1998年6月号(90号)

六月に入ったとたんの梅雨入り。先月もやたら暑かったり、大雨が降ったりしていましたが、これから二か月近くの長い「雨期」に悩まされそうです。

今月は当院の開院記念の月です。1990年(平成2年)から8年間たちました。当時、上越では小児科専門の開業は少なく、「子どもは小児科で」とお話をしながら診療をしていましたが、今ではもうずいぶん昔のような気がします。

これからも、信頼される小児科医院を目指して努力を続けていきますので、宜しくお願いいたします。

少子化対策に医療費無料化を

最近、「少子化」という言葉をよく耳にします。日本の子ども(15歳未満)は今年4月で1918万人。前年より33万人の減少で、戦後最低。総人口に占める割合も0.3ポイント減って15.2%だそうです。

このまま減り続けていくと、増え続ける老人人口とのアンバランスが著しくなり、将来が心配されます。若い世代が、結婚し、子育てしやすい環境を作るよう、最大限の努力をしなければなりません。

上越市では、昨年秋より「病児保育」を行っています(わかくさ保育室)。県内では初めての取り組みで、大いに注目されています。また、先月からは休日の一時保育を始めています(東本町保育園内)。

少子化対策に決定打はなく、子育てを社会の中で暖かく見守り、積極的に援助していく姿勢が必要です。

医療費助成についても、全国的に無料化が進む中で、新潟県は立ち遅れています。知事が「医療費を無料にしても子どもが増えるわけではない」と言ったとかいう話も伝わってきますが、残念なことです。

最も大切なのは、子育てをしている夫婦の所得を増やすことだと考えています。育児、教育などに、子ども一人に2,000万円かかるともいわれています。積極的に子どもに使える所得が多くなれば、きっと日本の将来は明るいと思うのですが、いかがでしょうか。

学校伝染病を知っていますか

子どもたちは集団生活をしていると、いろいろな感染症にかかります。その中で特に注意を必要とするものが学校伝染病としてまとめられていて、通常これらの病気にかかると、出席停止になり、治ったあと許可書が必要になります。(幼稚園や保育園でも、同じ扱いをしています。)

出席停止の期間は、本人の体力がもとにもどることと、他の子に感染させることがなくなるまでという二つの目安で決められています。

外来診療ではこれらを参考にしていますが、そのときどきで判断は変わってきます。例えば麻疹(はしか)は大変に重い病気ですので、解熱後1週間ほど休みになることがよくあります。インフルエンザは、周りで流行していると感染させるかどうかはさほど問題ではありませんので、本人の症状によってはすぐに登校を許可することもあります。

人間は、社会生活をおくっている限り、様々な感染を受けたり、他人に感染させたりする危険を持っています。「伝染病」と名がつくと、何やら怖いものを想像してしまいがちですが、その中身をきちんと見極める必要があります。むやみにこわがっていたり、逆に本当は大変な病気なのに無頓着だったりしていることもよくあります。

第3類に「その他の伝染病」というのがあり、いくつかの病気が問題になります。手足口病、りんご病(伝染性紅斑)が入れられていますが、これらは健康な子どもにとっては軽い感染症であり、また、出席停止にしても流行を防ぐことができないため、学校伝染病として扱う必要はありません。このことは学会でも認められ、新潟県でも教育委員会と医師会の間で協議され、そのように決められています(もちろん、症状が強いときはお休みです)。

溶連菌感染症は、第2類と同じ扱いをし、解熱後1〜2日ほど出席停止にしています。この病気は第1類にある「猩紅熱(しょうこうねつ)」と同じ菌によっておこるのですが、抗生剤の進歩により、きちんとした治療を受ければ決して怖い病気ではないので、そのようにしています。

なお、夏場に多いとびひは「伝染性膿痂疹(のうかしん)」と呼ばれる皮膚の細菌感染ですが、あまりひどくなく、適切な治療を受けていれば、集団生活には差し支えありませんので、一律に休ませる必要はありません。

こな薬の色による区分をやめました

これまでは、院内薬局でお渡ししている薬のなかで2種類以上のこな薬がでていて、薬の色が同じで似ているときには、それぞれに別の色のマジックでラインを引いていましたが、先日よりこの色別区分け法をやめています。

あるお母さんから、継続して飲んでいる時に前回と同じ色をつけてないと、かえって紛らわしいと指摘されました。当院の意図は、その場での間違えがないようにということだったのですが、毎回同じ色にするということは不可能で、間違って飲むおそれがあるならば、確かに問題です。

当院の薬には、全て名前が分かるようにしてあり、特にこな薬は1回分の量も印字していますので、毎回、薬の名前と分量などを確認しながら飲んでいただくほうが、良いのではないかと考えました。不親切かと思われるかもしれませんが、間違えなく、また薬の名前や効能を知りながら服用していただいたほうが良いので、ご理解下さい。

なお今後も、分量が印字できないものには、色別に分かるようにしてあります。また、ご希望の方には色のラインを付けますので、窓口でお話し下さい。

「良質な院内投薬」をめざして色々工夫や努力を重ねていますが、またご意見やご要望がありましたら、どうぞお伝え下さい。