1998年11月号(95号)

今年の秋の訪れはひと月遅いと思っていたら、もうそこまで冬がやってきているようです。落ち葉が多くなり、木々の雪囲いも始まりました。今年は大雪という話もあります。急いで冬支度をしなくては

学会で「医薬分業」の問題点を提起

先月、全日本病院学会(神戸)へ行き、「医薬分業と調剤薬局の役割」というシンポジウムに出席しました。分業率が全国で約30%にまで急速に進展してきている中で、今後の医薬分業はどうあらねばならないかが議論の中心でした。

私は当院での経験を踏まえ、むしろ院内処方の方が患者さんにとっては「良心的で優しい医療」ができるのではないか、と指摘しました。また、病院では院内処方といっても、薬剤師が調剤しているわけで、「医薬分業」はすでに実施されていること、医療機関と薬局の建物が分かれているのが医薬分業ではないことなどを述べてきました。

これらに対しては、薬剤師、薬局側からの反論もありましたが、全体としては、私の意見の方向で、学会として国や医師会などに提言をしていこうということになりました。

それにしても、つまらない建て前が多くて、本当の大切なものがいっぱい隠されている世の中なんだなと実感しています。

(参考)医薬分業の是非を巡り議論白熱
      全日病学会でシンポ

10月30日の全日本病院学会では、「医薬分業と調剤薬局の役割」と題したシンポジウムが行われ、医薬分業の現状について多くの問題点が指摘されるとともに、分業が国民にとってメリットのあるものか、医療の効率化につながるのかという観点から議論が進められた。4人のシンポジストはそれぞれ医師会の立場、診療所の医師として、薬剤師会の立場、薬剤流通の観点から発言。フロアも交えて議論は白熱し、分業の是非が改めて問われる形となった。

開業当初、院外処方せんを発行しながら、一昨年から院内処方へ「逆転換」した塚田こども医院の塚田次郎院長は「院内処方にした結果、患者の利便性は高まり、よりきめ細かいサービスが可能になった」と発言。「スムーズでリアルタイムの双方向の情報交換は分業では決して実現できない」として、経済的誘導によって推進されてきた日本の医薬分業推進策を痛烈に批判した。さらに、塚田氏は院内・外処方の技術料が大きくゆがんでいると指摘。30日分で6倍以上の差が生じてくる具体的な処方例をあげながら、「良質な院内処方を実施する医療機関に対しては、適切に評価することも必要」と訴えた。----「メディファックス11月2日号」より----

多くの子にインフルエンザ・ワクチンを

インフルエンザ・ワクチンの季節になりました。

インフルエンザは、小児では脳炎・脳症などの重篤な合併症をひきおこすことも多く、警戒が必要です。最近の調査では、小児の死亡数は全国で年間100〜200人と推定されています。昨シーズン、県内でも10人近くの子どもが脳炎・脳症などをおこし、うち四歳の女児が亡くなっています。

インフルエンザは例年は1〜2月に流行しますので、ぜひ年内にワクチンの接種をしておいて下さい。インフルエンザの症状も軽くすむはずですし、何より脳炎などの重い病気をひきおこさずにすむはずです。

当院では、1回2,600円で希望する方に接種しています(2回必要です)。

子どもは暑がり・汗っかき

子どもは眠くなると手足があつくなり、寝入ったあとは汗が吹き出ることがあります。後ろ頭や首のあたりに、玉のような汗をぐっしょり、ということも見かけます。あまり心配になって私たちのところに相談にこられこともあります。

でもご心配なく。子どもは「暑がり、汗っかき」なのです。大人よりも基礎代謝が活発で、静かにしている時でも、大人が軽くジョギングしているくらいのカロリーを使っています。大人も走ったあとは汗をかきますが、子どもも寝入ると汗をかき、体のクーリング(冷却)を行います。それが普通なのです。

夜暑いと布団をけ飛ばし、服をはだけます。寝入りばなは特にそうですが、それをもっと布団をかけようとすると、ますます暑がり、大人と子どもの「果てしない戦い」が始まります。

もし寒ければ、布団の中でじっとしていますし、布団から飛び出ることはしません。かえって薄着にし、布団もあまりかけずにいて、手足が少しひんやりしてきたら、かけ直してあげればいいのです。

子どもは薄着で、お布団もやや冷たいぐらいが丁度いい。自分の体温で暖まるのですから。(もちろん、寝る前に布団乾燥機をかけたり、電気毛布やアンカを使うことは、子どもには「有害」です。)

他から出ている薬があれば教えて下さい

よく老人などでは、いくつかの病気をもっていて、複数の科を受診することがあります。それぞれが薬を出すと、同じような薬が重複したりすることもあります。また、中にはいっしょに使うと副作用がでやすかったり、逆に効きが良くなかったりする場合もあります(相互作用)。

処方する医師が、自分の薬についてだけ知っているのではなく、他からの薬も把握しておかなければなりません。最近では薬の情報を知らせるのが当然のようになってきました。その情報は、患者さんにとって役立つだけではなく、他の医師にとっても、大変貴重なものになります。

子どもたちも、他で処方された薬があれば、ぜひ教えて下さい。分からなくても実物を見ると推測できることがありますので、お持ち下さい。