2002年6月号(138号) 

 

 今月は開院の月。12周年になります。もうそんなにたったのかという気持ちです。
 最近、開業当時の写真を見たのですが、医院の様子もスタッフもガラリと変わっていることに驚いています(一番は院長かも・・だんだんと白髪が増えてきましたよ)。 

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今月の話題
 ●病児保育室が「1歳」になりました
 ●なぜはしかワクチンを受けないのですか?
 ●わたぼうしの会員からアンケートをいただきました
 ○今月の感染症情報
 ○今月の予定

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■病児保育室が「1歳」になりました

 昨年6月にわたぼうし病児保育室を開設して一年がたちます。以来、当院の2階からも子どもたちのにぎやかな声が聞こえてきます。
 病気で園や学校に行けず、家庭での保育もできない子をお預かりする保育室です。病気で具合の悪い時にしかお会いしないのですが、子どもたちとの出会いを楽しんでいます。
 今、子育て支援が大切と叫ばれていますが、小児科医院として何ができるかを検討した上で取り組んだ事業です。利用いただいた方から、「助かった」というお声をいただき、とても嬉しく思っています。
 また、医院の中に保育士がいることで、医療の現場に「新風」を吹き込んでくれています。
 子どもたちが健やかに成長していけるよう、しっかりとサポートしていきたいと思っています。お困りの際は、どうぞご利用下さい。
 なお、利用者からのご意見をふまえて利用料の改定(引き下げ)を実施することになりました。

■なぜはしかワクチンを受けないのですか?

 先月、はしか(麻疹)の患者さんがおられ、診断がつくまでの間に他の子どもたちに感染させてしまうということがおきました。あらためて、予防接種の重要さを身にしみて感じているところです。
 はしかに限らずワクチンによって予防できる病気はたくさんあります。それらの感染症は、とくに先進国ではずいぶんと少なくなり、日常的な診療の中ではほとんどなくなってきたものもあります。しかしそれはワクチンをみんなが受けたことで流行しなくなったためで、ワクチンを受けなくなれば、また昔のような感染症の蔓延する社会に逆戻りすることも考えおかなければいけないでしょう。
 とりわけはしかは「子どもの命だめし」と呼ばれるほど死亡率が高く、怖い感染症です。今でも日本では年間に数十人の死亡がでています。しかし、ワクチン接種を徹底しておこなっているアメリカでは、患者の発生数が年間に百人を切っていて、その差は歴然です。
 実は今回当院でのはしかの最初のお子さんは小学生ですが、これまで一切の予防接種を受けてきていません。保護者の方の方針だということですが、お子さんの健康を守ることについて、どのようなお考えでおられるのか、小児科医としてとても心配しています。
 また、今回のケースのように、はしかの患者発生があると、その周囲に必ずはしかが広がっていきます。はしかに対する免疫は生後半年ほどできれてきますので、ワクチンを受けるまで一歳前後の乳幼児にその被害が集中してしまいます。はしかにかかるといういう意味では「被害者」ですが、他にまたうつしてしまうという意味では「加害者」にもなってしまいます。
 日本では今でも「本物の病気にかかった方がいい」と言って、全てのワクチンが不要であるとする小児科医の一派があります。ワクチンの安全性を向上させ、副作用によって不幸な事態がおきないようにするのは当然のことですが、しかし予防接種の全てを簡単に否定してしまって良いものなのでしょうか。本物の病気にかかるとどんなことがおきてしまうのかは、人類と感染症の長い闘いを勉強してきているはずの医師が分からないはずはありません。
 WHOとユニセフは2005年までにはしかによる死亡数を半減させるために・・(1)すべての小児に生後9か月で1回目のワクチン接種、(2)すべての小児に2回のワクチン接種、などを提唱しています。
 日本では現在、生後1歳から1回のみの接種となっていますので、早急に再検討する必要があります。でも、まずは1歳になったらすぐに、必ずはしかワクチン接種を受けて下さい。
 はしかワクチンは、子どもの命を守る大切なワクチンです!

■わたぼうしの会員からアンケートをいただきました

《アンケート結果》 (回答は42名中27名)
 ●保育室の印象
 良い24人、普通 0人、悪い 0人
 ●保育時間
  <朝>満足 8人、適当13人、不満 5人
  <夕>満足 8人、適当13人、不満 5人
 ●保育料
  満足 6人、適当12人、不満 6人
 ●保育記録
  満足20人、適当 6人、不満 0人
 ●おもちゃ
  充実11人、適当 9人、少ない 0人
 ●わたぼうし通信
  満足20人、適当 7人、不満 0人

  病児保育を経験するのはスタッフも初めてですし、保育内容も確立されたものはありません。さらに、入室する子が毎日変わり、病気の種類や程度も様々であるなど、「日替わり」で保育を行っています(当室では、急性期のお子さんもできる限りお預かりしています)。
 また病気の時にしか利用されないわけで、健康な時のの子どもたちと接したいという保育士の思いが必ずしも満たされません。
 しかし、そういった大変さの中でも、元気になって帰っていく子どもたちを見送ったり、病気の時に子どもから「わたぼうしに行きたい」という声が出てくるようになってきています。
 まだ短い実践ですが、アンケートから、全体として高い評価をいただいていることを嬉しく思います。
 なお、不満に思われているのが多い項目でですが、保育時間についてはすでに、朝8:30〜夕方5:30の保育時間を前後に30分程度ずつ延長して対応しています。
 また、保育料については、現行の料金でも保育室の運営は成り立たないのですが、医療費の負担も同時に生じていますので、やはり軽減するよう配慮することにしました。今月より1日あたり2,000円に改定しますので、よろしくお願いします。(市などの助成を得て料金を引き下げてほしいという自由意見もありました。現在は保護者の負担と医院からの持ち出しで運営していますが、いずれは補助を得る方向も模索していきたいと考えています。)
 貴重なご意見をいただいた会員の皆様に感謝いたします。また、何かお気づきのことがありましたら、遠慮なくご意見をお寄せ下さい。


■今月の感染症情報

 先月(5月)はなぜかB型インフルエンザが再度流行していました。例年は春先にはやるもので、今年のような流行はとても異例です。もうしばらく注意する必要があります。
 溶連菌感染症、嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)が少なくなってきていますが、まだ見かけています。水ぼうそう(水痘)は増加、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は若干の発生でした。夏かぜの一つであるヘルパンギーナが少しずつ増えてきています。
 はしか(麻疹)の発生がありました。発端になった患者さんの診断がつく前に院内で他の子どもたちにうつしてしまったものです。二次感染の予防のための対策をとってみたのですが、完全に予防できませんでした。
 はしかはとても重症で、伝染力も強力な感染症です。1歳になったら早めに、必ずワクチン接種を受けて確実に予防して下さい。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL0255-44-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  ・新井市休日診療所勤務 23日
  ・上越市乳幼児健診 12、26日
  ・聖母保育園健診 5日
  ・有田保育園健診 19日
  ・小児保健セミナー受講 16日
有線放送「健康ライフ」 20日朝6時〜
  「わたぼうし病児保育室開設1周年」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談」
 月曜午前9:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気
  ・第3週=予防接種
  ・第4週=アレルギーの病気
  ・第5週=Q&A

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