1999年7月号(103号)

もう一年の半分がすぎ、いつもより早く毎日が駆け抜けているようです。梅雨の長雨が、西日本で大きな被害をもたらしました。早くすっきりした青空になってほしいですね。


原田泰治展と子育て

先月、上越市で「原田泰治展」が開かれ、作者自身の講演会を聞くことができました。

原田さんは一歳のときに小児麻痺(ポリオ)にかかり、足が動かなくなりました。しかし、両親の熱心な看病や本人の努力の結果、不自由ながらも歩くことができるようになりました。

お父さんは、足の不自由な彼が修学旅行に行けるよう学校と交渉し、父同伴でという条件ながら許可されたということです。皆と同じ体験をさせてやりたいという親の気持ちが、学校を動かしたのでした。のちに、開拓農民になるのですが、極貧のなかでも明るさを忘れず、まっすぐに前を向いて進んでいきました。

彼を生んでくれたお母さんは、足の動かない彼を大切に育てるなか、若くして急死。後妻に入られた次のお母さんも、大変な努力のなかで、彼や兄弟を育て上げていきました。

貧しさの中から豊かさが、不自由の中から本当の自由が生まれる。ハンディがあるから温かい心が生まれる。家族のことを誇らしげに話す原田さんに、今子育てをしている私たちが置き忘れてきているものを感じました。と同時に、ずいぶんうらやましく思われた講演でした。

世界のこどもにワクチンを

四年ほど前から続けている「世界のこどもにワクチンを」への募金が、先月末に200万円を超えました。暖かいご支援に感謝いたします。

今後ともご協力のほど、よろしくお願いいたします。

夏の感染症と健康管理

夏ならではのいろいろな病気があります。夏かぜの一つがヘルパンギーナ。のどの粘膜が小さくえぐれてブツブツができ、高熱とのどの痛みがおきるかぜ。とくにのどの痛みから食欲がおち、不機嫌になりますが、数日で回復します。

手足口病は、手のひらや足のうらに小さな水ぶくれができ、口の中にもブツブツができる病気。手足は痛くも何ともなく、口の痛みがときにみられます。熱はださないことがほとんどです。

咽頭結膜熱は、高熱と、のどが真っ赤になってとても痛く(咽頭症状)、目が真っ赤になって目やにがでます(結膜症状)。熱は数日続き、1週間ほどで治っていきます。プールで流行することが多いので、「プール熱」とも呼ばれています。

いずれも、いくつものウイルスがこれらの病気をおこすので、何回もかかることがあります。また夏かぜウイルスは、脳のまわりに入り込みやすく、髄膜炎をおこすこともあります。手足口病などの治りかけに、急な発熱、頭痛、嘔吐が見られたら、すぐ受診して下さい。

ほかには、皮膚の感染症である伝染性膿痂疹(とびひ)も多くなります。もともと抵抗力の弱い子どもたちの皮膚が、夏場にはさらに弱くなるため、油断しているとすぐなってしまいます。あせもや虫さされを汚い手でひっかいてなったり、傷を不潔にしていてなることもあります。予防は何といっても皮膚の清潔。こまめな手洗い、毎日の入浴はもちろん、日中汗でよごれていたら、シャワーや水遊びをして、いつもサラッとした肌でいて下さい。

食中毒もおこりがちな季節。手洗い、食品の管理、十分な加熱、新鮮なものを早めに食べる、冷蔵庫を過信しない、等々、十分すぎるくらいにご注意を。

また、水の事故も心配。プールや海では、絶対に子どもから目を離さないように。でも最も多いのは家庭のお風呂です。乳幼児のいる家では、お風呂の水は必ず抜き、水を入れっぱなしにしないように。(私も、家庭内での水死事故を何人も経験しています!)

子どもは、夏にはいっぱい遊ぶもの。でも、本当は子どもは暑さに弱く、抵抗力も弱くなっています。疲れさせすぎないよう、余裕のある行動を。睡眠は十分に(お昼寝や早寝)。生活リズムをきちんと(早起きも大切)。そして栄養にも十分気をつけて(甘いおやつばかりにならないよう、偏食しないよう)。

子どもたちが大きな病気やけがをしないで、楽しい夏を過ごせるようにして下さい。