2003年1月号(145号)  


 

 新年あけまして、おめでとうございます。

 今年も子どもたちがより愛され、大切にされる社会になることを願っております。

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今月の話題
 ●豊かな子育ての環境を!
 ●病児保育が広がるといいですね
 ●医療費助成の拡大はどうしたの?
 ●インフルエンザにご注意下さい
 ●高熱への対処
 ○短 信
 ○今月の感染症情報
 ○今月の予定

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■豊かな子育ての環境を!

 今年は未(ひつじ)年。羊のようにふっくらとして、温かく、軟らかく、そして優しくありたいものですね。でも、それでいて中身がしっかりとしていればもっといい。そんなふうに生きたいですし、社会もそうあってほしいと思います。

 しかし、日本全体がそうであるように、子どもたちをめぐる環境はとても厳しいです。そんな中でも困難な問題を一つずつ解決し、楽しく豊かに子育てできるようにしていくのが、先に子育てを経験した私たちの責任です。

 小児科医院として、あるいは小児科医として、今年も「子育て支援」に積極的に取り組んでいきます。どうぞよろしくお願いします。

■病児保育が広がるといいですね

 先月、新発田市でわたぼうし病児保育室の活動について講演をしました。当院での1年半の経験から、病児保育がどれほど大切な仕事であるか、具体的な事例を通しながらお話しました。

 県内ではまだまだ少ない病児保育ですが、「わたぼうし」に込めた願いのように、各地にどんどんと広がっていくといいですね。当院の経験がお役に立てれば幸いです。

■医療費助成の拡大はどうしたの?

 お隣の新井市では新年度より乳幼児医療費助成(外来)を、現在の3歳未満から小学校入学前までに一挙に拡大するそうです。新市長の目玉政策で、子どもたちには良いお年玉になりました。

 でも・・上越市ではまだ実現の見通しがありません。市長さんの決断一つです。以前「子育てするなら上越市で」というキャッチフレーズがありましたが、看板倒れになっていないでしょうか。

■インフルエンザにご注意下さい

 冬にはインフルエンザが必ず流行します。インフルエンザにはA香港型、Aソ連型、B型の3種類がありますが、中でもA型はその形を毎年少しずつ変えるため、繰り返し感染してしまうことになります。

 インフルエンザの症状は、寒気やだるさを伴った突然の高熱。大人でも動けなくなってしまうほど重症なものです。まして体力の弱い乳幼児や高齢者では、とても大変です。

 また、乳幼児ではインフルエンザによる合併症として脳症の生じる可能性があります。日本人に起きやすく、毎年百人以上の子どもたちがそのために亡くなっています。

 診断は、流行が始まると症状だけでできます。そうではない時は、鼻や喉の粘膜からウイルスを調べる検査をしますが、近年は外来ですぐに分かる迅速検査があり、確実に診断できます。

 さらにウイルスを殺す「特効薬」ができたことも、インフルエンザの治療を大きく前進させました。タミフル(内服)やリレンザ(吸入)などがそれです。

 インフルエンザはただの風邪ではありません。インフルエンザかなと思ったら、早めに病医院を受診し、手当を受けて下さい。

■高熱への対処

 インフルエンザには高熱がつきもの。子どもが熱を出したというと、すぐ熱さましを使いたくなるものですが、ちょっと考えてみて下さい。何のために熱を下げるのでしょうか?

 昔から「熱が高いと頭がやられる」と言われますが、そうでしょうか?  熱というのは、自分の脳からの命令で体温を上げている現象です。脳にとって有害なのは自分のコントロールが効かない四一度を超えるときだけ(急速な冷却が必要です)。それまでは、ゆっくり構えていて大丈夫。寒気があれば暖かくし、熱が上がりきったあとは涼しくしてあげることが、本人にとっては一番楽です。

 熱が高いからと言って「頭がやられる」ことはありません。脳炎・脳症など重篤な病気は高熱だけではなく、意識がなかったり、けいれんをおこしたりすることでしょう。

 また、無理に熱を下げる必要もありません。熱を下げても病気が良くなるわけではありませんし、病気が治れば熱はでなくなるのですから。

 ただし、熱のためにぐったりとしているのなら、熱を下げてあげることで楽になるわけですので、熱さましを使う意味はあります。でも、そんなときでも「穏やかな働き」の熱さましがお勧めです。

 特に15歳未満のインフルエンザと水ぼうそうでは、安全なのはアセトアミノフェン(当院ではカロナール内服、アルピニー坐薬、アンヒバ坐薬)だけと考えて下さい。以前は強い働きのボルタレン坐薬、ポンタール内服などがよく使われていましたが、副作用の問題が生じかねませんので、これらは子どもに使うべきではありません。十分にご注意下さい。

■今月の感染症情報

 先月はインフルエンザが例年より早く発生していました。全国的にもすでに流行期に入っているとされています。冬休みが終わってしばらくすると一挙に流行してくる可能性が大きいです。今月中〜下旬以降は気候も厳しいですので、くれぐれもご用心下さい。

 嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)は例年より早く9月ころから流行していて、12月はむしろ少なくなってきていました。しかしもともと冬場に多い感染症ですので、油断はできません。

 水ぼうそう(水痘)が園で2学期の後半に流行しました。今は少し下火です。

 マイコプラズマ気管支炎(肺炎)も相変わらず多いです。的確な抗生物質を使わないとなかなか良くならず、咳がいつまでも続いたりしがちです。何年ぶりかの、とても大きな流行になりました。

 はしか(麻疹)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の発生はなく、溶連菌感染症は例年より少ないです。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  上越保健所未熟児相談 8日
  上越市乳幼児健診 22、29日
  小児精神科セミナー出席(東京)19日
ポリオ予防接種(任意) 18日
有線放送「健康ライフ」 16日朝6時-
  「インフルエンザ流行か!?」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談」
 月曜午前9:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気
  ・第3週=予防接種
  ・第4週=アレルギーの病気
  (第5週=Q&A)

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