2000年8月号(116号) PDFファイル

上越祭りが終わったとたん、急に「熱波」がやってきました。体温をこえそうな日もあり、夏をこのまま過ごせるのか、もう心配になっています。

そんな中でも子どもたちは元気にプールにいったりと、飛び回っています。その元気さを少し分けてもらいたいほどですね。でも、夏は体力も食欲もおちる季節です。十分な休養をとり、生活リズムがあまり乱れないように気をつけて下さい。

■自分を肯定視できる子育てを

ここ2か月、「子どもの心」研修会に出席して多くのことを学びました。小児科医として、いや親として、もっと早く知りたかった内容ばかりでした。

ある講師は、「自分を肯定する見方のできる子どもに育ててほしい」と言っていました。よく、「あなたはダメね!」などと言ってしまいがちですが、それでは自分が価値がなく、誰からも認められないと考えてしまいます。

日常生活の中で、「自分でできた」という達成感を味わうことで、「みんなの役にたっている」という自信ができてきます。自尊心、プライドもそうですね。そのためには、親や周りの大人たちが配慮しなければなりません。(自分に自信のある子は、非行に走らないとも言っていました。)

例えば、子どもにとって病院の受診は「一大できごと」。つらいとき、心の中も応援したいと思っています。

ちなみに「子どもをダメにする言葉・態度」--けなす、比べる、おどす、決めつける、からかう、約束をやぶる--だそうです。さあ、気をつけましょうね。

■これに気をつけて食中毒の予防を!

日本の夏は「高温・多湿」、食中毒の菌にはもってこいの気候です。いろいろな細菌が食中毒をおこしますが、「好きな食べ物」があるていど決まっています。腸炎ビブリオは塩分のある魚、サルモネラは卵、キャンピロバクターは鶏肉、そして病原性大腸菌は主に牛肉・・ 

これらは、買ってきた中にすでにいるわけですが、私たちが目や鼻で見分けることはできません。(腐るのは腐敗菌が繁殖するからですが、食中毒の菌は食べ物を腐敗させるわけではないので、腐った臭いや味はありません。)

でも、次の3つの原則を守れば、ある程度、食中毒を予防することができます。

1 食中毒菌を「つけない」
衛生状態のよいところで加工され、新鮮な物を選ぶ。手からも菌が移っていきますので、調理前・食事前の手洗いも忘れずに。調理器具もしっかり洗い、よく乾かす。アルコールによる消毒も役立ちます。

2 菌を「増やさない」
生鮮野菜を買ってきたら、すぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れる。残った物も時間をおかず、すぐ低温で保存しましょう(でも、冷蔵庫を過信しないように)。買い物に、クーラーボックスを持っていくのもいいですね。

3 菌を「殺す」
十分に加熱することで、食中毒菌を殺すことができます。例えば病原性大腸菌O157は、75℃1分以上で死滅します(そのためには、材料の中心まで熱が通る必要があります)。ただし、いったん作られた毒素は、この程度の加熱ではなくなりませんので、これだけで十分ではありません。

いろいろと気をつけなければいけないのですが、この夏、食中毒で台無しになることのないよう、ご注意下さい。

■新潟県の乳幼児医療費負担はこのままでいいですか?

乳幼児の医療費負担は3割ですが、全国の自治体が補助の制度を作っていて、親ごさんの負担が軽くなるようにしています。

新潟県でもこの制度がありますが、「外来は0歳のみ、窓口負担1回530円×月4回まで」というのは、全国的には下から数えたほうが早いほどの「低いレベル」です。(例えば、お隣の富山県では外来が3歳まで助成され、0歳では窓口負担がありません。長野県も2歳まで対象で、負担なしです。)

さらに、新潟県の窓口負担の決め方は、老人保健法で決められている老人医療費と同じ額とされています。このため、今までも今後も、老人の負担が変われば「自動的に」変更されることになっています。「その時々で議論することになっている」(県の担当者)わけではありません。

今年の7月に、この老人保健法が改定されることになっていたため、今でも低い水準である新潟県の助成制度が、さらに「改悪」されることになっていました。幸い、法律の改定が見送られたため、今回はそのままですが、今年の秋の改定が検討されています。

「少子化」が大きな問題とされ、子どもたちを育てやすい環境を準備しようとしているとき、新潟県の乳幼児医療費の助成が「改悪」されようとしていることに、納得できません。

県内の小児科医は、このままではいけないと考え、行動をおこし始めています。ちょうど新潟日報(7月25〜27日)でも詳しく取り上げられました(マスコミが本格的に取り上げたのは、おそらく今回がはじめてです)。

ぜひ多くの方に、この問題を考えていただきたいと願っています。

■赤ちゃんの虫さされ、あせも

【質問】先生、子供が蚊にさされたら、どうしたらいいんでしょう。特に、産まれたばかりの赤ちゃんは、どうしたらいいでしょうか。市販の、ムヒとかぬってもいいもんでしょうか。 (上越市・Kさん)

【答え】虫さされの治療は、大人も子どもも同じです。一番効くのが、ステロイド剤の入った外用剤で、そこに、かゆみ止めの飲み薬を加えることもあります。もちろん、ムヒのような市販の薬を使ってけっこうです。

子どもの方が、虫に食われやすいですね。蚊などは、皮膚温が高く、炭酸ガスの濃度が高いと寄ってきます。(子どもの方が活動が活発なので、皮膚での呼吸も盛んなため、二酸化炭素を多くだしています。)また、刺されたときに腫れやすいのも、子どもの特徴です。皮膚の下に炎症をおこすために、赤く腫れてきます。痒くて掻くと、余計です。

目の周りを刺されると、ときには「お岩さん」のように目が開かないぐらいになります。耳たぶは「ダンボの耳」、手は「手袋」のように腫れてきます。数日でおさまってきますが、かわいそうですね。また、皮膚が薄いので、ぷっくんと水ぶくれになってしまうこともあります。こんな時は、そこから細菌感染をおこして「とびひ」になることもあるので、皮膚の清潔には気をつけなければなりません。(赤ちゃんも、皮膚が弱いために、やはりとびひになっていることがあります。)

あせもにもなりやすい季節ですので、気をつけていて下さい。今はクーラーもあるのですから、「適度に」使うことは、仕方ありませんし、むしろ大切です。日中もシャワーをしたり、ちょっと沐浴をしたりしてみて下さい。もちろん、薄着で過ごしやすい衣服でいて下さい。

    <7月30日ホームページ「Q&A」より>

■ありがとう子どもといっしょがうれしいな

最近よく、子どもたちに「ありがとうね」とつぶやいています。多くの子どもたちが、診察の中で、こちらがあやすとニッコリ笑ってくれます。バイバイね、と言うと、バイバイをしてくれます。ときには握手をしてくれたり・・そのたびに、こっちがうれしくなります。仕事で忙しかったり、イライラしていても、気持ちが落ち着きます。子どもたちに癒されているようです。

子どもたちの元気や優しさをもらえるなんて、こんな「おいしい仕事」は、他の科ではきっと味わえないでしょうね。「小児科の役得」だと思っています。

もっとも、こちらに子どもたちに優しく話しかけたり、子どもたちからのサインをちゃんとキャッチする余裕がないと、うまくいきません。今は、小児科の「閑散期」だからできる? 

 <7月13日ホームページ「日誌」より>

■8月の感染症情報

先月からは、いわゆる夏かぜが増えてきました。中でも、熱とのどの痛みが強いヘルパンギーナが目立ちました。ほかの地域では手足口病も多いようですが、上越では今のところ流行していません。また、プール熱(咽頭結膜熱)もはやっていないようです。

皮膚のトラブルが目立ちます。暑いと、あせも、とびひがすぐできてしまいます。皮膚がベトベトしているとおきがちですので、日中もシャワーを浴びたりして、皮膚のケアにも気をつけて下さい。虫さされや擦り傷などからもとびひになりやすいので、早めの手当が必要です。

また、食中毒の多発する季節ですので、日常の食品衛生などにも、十分配慮して下さい。(しかし、大手乳製品メーカーでおきたように、食品そのものに問題があるようですと、いくら家庭で注意していても、食中毒は防げません。メーカーなどのきちんとした対処が求められます。)

せっかくの夏休み、事故や病気などに合わないよう、気をつけて下さい。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 □TEL0255-44-5959 情報番号5555(無料)
 □FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 □上越有線放送=月曜18時〜

■8月の予定

○院長出務
 ・上越市乳幼児健診 23日
 
○有線放送「健康ライフ」 19日朝6時〜
  「続・夏にはやる病気」

○FM−J(エフエム上越76.1MHz)「あつまれ元気っ子」
 毎週水曜午後4:35〜
  (当院の提供でお届けします)

■夏休みのお知らせ

今年は、8月7日(月)〜15日(火)に夏休みをいただきます。
よろしくお願いします。

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