2003年2月号(146号)   

 暦の上ではもうすぐ春なのに、まだまだ厳しい季節が続きます。

 インフルエンザが大流行。受験や就職試験なども重なってきます。どうぞ気をつけてお過ごし下さい。

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今月の話題
 ●インフルエンザの流行と危機管理の貧しさ
 ●短信
 ●風邪をひいた時の入浴と洗髪
 ●インフルエンザはとても怖い感染症
 ○短 信
 ○今月の感染症情報
 ○今月の予定

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■インフルエンザの流行と危機管理の貧しさ

 今シーズンのインフルエンザ流行は例年より早めに始まり、数年ぶりの大きな規模になりました。

 「特効薬」ともいえる新薬のおかげで、インフルエンザを早く治せるようになったのですが、出荷された量が少なかったため、診療に支障をきたしている地域もあります。そして、今年もインフルエンザによる死亡が伝えられています。

 インフルエンザはひとたび流行すると、まるで生き物のように広がっていきます。数週間で日本中を覆い尽くしますが、これほどパワーのある感染症は他にはありません。こんな大流行になると、病医院での対応もそろそろ限界です。

 国は「インフルエンザはただの風邪ではない」といって国民に注意を喚起していますが、でも国自身はちゃんと危機管理をしているのでしょうか。ワクチンや薬の備蓄体制すらありません。国民の命と健康を守るために、もっと積極的に対策をとってもらいたいものです。

■短信

このところ大雪になる日もあります。当院へは自家用車で来られる方が大半ですが、雪道の運転にはくれぐれもご注意下さい。また駐車場は消雪設備がしてありますが、それでも足元が悪いですので、お気をつけ下さい。

3歳くらいまでの子は、誤って窒息するおそれがありますので、豆菓子はまだ与えないようにお願いをしています。「鬼は外」はいいのですが、小さなお子さんがおられるご家庭では「福は内」は形だけにしておいたほうが良いようです。

■風邪をひいた時の入浴と洗髪

 風邪をひいた時、入浴をどうしますか? 入れてあげたいけれど、風邪がひどくなっても困るし・・

 まずは具合が悪く、ぐったりしているようならあきらめて下さい。お尻を洗ったり、首や脇などを拭いてあげるくらいにして、あとは静かに寝かせてあげましょう。

 少し風邪気味でも元気良くしているようなら、まず大丈夫。軽くさっと入って、湯冷めしないうちに早めに休んで下さい。

 熱い湯に長く入るのが「日本人的入浴法」ですが、これは昔の住宅事情もあったんだと思います。家の中はあまり暖かくなく、浴槽の中でしっかり温まることが必要でした。でも、今の家は暖房が効いています。汗を洗い流せば十分です。

 洗髪はどうでしょう。湯船につかった後に洗髪することが多いと思いますが、これでは体が冷えてしまいます。上だけ脱いで、シャツとパンツを着たまま、体をぬらす前に洗髪してはいかがですか。体はまだ乾いているので、さほど冷えなくてすむはずです。洗髪が終わったら、ぬれた下着はそのまま洗濯機へ、お子さんは浴槽へどうぞ。

■インフルエンザはとても怖い感染症

1月14日付け「朝日新聞」新潟県版に「インフルエンザ、早期発見と情報収集が大切」とする私へのインタビューが掲載されました。以下はその抜粋です。

 ◇インフルエンザに対する心構えは?

 「まずは『単なる子どもの風邪』と軽く考えないこと。高齢者や妊娠中の女性、体の弱い子どもなどの危険度が非常に高い。1シーズン中にもA香港、Aソ連、B型と、3種類のウイルスが毎年のように流行する。高齢者には11月からの予防接種を呼びかけているが、今からでも混合ワクチンの予防接種により発生を防ぐことが大切です」

 ◇インフルエンザの恐ろしさは?

 「普通の風邪と違い、数時間で激しい寒気や突然の高熱などに襲われるのが特徴だ。朝は元気に家を出たのに昼には40度の熱が出て動けなくなることがよくある。特に乳幼児の場合、ウイルスから脳炎や脳症が発生することがある。いたって元気だった子がわずか数日以内に死亡することもあり、全国では毎年100〜200人の子どもが命を失っている」

 「高齢者は肺炎などを併発して死亡するケースが多い。『超過死亡』といってインフルエンザが大流行した年には、病気の人や体力の弱い高齢者の死亡者数が一気に増加するというデータがある。インフルエンザは『お年寄りの最後の灯火(ともしび)を一気に吹き消す』とも言われている」

 ◇日ごろから心がけることは?

 「規則正しい生活や手洗いやうがいの励行といった一般的な風邪予防策はもちろんだが、早期発見と情報収集が重要だ」

 「早期発見については、インフルエンザの特徴である急な高熱などに『ただごとではない』と気づき、かかりつけの病院ですぐ受診すること。特に子どもの場合、保護者が日ごろから様子をよく見ているかが大切になる。情報収集では、保育園や学校、職場といった団体ごとや住んでいる地域ごとの発生状況をキャッチすること。今では地域情報はインターネットでも収集できる。それだけでも予防や早期発見の効果は大きい」

 「インフルエンザの本格的な流行シーズンは例年では1月下旬ころからだが、この冬は発生が早い傾向にある。休みが終わって集団生活が始まり、しばらくして一気に流行する可能性がある。決して甘く見ないでください」

■今月の感染症情報

 1月中旬よりインフルエンザの流行が始まりました。今シーズンは数年ぶりの大きな流行になり、今月も引き続き注意が必要です。

 これまでは主にA型でしたが、B型も少しずつ増えています。インフルエンザ・ウイルスにはA香港型、Aソ連型、そしてB型の3種類があり、一度かかったからといっても、あるいは園や学校での流行が終わったからといってもまた別の型のインフルエンザにかかることがあります。

 15歳未満のインフルエンザ患者に使う解熱薬については、強い薬は脳症の発生を起こす可能性があり、使用しないよう警告が出されています。商品名でボルタレン坐薬とポンタール内服などがそうです。安心して使える解熱薬は一般名アセトアミノフェン(当院採用はカロナール内服、アルピニー坐薬)だけです。

 また、今シーズンの流行規模が大きいため、抗インフルエンザ薬が全国的に品薄になっています。今後の流行の動向によっては必要な薬が使えないことも考えられ、その意味でも早く流行が終息してくれることを願っています。

 この他では、嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)、溶連菌感染症水ぼうそう(水痘)などが少しずつ発生し、はしか(麻疹)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の発生はありませんでした。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  上越市乳幼児健診 5、19日
  有田保育園入園前健診 26日
有線放送「健康ライフ」 20日朝6時-
  「冬〜春先に気をつける病気」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談」
 月曜午前9:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気
  ・第3週=予防接種
  ・第4週=アレルギーの病気
  (第5週=Q&A)

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