2000年4月号(112号)

あれだけあった雪もすでにとけ、自然は春の準備がもう進んでいます。雪囲いの中でひっそりしていた木々も、いつのまにか蕾をふくらませていました。

4月から新しい学年が始まります。入園・入学、あるいは進級おめでとうございます。あなた方の中にはすでに大きな蕾ができていることでしょう。これから大きな花を開かせることでしょう。楽しみです。

「下向き、外向き、前向き」に・・

先月号に続いて、生き方についてふれます。今の日本は、「上向き、内向き、後ろ向き」に物事を考えがちだと指摘されています。上司や自分の出世を気にし、組織の中のことだけを考え、言い訳ばかりして良い解決策や提案ができない・・

最近の不祥事もそうですし、日本の多くの組織の変革が遅々として進んでこないのも、その仕組みに根本的な問題があるのだと思います。私も自分の仕事や医院という組織を通して、社会に責任を負っていますが、率直に見直しをしなければならないと考えています。

私は「下向き、外向き、前向き」がいいな−−下というのは、子どもたちや弱い立場の方たちのこと(「こども医院」ですからね)。外というのは、狭い医療の中に閉じこもらず、外に向かって的確な情報を発信したり、吸収したりすること(最近インターネットが大活躍)。前とは、もちろん前進です(問題があればきちんと改め、やれることはどんどんやっていきたい)。

そんな生き方をしていきたいし、医院の中身もそうありたいと考えています。


◇今月からチャイルド・シートが法制化されました。子どもたちを交通事故から守るため、きちんと着用しましょう。

◇4月より保険点数が改定されました(自費料金表もあわせて改定いたしました)。

予防接種はすんでいますか?

子どもは入園するとすぐに、いろんな風邪や感染症をもらってきます。(最初の半年間は、よく休んでしまいますね。)ときには、「きちんと予防接種を受けておけばよかったなあ」と後悔する事もあるかもしれません。

例えば、麻疹(はしか)は大変に重い感染症ですが、ワクチンをしてあれば、まずかかることはありません。母子手帳を開いてみて下さい。一歳を過ぎたら早めに受けましょうとお願いしていますが、終わっていますか?

風疹もありますね。BCG三種混合なども大切なワクチンです。それぞれ、必要があって予防接種をしていますので、もし漏れているようでしたら、市役所の窓口などでどうすればいいか、相談してください。

法律では決まっていませんが、でもお勧めのワクチンが他にあります。水ぼうそう(水痘)おたふくかぜです(秋にはインフルエンザも)。

水ぼうそうは、かかると一週間ほどはお休みになりますし、ときにブツブツのあとが残ってしまうこともあります(現在は内服薬である程度軽くすませられます)。ウイルスがそのまま神経の中に残ってしまい、お年寄りになってから「帯状疱疹」という病気を引き起こすこともあります。ワクチンをしておくことで、かからなかったり、かかっても最初から軽くすむようになります。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、もし大人になってからでは大変。また、髄膜炎という合併症もおこしやすいので、流行が始まるとヒヤヒヤする病気です。これはワクチン接種を受けておけば、まず一生かからなくてすむはずです。

これらは任意接種と呼ばれ、希望者だけに接種し、その費用も保護者の負担になっていますが、でも受けておくだけの価値はあると思います。お子さんの健康のために、考えてみて下さい。

【参考】読売新聞「新潟ひと模様」に登場

季節ごとの病気や健康づくり法掲載
  −−お母さんたちから信頼絶大。200号越えたら冊子化も

「子供たちと一緒にいるときが一番楽しい」。こんな人柄だから、笑績が絶えない。泣いている子供でも、この人の笑顔に接すれば泣きやむのでは、と思わせるほど対応がソフトだ。

中学時代には、「人の役にたつ仕事がしたい」と、三つの仕事を頭に描いていた。結局、医者の道を選び、自治医科大学に入学した。

「君は、小児料に向いている」。上司の小児科医からこう言われたのは、卒業後、新潟市民病院で内科と小児科の臨床研修を行っていた時。迷わず小児料を選び、県立坂町病院に新設された小児科に務した後、九〇年六月、故郷に帰って塚田こども医院を開設した。

開院以来、月一回発行している「こども通信」は、この二月で百十号になった。A4判の両面には、季節ごとにはやりそうな、はしか、リンゴ病、風しん、手足口病、インフルエンザなどの症状や健康づくり法、日ごろ考えていることをつづった随想などが掲載されている。イラストも入れ、パソコンで仕上げられている。

「書くことが好きだったこともありますが、勤務医時代から情報公開、説明責任は大切だと考え、開院してからすぐ実行に移しました。今はある程度、お母さんたちが納得しないと治療できない持代だと思います」と謙虚に語る。

千部印刷し、病院に来る父母や嘱託医を引き受けている小学校、保育園などで配っている。お母さんたちからの信頼は絶大で、なかには別の場所に引っ越してからも、「こども通信が見たいから送って欲しい」というお母さんも。

そんな人たちや医院のモニターのために、五十部は自腹を切って郵送している。通信の蓄積が、信頼の蓄積にもつながっている。

「季節ごとに同じテーマを取り上げることはありますが、新薬が出たとか新しい治療法が開発されたとか、これまで常識だったことが間違っていたなど、書く内容は同じになることはありません」

今は、「二百号を超えたら冊子にできれば」と考え始めている。

(菅原 睦雄)読売新聞2000年3月6日掲載

今月の感染症情報

3月は、予想に反してインフルエンザの流行はありませんでした。例年では春先にB型インフルエンザがはやります。今年は1、2月にA香港型とAソ連型の同時流行があったのですが、それだけで終り、落ち着きました。

かわって溶連菌感染症が多発しました。これは、のどに溶連菌という名前の細菌がつく病気で、ひどくのどが痛くなり、熱がでたり、体に発疹がでたりもします。抗生剤がよく効き、2、3日の登園(登校)停止で回復します。合併症を防止するために、10日間ほど内服します。

冬場に多いウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)もまだ続いています。水痘(水ぼうそう)は少しずつ発生していますが、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や麻疹(はしか)はみかけていません。

感染症ではありませんが、スギ花粉症の方をそうとう多く見かけます。4月いっぱいは花粉の飛散が続きますので、ご注意下さい。

4月の予定

院長出務
 ・上越市乳幼児健診 12日
 ・育児相談(ジャスコ上越店) 16日(日)

有線放送「健康ライフ」出演 18日朝6時〜
「園や学校で気をつける病気(1)」

臨床皮膚科医学会にて講演 9日(東京)
「私が医薬分業をやめた理由」

【予告】
5月6日を休診にさせていただき、かわって13日(第2土曜)は診療いたします。