2000年7月号(115号)

今年ももう半分が過ぎました。何をやってきたんだろうか。ゆっくり振り返る余裕もなく、ただ慌ただしくしているだけのよう。

暑いと思考と意欲が停止し、雨が続くと閉塞感がおそってきます。どうもこの季節は、私にとっては過ごしにくいようです。

■次の10年は、「心」作り

先月で開院10周年を迎え、多くの方から励ましのお言葉などいただきました。そんななかで、次の10年で一番大切にしなければいけないのは、やはり「心」だな、と考えています。

小児科医ですから、子どもたちの病気を診るのは、いわば当然の仕事。でも、子どもの成長は体だけでなく、心が健やかに育っていくかにもかかっています。

不登校、学級崩壊、虐待・・今子どもたちは、大きな心の問題をかかえています。この半年は、「壊れた17歳」が大きなテーマでもありました。小児医としてどう考え、どう行動すべきか、悩んでいます。

手始めに、先月と今月は東京での研修会に何回か出席し、やっと少し感触がつかめてきました。初めの一歩をどう進もうか、今、考え始めています。

■インフルエンザ予防接種の予約開始

今月より、インフルエンザ予防接種の予約受付を行っています。次の秋・冬のことを考えるのは気が早いといわれそうですが、直前の混乱がおきないよう考えた結果です。どうぞ、ご協力ください。

■夏のスキンケアと、入浴・シャワー

子どもたちは皮膚が弱いので、高温・多湿の夏は、過ごしにくい季節です。

できやすいのは、まずあせも。梅雨のころ、あまり気温が高くなくても、湿度が多いので、もうできている子どもが少なくありません。そこから感染をおこすととびひ(伝染性膿痂疹)にもなります。

肌がベトベトになっているとおきやすいので、できれば一日中スベスベにしておいてあげたい。そのためには、お風呂やシャワーです。

お風呂は早めに、こまめに入れてあげる。夜に限る必要はないので、日中も汗ばんでいるようなら、入浴させるのもいいですね。肌を清潔にするためなので、熱い湯に入る必要はありません。ぬるいぐらいでもかまいませんし、ざっと入るのでけっこうです(日本人の「熱い湯好き、長風呂」は、脳血管障害や心臓病の発作のきっかけにもなりますので、要注意です)。「シャワー、掛かり湯、カラスの行水」をお勧めしています。

石鹸は、むしろ使って下さい。ベトベト汚れを落とすのには、必要です。首、脇、肘、膝、股などのくびれていて汚れやすい所を丁寧に洗えば、あとはざっとでいいはずです。大人が手に石鹸をつけて、優しくそうーっとぬぐうようにしてあげるのが、一番いいです。

とびひになっていても、あまり程度がひどくなければ、同じようにさっと入浴していいでしょう。ひどいときには、シャワーか掛かり湯ですが、「お風呂」が全部だめということではありません。普段以上に、皮膚をきれいにする必要があります。

園・学校から帰ったら、きっと肌が汗や汚れでべとついているでしょうから、できれば夕方にお風呂・シャワーができると、ずいぶん肌の様子がよくなります。プールの後では汚れや塩素消毒が残っているので、お風呂場への直行をお勧めします(プール後のシャワーでは不十分)。

子どもたちは水遊びが大好きですが、皮膚の汗なども流し、肌をひんやりさせてくれますので、大いにさせてあげて下さい。暑すぎるときは、クーラーも上手に使いましょう(スーパーなどに逃げるのも一手)。

このほか、下着、靴下など、身につけるものを、汗を良く吸うものにしておき、汗ばんできたら、早め・こまめに交換することも大切です。

さあこれから夏本番。子どもたちの皮膚のトラブルがおきないよう、よく気を配ってあげて下さい。

■インフルエンザ予防接種について(Q&A)

【質問】今日、診察に行ってインフルエンザの予防接種の申込書をいただいたんですが、3月頃にインフルエンザにかかっているのですが、予防接種を受けたほうがいいのですか? (大潟町・Kさん)

【答え】インフルエンザ予防接種について、お答えします。結論からお話ししますが、毎年、ワクチン接種を受けられることをお勧めします。

インフルエンザには、大きく分けてA香港型、Aソ連型、B型の3種類があります。また、それぞれのウイルスは、毎年、少しずつ形を変えています。ですので、自然の感染も、1つのシーズンに2、3回かかることがありますし、毎年のようにかかってしまうこともあるわけです。

インフルエンザ・ワクチンは、流行しそうなタイプを予測して、毎シーズン、違うものが作られます。また、毎年、3つのタイプのワクチンが混合されています。

そういった意味で、今冬にインフルエンザにかかっていても、次のシーズンのインフルエンザの感染を予防したり、軽くすませるために、毎シーズン、ワクチン接種を受けておいた方が良いというわけです。

なお、今冬の流行ですが、1月の中旬からA香港型が流行し始め、そこに1月下旬にはAソ連型が加わり、2月一杯はこれら2つが同時に流行していました。3月には、それらが下火になり、例年に流行するB型が、全くと言っていいほど発生しませんでした。3月ごろにお子さんがかかられたというのは、きっとA香港型かAソ連型だったんだと思います。

当院では、今年から予約を取っていただく方法を変え、時期も7月からと、大幅に早めました。今頃、次の秋〜冬のことを考えるのは、気が早いのかもしれませんが、より多くの方にスムーズに予防接種を受けていただくためです。ご理解とご協力をお願いいたします。

    <6月27日ホームページ「Q&A」より>

■「十年が また待ち遠しい 開院の日」

今日は開院記念日。1990年6月14日に「誕生」し、今日で満10歳です。

人間の10歳は、小学校の高学年に入るくらい。「ちびっ子ギャング」を抜け出して、少し大人になってくるところですね。うちの医院は、どうかな?

この10年、実に多くの方に支えられてきました。一番は、何といっても患者さんや地域の皆さんです。上越が私の故郷だとはいえ、それまで勤務していた病院がぜんぜん離れた場所だったので、いわば「落下傘開業」。まさにゼロからの開業でした。(実際、最初のころは時間がたっぷりあり、ゆったりすぎるほどのんびりと仕事をしていました。今では、スピードだけがとりえのようになってしまい、患者さんには申し訳ないと思っています。)

そして、職員。たった2人から始まりましたが、今では14人の大所帯にまでなりました。それぞれが、塚田こども医院の誇りあるスタッフとして、はつらつと仕事をしていることを、うれしく思っています。

さらに、次の10年は、これまでと全く違った方にも支えられることになります。それは、ネット上の皆さんです。昨年来のHPを通して、すでに多くの方にご利用いただいたり、ご意見・感想を頂戴したりしていますが、これからは、もっともっと大きな輪になっていくものと、楽しみにしています。

このネット上での広がりは、10年前には全く想像していなかったことです。10年後の2010年がはたしてどうなっているか--誰にも分からないことですね。
では皆さん、次の10年もまた引き続きおつき合い下さい。ナニナニ、10年後にもうろくしているな、ですって? 誰か悪口を言ってますね・・

    <6月14日ホームページ「日誌」より>

■7月の感染症情報

6月は、感染症の「移行期」でした。冬に多い溶連菌感染症やウイルス性胃腸炎は、下旬になってやっと少なくなってきました。変わって多くなってきたのが、いわゆる夏かぜです。これには、名前のついているもの(ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱)と、そうでないものがあります。

このうち一番目立つのはヘルパンギーナ。2〜3日高熱がでて、のどの奥に小さなブツブツができ、すごく痛いのが特徴です。手足口病は、九州で大流行していますが、東日本ではこれからのようです。プール熱もまだです。

症状が熱だけという、名前のついていない夏かぜもあります。夏もまた、子どもたちはかぜをひきやすい季節、ということになりますね。

これから暑い季節は、食中毒の発生が心配です。食品の衛生にじゅうぶんご注意下さい。また、あせもやとびひといった、皮膚のトラブルもおこしがちです。紫外線量が多いのもこの季節ですが、最近の考えでは、やはり紫外線を多量に浴びることは有害で、乳幼児からの紫外線対策が必要だといわれています。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 □TEL0255-44-5959 情報番号5555(無料)
 □FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 □上越有線放送=月曜18時〜

■7月の予定

○院長出務
 ・上越市乳幼児健診 12、26日
 ・上越保健所未熟児健診 18日
 ・「子どもの心」研修会(2)に出席  8-9日(東京)

○黒埼町立山田保育園にて講演 19日
  「今、子育てに求められるもの」

○有線放送「健康ライフ」 15日朝6時〜
  「続・夏にはやる病気」

○FM−J(エフエム上越76.1MHz)「あつまれ元気っ子」
 毎週水曜午後4:35〜
  (当院の提供でお届けします)

◎(予告)夏休みのお知らせ
例年の通り、今年も夏休みをいただきます。8月7日(月)〜15日(火)を予定しています。よろしくお願いします。


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