1998年4月号(88号)

四月は、入学(園)や進級の月。新しいピカピカの一年生を見かけます。それぞれに緊張した思いがあるでしょうが、良いスタートを切って下さい。

桜の開花も例年より早く、ちょうど入学(園)式に華やかな色合いを演出してくれそうです。

保育園や学校に行くのが楽しみです

今月より、市立有田保育園の嘱託医を勤めることになりました。健診などでおじゃますることになりますが、よろしくお願いいたします。

小児科医にとって、病気にならないようにしたり、異常がないかを見つけたりする「健康づくり」の仕事も、とても大切です。医院の外に出ての健診なども、増えました。

先月は、大町小学校の四年生に人体についての授業をしました。子どもたちが相手なのでいつもと勝手が違いましたが、昨年の話を覚えていてくれたり、その時に紹介した人体模型(太郎君、花子さんと名前をつけておいたのですが)に久しぶりに再会して、喜んでもらえました。きっとこれからの理科の授業を興味をもって受けることができると思います。

元気な子どもたちに囲まれているのは幸せなので、保育園などに出かけていくのを楽しみにしています。

保険の点数が変更されました

今月から診療報酬の点数が変更され、窓口での支払額が若干変わっています。またかと思われるかもしれませんね。確かに、昨年四月には消費税率のアップに伴う改定、9月には本人負担率や乳児負担額などの改定があったばかりです。国の「財政改革」に右往左往させられています。

日本の景気が後退しているのは、昨年、特別減税の廃止、消費税アップ、そして医療費負担増によって、国民の負担が年間九兆円も増えた(その分国の持ち出しは少なくなった)ためといわれています。不景気から脱出するには、これらを元通りにするのが一番良い方法だと思うのですが、いかがでしょうか。

2年後には介護保険が実施されるなど、保険制度の「抜本的改正」が着々と準備がされています。ここ1、2年は医療や保険がどのようになっていくか、とても心配です。

当院の健診、予防接種などの自費料金の変更も行いました。昨年4月の消費税率アップの時は、料金の変更をしていませんので、2年ぶりの改定です。ご了承下さい。

上越市の給食が全て自校方式に

今年度より、上越市の全ての小中学校の給食が、自校で作られ、その場で子どもたちに食べてもらえるようになりました。

合併によって上越市が誕生したとき、高田では自校方式、直江津ではセンター方式が多く、その後いろいろと問題になっていたのですが、長年の懸案がやっと解決されたことになります。

そしてその解決策が、センター方式の拡大ではなかったことは、とても嬉しいことです。予算は自校方式の方が多くかかりやすく、国からは「行政改革」のために自校方式をやめていくようにという指導がなされていたなかでの市長さんの決断でした。

一昨年の堺市での病原性大腸菌O-157による食中毒事件をみても、学校給食には細心の注意が必要です。単にお金が安いかどうかで、子どもたちの健康を判断しては困ります。

今後、上越市の学校給食が、より安全で、おいしく、子どもたちにより喜ばれるものになっていくものと思います。

食中毒にご注意を

次第に暖かい日が多くなると、食中毒が心配になってきます。とくに病原性大腸菌によるものは、冬場にもときどき患者の発生がありました。暑くなれば、いつどこでおきるか、誰も分かりません。

いつも繰り返すことですが、この菌は牛の腸の中で繁殖しています。牛肉や、それに触れるおそれのあるものは特に注意が必要です。食材の十分な加熱のほか、材料や料理の保管、調理者の手洗い、まな板や包丁などの衛生にも、くれぐれも気をつけて下さい。

先月、学校給食にでたカップケーキが原因のサルモネラ菌による食中毒がありました。この菌は鶏卵の中に入り込みやすく、十分な加熱をしていないと、食中毒をおこすことがあります。

国では、近い将来、鶏卵の品質管理や表示を義務づける準備をしています。賞味期限を記入したり、生でも食べられる安全な卵か、加熱処理の必要な加工用の卵かの表示がなされるようになります。

それができるまでの間は、家庭では生で卵を食べるのは避けていて下さい。(私は生卵が大好きで、よくご飯にかけたりしていましたが、最近はきっぱりやめています。納豆も卵なしでは物足りなかったのですが、だいぶ慣れてきました。)

赤ちゃんに蜂蜜を与えないで下さい

また、乳児へ蜂蜜を与えないで下さい。蜂蜜の中に、神経毒をもったボツリヌス菌が入り込んでいることがあり、それによる食中毒をおこすと、呼吸ができなくなるなど、大変重篤な症状がでる恐れがあります。乳児(生後12か月まで)は、腸の働きが弱く、この中毒になりやすいので、与えてはいけません。

それ以上の子どもや大人は、万一菌が混じっていても、腸の中で殺されるので、中毒をおこすことはないといわれています。(この菌は嫌気性菌といって、空気の届かない土の中にいるのですが、蜂蜜をとる蜂の巣は、土の中に埋まっているものが使われています。以前の調査で、日本で市販されている蜂蜜からもかなりこの菌が検出されています。)