1998年10月号(94号)

八月よりも暑くてずっと夏らしい九月でしたが、十月に入ってもまだ冷房をかけたりと、変な天候が続いています。今年の冬は遅いという話ですが、どうなるでしょうか。

院内処方は「患者に優しい医療」の実践

当院が院内処方に変更して2年余がたちました。いろんな苦労や工夫を重ねて、今のような形になってきました。

開業当初は「薬のことは調剤薬局へ」という建て前ですませていましたが、患者さんの不便さを痛感しての方針転換でした。そして、院内で薬剤師の協力のもとにやってみたところ、思った以上にうまくいったように思います。例えば薬の情報提供にしても、医師の目の前で、実物を見ながら患者さんに説明でき、何のお薬かを医院の責任でお知らせすることができます。

当然、お会計も薬をお渡しするのも一つの施設内です。具合の悪い子どもを抱えての小児科では、「患者に優しい医療」の実践そのものです。

医薬分業が最近は多くなってきましたが、残念ながら患者さんのためではなく、医療機関の経営のためというのが本音なのではないでしょうか。厚生省の言うとおりに分業しておかないと、経営上は結構きついのです。

今の医薬分業は患者に優しくない。院内処方を見直し、薬剤師の協力のもとにパワーアップすることが、日本の医療にとって大変重要である--そんな私の主張が認められ、今月末、神戸で開催される全日本病院学会でシンポジウムの講師に呼ばれています。そこでの模様は、またお伝えしたいと思います。

なお、そのために今月30、31日を臨時に休診にさせていただきます。ご了承下さい。

子どもの発達はゆっくりと

幼い子といっしょにいて何よりの楽しみは、その子の発達ぶりをながめることです。もうこんなこともできるようになったと、目を細めて見つめています。

赤ちゃんは6、7か月頃におすわり、11か月頃に伝い歩きをし、そのあと歩き始めるのが普通です。もちろん多少の幅があり、早めに歩く子やなかなか歩き始めない子まで様々です。

よく健診で発達のチェックをしていると、早いのはマルで遅いのはバツとしてしまいがち。つい発達のゆっくりな子どもに注意がいきがちですが、でも「早すぎる子」も注意をして見る必要があります。

やっとおすわりができ、腰で体重をささえらるようになったぐらいの子が、つかまり立ちや伝い歩きをしているのを見ると、まだそんなに急がなくてもいいのになあと感じます。本人は面白がって、もっともっとといってやっていても、腰や足に無理な負担をかけているかもしれません。最近はO脚の原因になっているのでは、ともいわれています。

歩くことは、平衡感覚さえしっかりしていれば、ある程度できるようになります。それより、しっかり寝返りやハイハイをして、手足や腰をきたえてから、次の運動に行くことで、がっしりした体つきができてきます。

早いことを喜ぶ風潮が今の日本にありますが、赤ちゃんの発達はしっかり足もとを固めて、ゆっくり、じっくりといってほしいものです。

ゆめいろ人形--今回は「診察室の風景」

いつも待合い室の人形のディスプレーをお願いしている小野裕子先生(ゆめいろ人形教室)の作品、今回は「診察室の風景」です。診察を待っている子どもとお母さん、そして小児科医と看護婦がじょうずに描きだされています。どうぞ、ご覧になって下さい。