2002年9月号(141号)  


 まだまだ残暑の厳しい中で2学期が始まりました。
 夏休みの生活ペースを早く元に戻して、また園や学校生活を楽しんで下さい。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

今月の話題
 ●日本人、どこかおかしくないですか?
 ●やっぱり母乳が一番!
 ●短 信
 ○今月の感染症情報
 ○今月の予定

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■日本人、どこかおかしくないですか?

 このところ、大きな社会問題がいっぱいおきています。東京女子医大の手術ミスとカルテ改ざん、日本ハムの牛肉偽装、無認可農薬の使用、原発の破損隠し・・

 これらは会社などの組織の中で行われたことですが、実際に実行したのはそれぞれの人間。なぜやめることができなかったのか? そこに日本人のもつ「弱点」を感じます。

 日本では「会社のために」働くことは求められますが、「社会のために」働くことは必ずしも認められません。むしろ「反組織的行為」とされてしまうこともあります。そんな組織の中にいて、次第に判断力がなくなってきたのかもしれません。

 「なぜ?」「どうして?」 自分のしていることや考えていること、社会の中のいろんな出来事などを率直に見つめ、必要なときには「いけない」と声を出すことが、本当は「社会のため」になることです。たとえそれが、とりあえず「反会社的」であったり、目前の自分の利益に反することでも。

 日本人の一人ひとりが自分の考えをしっかりと持ち、それを大切にする社会が訪れない限り、同じ問題を繰り返しおこしてしまいそうな気がしています。

■やっぱり母乳が一番!

 このところ、母乳についての問い合わせが目立ちます。その多くは、「続けたいけれど続けられない」というもの。例えば、赤ちゃんの体重増加が少なくて粉ミルクを加えることを勧められ、その結果ますます母乳が出なくなったとか。中にはアレルギーがあるので母乳を中止するよう小児科医から指示されたという理解に苦しむものもあります(ママが完全な食事制限をするのは無理だからということのようですが・・)。

◇母乳の量はアバウトでいい

 母乳の量は個人差があり、みんな違います。粉ミルクのように正確に1回量が決まっているわけではありません。ママの体調にもよるでしょうし、赤ちゃんの吸い方でも違ってきます。でも、アバウトでかまわないんです。

 母乳の出方が少ないと、確かに体重の増えも少ないでしょう。ですが、赤ちゃんが活発で、元気良くしていれば、さほど栄養が足りないということはありません。脂肪の付き方は違っていても、大切な脳や内臓に十分な栄養はいっているはずです。少し痩せていても、その方が身動きしやすく、発達がどんどん進んでいくこともあります。体重の多い少ないだけを気にすることはありません。(小児科医の私が言うのもヘンですが、健診って何のためにしているんだろうと、疑問に思う時もあります。)

◇母乳は良いことばかり

 母乳のメリットはいっぱいあります。まずは赤ちゃんにとって「完全栄養」だということ。生後4、5か月までは母乳以外のものは必要なしです。ママの持っている免疫が母乳中にはたっぷり入っていて、赤ちゃんを病気から守ってくれます。母乳のタンパク質は赤ちゃんにアレルギーをおこしません(ママが食べているものが母乳中にでてきますので、ときにはママの食事制限が必要ですが)。

 また、経済的ですし(粉ミルクのように買わなくていい)、衛生的です(容器を洗う必要もないですし、腐ることもありません)。利便性もあります(いつでも、どこでもオッパイを出せばOK)。赤ちゃんの突然死も母乳栄養児の方が少ないと言われています。

 なによりも、赤ちゃんにオッパイを飲ませることがママにとってとても幸せですし、赤ちゃんもママに抱かれて嬉しい時間を過ごせます。(お互いが快い気持ちになることをさして「母子相互作用」と名付けた学者もいました。)

 もちろん、粉ミルクもどんどん改良され、母乳に近づいていますので、必要な時には使ってかまいません。牛乳のタンパク質を十分分解し、アレルギーをおこしにくくした特殊ミルクもありますので、牛乳アレルギーのある赤ちゃんにも心配なく使えるようになりました。

◇母乳保育のできる豊かな環境を

 でも、赤ちゃんの身になって考えると、自分のためにママがプレゼントしてくれるオッパイを飲ませてもらえないなんて、おかしなことです。やっぱり人の子には人の乳=母乳が最適。赤ちゃんに思う存分、たっぷりと飲ませてあげたいです。

 そして、ママが母乳で子育てできるゆったりした環境を、周囲が用意してあげなければいけないと思います。育児に疲れていては良いオッパイはでません。パパも大いに協力してあげて下さい。

【参考】
母乳育児成功のための10か条(抜粋)
1 母親が分娩後30分以内に母乳を飲ませられるよう援助すること。
2 母親に授乳の指導を十分にし、もし赤ちゃんから離れることがあっても、母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること。
3 医学的な必要性がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと。
4 母子同室にすること、赤ちゃんが1日24時間一緒にいられるようにすること。
5 赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるままの授乳をすすめること。
6 母乳を飲んでいる赤ちゃんに,ゴムの乳首やオシャブリを与えないこと。
   <WHO/UNICEF共同宣言より>

■短 信

◇インフルエンザ予防接種予約のご案内
 10月19日より接種を開始します。今年より予約は電話で受け付けます。
 ・TEL 0120-447709(無料)
 ・9月11日(水)13時より
  (17時まで)
 ・翌日からは9時〜17時30分
  (水、土は12時まで)

当院で行っている「世界の子どもにワクチンを」日本委員会への募金が総額で300万円を超えました。皆さんのご協力に感謝いたします。

■今月の感染症情報

 先月(8月)は感染症の大きな流行はありませんでした。夏かぜの中では手足口病が少し発生していましたが、ヘルパンギーナやプール熱はほとんど見かけませんでした。

 水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、はしか(麻疹)の発生もありませんでしたが、9月以降、集団での生活が再開するとまた多くなってくるかもしれません。猛暑とともにとびひ(伝染性膿痂疹)のひどい子が多かったのですが、気候が涼しくなってくると次第に少なくなってきます。

 例年、9月はまだ風邪などが少ない頃です。冬場に向かって、少し薄着で過ごすなどして、体力をつけておきましょう。

 感染症ではありませんが、秋口は喘息発作をおこしやすく、また花粉症にも注意が必要です。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  ・上越保健所未熟児相談 11日
  ・上越市乳幼児健診 18、25日
有線放送「健康ライフ」 19日朝6時〜
  「秋に多い病気」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談」
 月曜午前9:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気
  ・第3週=予防接種
  ・第4週=アレルギーの病気
  ・第5週=Q&A

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

このページの
トップへ

目次の
ページへ

このホームページ
のトップへ

(画面の左にフレームがない方)
ホームページのトップへ