。アレルギーを抑える飲み薬、目薬などがありますので、上手に使いながら過ごして下さい。

新しい薬剤情報の提供を開始しました

当院では、薬の情報をできるだけきめ細かく、かつ分かりやすく提供するよう努めています。先月から、新たに「それぞれの薬に詳しい薬剤情報を付ける」というサービスを始めました。

以前より、薬そのものが何という名前で、おおざっぱにどんな薬かが分かるようにしてきました。粉薬の一つひとつの袋にも、例えば「ケフラール/抗生剤」などと記入し、毎回の服用ごとにある程度、理解しながら使用できるように、また間違うことのないようにしてきました。以前にいただいたアンケートでも、圧倒的に多くの方より、「分かりやすい」「役に立つ」などのお言葉をいただいております。

一方で、情報の内容が簡単すぎて物足りないと思う方もおられました。副作用などの心配なことがあった場合に、もっと詳しく知りたいというご意見もありました。そこで、当院で使用している内服薬について、詳しい内容を盛り込んだ「くすりのしおり」という小冊子を、昨年秋に作成し、お使いいただいたところです。

さらに毎回の処方ごとに、詳しい薬剤情報を提供できないものかと考え、ほとんど同じ内容のものを小さめの印刷物にして、薬袋に同封することにしました。外用薬についても使用頻度の高いものから順次作成し、使用していますので、当院の処方の9割以上について、薬をお渡しするたびに、詳しい薬剤情報をお付けすることができるようになりました。

お薬について、詳しく教えます

この薬剤提供は、作成するのが結構大変です。

薬には「添付文書」といって、効能、使用方法、副作用などの書かれた正規の書類があるのですが、そこに書かれていることの全てが、毎回の処方ごとに必要なわけではありません。また、同じ薬でいくつもの作用があり、使い道が異なることもよくあります。子どもと大人では、使い方や副作用のでかたが違うものも、少なくありません。

それらの情報の中から、この程度はぜひ知っていてほしいということや、子どもでは特にこのことに注意してほしいといった事柄を、分かりやすく書いてみました。全て、当院のオリジナル文書です。

なかでもとりわけ大切にしたことは、なぜ、私がこの薬を使いたいかが分かるようにしたことです。例えば、当院で使用している抗生剤だけでも、数多くのものがありますが、その中で、この病気にはこの薬が効きやすい、よく効く薬だけれども下痢をおこしやすいので知っていてほしい、など、普通の添付文書にはでてこないような記述がみられるはずです。

ここ1、2年の傾向として、薬の名前やそれについての情報をできるだけ患者さんにお教えしようというようになってきました。それ自体はとても大切なことですし、ぜひ進めていってほしいのですが、ただ、内容が通り一変のもので、あまり役に立たないものも少なからずみられます。

当院は院内処方であるため、あらかじめ使う薬とその使用目的がはっきりしているので、きめ細かいサービスが可能になっていると考えています。これからも、より役に立つ形で「生きた情報」を提供していくつもりです。

質問や提案は大歓迎です。何なりとお伝え下さい。それらをもとに、もっともっと良いものを作っていきたいと考えています。