2000年2月号(110号)

新しい2000年代のスタートはいかがでしたでしょうか? 騒がれていたようなコンピューターのトラブルもほとんどなく、なんだかいつもの年よりものんびりしていたかもしれませんね。

インフルエンザ流行中!

でも、小児科は「いつものように」慌ただしくしています。そう、インフルエンザをめぐって、です。昨年末のワクチン不足に始まり、先月からは本物の流行です。これも想定通りなのですが、でも外来の状況は一変しています。

しかし、このシーズンは新しい検査や治療薬のおかげで、診療シーンは大きく変わりました。確実に早く、軽く治すことができます。こんなこと、人類の長い歴史の中で、初めてのことです。石器でマンモスに立ち向かっていたものが、いまや、レーダーや大砲で獲物を一網打尽にできるようになったかのようです。

インターネットでインフルエンザに立ち向かう

インターネットの発達も、大きく寄与しています。ほぼ毎日の流行状況が、正確に分かるようになってきました。「戦うには相手を知る」ことに尽きるわけで、どこに正体を現したか、手に取るように分かります。(これでもう、インフルエンザも逃げられない・・?)

当院のホームページにも、インフルエンザについての情報が一杯です。必要で毎日のように書き込んでいたら、相当な情報量になりました。毎日の患者数もお知らせしていますが、とくに学校や幼稚園の養護教諭の先生に好評です。

以前、ニュースキャスター(TTさん)が「インターネットはトイレの落書き」と評しましたが、これで少しは社会にお役に立てるようになったかな、と思っています。

冬は小児科医の季節、春が来るまでは、がんばりま〜〜す。

大きく変わったインフルエンザの診療

例年のとおり、インフルエンザが流行しましたが、このシーズンの診療は大きく変わりました。

まず、考え方。厚生省が「インフルエンザはかぜじゃない」とキャンペーンするように、とても怖い感染症であることが理解されるようになりました。老人にとっては肺炎などによる死亡もあり、乳幼児では脳炎・脳症をおこすこともあります。一部の熱冷ましは使ってはいけないことになりました。

予防としてのワクチンは以前からあるものですが、昨年末にはとうとう品不足になってしまうほど、関心が高まりました。また来年の秋からは、とりあえず老人の予防接種が公費負担で大規模に行われる見通しです。

日常の診療でも、その場ですぐ結果を知ることのできる検査薬が発売され、大いに役立ちました。これで、どこの園や地域でインフルエンザの流行が始まったか、手に取るように分かります。

さらに、インフルエンザの「特効薬」ともいうべき薬を使用するようになり、早く使うことで、重い合併症などをひきおこすことなく、軽くすませることができるようになりました。これは「革命」ともいうべき医療の進歩です。

もう一つ、情報の伝達があります。インフルエンザの流行をいち早く察知し、備える必要がありますが、これまでの県や厚生省の発表では二週間以上は遅れていましたが、今では一週間ほどで知ることができます。(流行が急激におこるインフルエンザでは、一週間の違いは大きなものがあります。)インターネットを活用し、リアルタイムな情報の伝達・収集が可能になりました。

このような変化は、この一、二年で急激におきたものです。そして、さらにこの先、もっと大きな変化がおきることでしょう。(一年以内に、新しい検査薬・治療薬の発売が予定されています。)医学・医療の進歩は急激ですが、インフルエンザ診療は、そのスケールでは最も大きなものがあるようです。

私たち医者も、普段の勉強が欠かせません。マンネリに陥らず、いつもフレッシュな知識を得る努力を怠らないようにしなければ、と自分に言い聞かせています。

今春は大量のスギ花粉が飛散

この春のスギ花粉量は、例年の数倍と予測されてます。花粉症の方は、今月中には予防の薬などを始めて下さい。