2002年12月号(144号)  


 今年も残すところ1ヶ月を切りました。
 年末年始で子どもたちも忙しいことでしょう。
 風邪などひかずに、元気に新年を迎えられるといいですね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

今月の話題
 ●高円宮さまご逝去
 ●子どもの嘔吐への対処
 ●当院の子育て支援
 ○短 信
 ○今月の感染症情報
 ○今月の予定

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■高円宮さまご逝去

 先月、高円宮さまがご逝去されました。サッカーW杯などでのご活躍を見かけていましたので、とても驚いています。

 殿下が昨年当地にお越しになられた際、親しくお話をさせていただく機会がありました。音楽、芸術、スポーツ、文化交流などに幅広い知識をお持ちでした。そして何よりも、穏やかなお話しぶり、他の方の話もじっくりと聞き入れるお姿に、私たちとは違った「成熟した日本人」の姿が見られ、大変うれしく思っていました。

 また、スポーツ中の急な不整脈が死因のようですが、そういった緊急事態に対処できない救急医療のあり方に一石を投じました。これを期に整備されていくことが、殿下の隠れたご意志なのかもしれません。

 まだお若く、ますますのご活躍を期待されており、そのような方を失ったことはとても残念です。心よりご冥福をお祈りいたします。

■子どもの嘔吐への対処

 冬場にはやる病気に嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)があります。これは急にお腹を痛がり、吐き出し、少ししてから下痢も加わってくるという感染症です。

 子どもはいろんな原因で吐きますが、咳き込んだり、むせて吐いている時はお腹の調子が悪いわけではないので、少し落ち着けばまた飲んだり食べたりしても大丈夫。でもこの胃腸炎ではウイルスのために胃や腸の粘膜がただれて、物を受け付けないので、吐いてもすぐには楽になりません。青白い顔をしている時にはすぐには食べさせたりしないで下さい。しばらくはお腹を休ませる必要があります。

 脱水のことが心配で、すぐに飲ませることもあるかもしれませんが、まずは吐き気を止めることが先決。何回か吐いたからといって直ちに脱水になるわけではありません。

 夜眠っている間、オシッコや汗などが出て少しずつ体の中の水分が少なくなりますが、それでも朝起きたときに点滴をしなければいけないような脱水状態にはなっていませんよね。人間にはある程度の予備力があります。でも、半日以上吐き続けているようなら、やはり脱水になっていると考えて下さい。

 吐き気が強い時は顔色がとても青白く、吐いた後も楽にはなりません。その様子がとてもつらそうなら、早めに点滴が必要かもしれません。小児科を受診して下さい。

 吐く病気にはこの胃腸炎以外にもいろいろとあります。髄膜炎、脳炎・脳症という脳神経の感染症(高熱、けいれん、意識障害などを伴います)、腸重積(強く泣き、次第に血便になります)などの重篤なものでは一刻を争います。嘔吐の他の症状や本人の状態を良くみて対処して下さい。

■当院の子育て支援

 昨日(11月10日)、子育て支援についてのパネル・ディスカッションに参加しました。<子育て支援のための施設=キッズスタジオン>のNPO(特定非営利法人)設立を記念して開かれたものです。

 いろんなことをお話したかったのですが、私に与えられたのが数分だったので(実際には10分以上しゃべってた?)、今私が小児科医として取り組んでいる「子育て支援」について話をしてきました。一つは「わたぼうし病児保育室」であり、もう一つがこのHPを通してのものです。

わたぼうし病児保育室は昨年6月の開設。この上越市内に市が作った「病後児(病気の回復期)」のための保育室が2つあるけれど、親御さんのためには必ずしも十分とはいえず、また、私自身がそこに関わることを結果としては拒絶されたという経過もありました。そこで、医院の2階を改装し、専任保育士を2名雇って「自前の」病児保育室(急性期もみる!)を「自腹をきって」始めたことをお話しました。開設から1年数ヶ月たちますが、親御さんが喜んでくれる姿を毎日のように見かけています。先週は定員4名をはるかにオーバーする9名を受け入れたことも紹介しました(専任保育士以外に保育士資格をもつ2名の事務員と看護婦も応援につけて切り抜けました)。ただし、現在は市からもまったく補助を受けておらず、年間数百万円を医院からの持ち出しでまかなっていることも今後の課題として報告しました。

病児保育室が地域限定版の子育て支援とすると、もう一つのインターネットを通してのものは地域を問わず、日本中、ときには海外にいる日本人の方への子育て支援です。HP上のいろんな情報提供がそうですし、電子メールを使って質問にもお答えしています。きちんと数えたことはありませんが、毎日数件は来ています。1日平均3件程度、年に約1,000件の質問をいただき、そしてお返事を差し上げていることになります。3年前から行っていますので、のべで3,000件近くにはなるのでしょうか。その一部は「Q&A」としてHP上に公開していて、きっと他の方にも参考にしてもらっているのではないかと思います。

私が今積極的に取り組んでいる「子育て支援」はこのようなものですが、しかし小児科医としての基本、あるいはいちばん重要なものは「小児医療」をきちんとこなすことです。特に最近は「小児救急」の問題がクローズアップされています。小児科医一人でできることではありませんので、システムとしてどのようなものを作り上げていくか、大きな課題になっています(何と行っても小児科医というマン・パワーがもっと必要です)。

・・というようなことをお話しました。また機会があれば子育てについて、話をさせてもらえたらと思っています。

     <HP11月11日「日誌」より>

■短 信

◆年末年始休診のご案内:12月30日(月)〜1月3日(金)
 例年どおり、年末年始のお休みをいただきます。よろしくお願いします。
◆年末は28日(土)が仕事納めになります。年末年始のお休みが長くなりますので、お気をつけください。
◆上越休日急患診療所(TEL025-522-0099)では年末の29、31日、新年の1〜3日、内科・小児科の診療が行われます(午前9時〜午後9時)。どうぞご利用下さい。

■今月の感染症情報

 11月の上旬は例年よりもとても早く初雪が降るなど、気候が急に厳しくなったためか、風邪や嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)がずいぶんと増えました。下旬にはやや落ち着きましたが、本格的な冬になっていきますので、健康管理に十分ご注意下さい。

 水ぼうそう(水痘)の流行も園などで少しずつ拡大してきています。近年は抗ウイルス薬が開発され、比較的軽くすませることができるようになりましたが、ワクチンも用意されていますので、よろしかったら接種を受けておいて下さい(任意接種)。

 はしか(麻疹)の発生はなく、溶連菌感染症やおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はわずかでした。

 小学生を中心にマイコプラズマ気管支炎(肺炎)が流行しています。熱はさほどでないのですが、咳がひどく続きます。使える抗生物質が決まっているので、ときに治療がうまくいかずに長引くこともあります。その場ですぐ判定できる血液検査があり、当院でも使用しています。

 インフルエンザの発生が心配な季節になってきました。すでの関西や関東では学級閉鎖もあり、新潟県でも散発的な発生があります。まだワクチンがすんでいない方は、早めに接種を受けて下さい。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  上越休日診療所 22日
  上越市乳幼児健診 4、11、18、25日
隣保館医師講演会 15日10時30分- 新発田市
 「病児保育と子どものアレルギー」 
有線放送「健康ライフ」 19日朝6時〜
  「年末年始に気をつけること」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談」
 月曜午前9:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気
  ・第3週=予防接種
  ・第4週=アレルギーの病気
  ・第5週=Q&A

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(画面の左にフレームがない方)
ホームページのトップへ