2003年5月号(149号)   

 このところ、とても暖かいというより暑い日もあります。春が来たと思ったら一挙に夏に向かっているようです。

 子どもたちは4月は新しい環境に慣れるので精一杯。GWが終わると、やっと落ち着いて園や学校に通えるようになりますね。

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 今月の話題
  ●子どもは「風邪の子」
  ●学校でのBCGが廃止されました
  ●血中ケトン体の院内検査を始めました
  ●「子どもが腹痛で学校を休みがち」
  ○短 信
  ○今月の感染症情報
  ○今月の予定

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■子どもは「風邪の子」

 今年から園に通い出した子どもさんも多いことでしょう。さっそくいろんな風邪などをもらってきているのではないでしょうか?

 今までの限られた人間だけの家庭環境から、多くの子どもや大人と接する集団の生活にはいると、そこでいろんなウイルスや細菌をもらってきます。また、生活のリズムが変わったり、緊張から体調を崩すこともあるでしょう。

 風邪などをひくとかわいそうですが、でもそれによって体は丈夫になります。つまり、その感染症に対して免疫ができるからです。重症になっては困りますが、でも、多少の病気は子育てにはつきもの。仕方ないと思って、多めに見てあげて下さい。

 まして、子育ての仕方が悪いなどと、お母さんを責めないで下さいね。

 子どもが病気になっても安心していられるような社会づくりもまた必要です。当院のわたぼうし病児保育室もそのお役にたてていることを嬉しく思っています。

■学校でのBCGが廃止されました

 今年度より小中学校でのツベルクリン反応とBCGが廃止されました。これは、学校で結核患者が発見される率がとても低いためで、問診や学校医の診察をより徹底することになりました。

 しかし、日本から結核患者がいなくなったわけではなく、もしかかると重症化しやすい乳児では、生まれてできるだけ早い時にきちんとBCG接種を受けて下さい。

 上越市では、今まで生後6か月だったBCGを3か月に行うことになりました(それに合わせて乳児健診は3か月が集団、6か月が個別になりました。9か月の個別健診、1歳半と3歳の集団健診は今までと同じです)。

 来年度はさらにツベルクリン反応も省略する方向で検討が進んでいるとのことです。

■血中ケトン体の院内検査を始めました

 ケトン体とは、体内で糖分が足りなくなり、脂肪分解が急激におきると血液中に出てくる有害物質です。ケトン体が多くなると、食欲低下、顔色不良、倦怠感、吐き気・嘔吐、腹痛などの症状が現れます。

 子どもはもともと糖分の蓄えが少ないため、嘔吐下痢症で吐いていたり、風邪などでも食事がとれない状態になると簡単にケトン体が増加していきます。精神的な緊張だけでもおこしてしまうこともあります(昔から「自家中毒」と呼んでいます)。

 十分な糖分を点滴することが最も確実で早い治療です。病状の回復とともにケトン体はすみやかに減少します。

 当院ではすぐに結果の分かる迅速検査の器械を導入し、さっそく診療に役立っています。

■質問に答えて(インターネット上のQ&Aより) 
  「子どもが腹痛で学校を休みがち」

【ご質問】
12才女子。おととしあたりから、お腹の調子が悪く、一昨年は何度も学校を休んだり病院をまわりました。・・子供にも病気ではないと言うことを、教えてきました。ですが、子供にとっては具合が悪くなると不安だし、すぐ私を頼ってきます。・・児童思春期科にも通いました。・・今年は修学旅行と言う行事も控えていますので、気が気でありません。どうしたらよいのでしょうか?(Tさん)

【お返事】
お子さんについてはすでによく診てもらっているとおりだと思います。小学校の高学年から中学生になる前後のお子さんによくみかけるものです。いずれ症状がとれていくので、大きな意味で心配はありません。ゆっくりと待ってあげて下さい。

 ですが、その「渦」の中にいると、本人は不安ですよね。そんな気持ちを、親御さん(女の子はとくにお母さん)に預けることで楽になろうとします。でも、頼られている親御さんが、お子さんと同じように不安な気持ちで不安定でいると、お子さんの気持ちは楽にはなりません。親御さんはどんと構えていてほしいと思います。
 
ご心配があれば、再度カウンセリングに通ったり、思春期科を受診されることもよいでしょう。症状が強いときは、それなりのお薬がありますので、また主治医にご相談になって下さい。

 いずれにせよ、親御さんがお子さんのことを高いところから見守り、大きく包み込んであげ、そして後ろからしっかりと支えてあげることが大切かと思います。

 そんな親御さんの頼もしい姿を見ることができれば、いずれ本人も成長とともに落ち着いてくるはずです。

 そして、そんな「荒海」を一緒に乗り越えてくれた親御さんとの信頼関係は、これから長い人生を生きていく上で、大切な心の支えになってくれることでしょう。

 「一病息災」という言葉があります。全く病気をしない(無病)というのは、自分の力を過信してしまいがちです。一つの病気をもっていくことで、むしろ健康に注意をしたり、他の人への優しい気持ちが生まれてくるというのです。
 苦しいのはお子さんです。親御さんはそんなお子さんを暖かく見ていてあげてほしいと思います。

■短信

先月より第2土曜も他の土曜と同じく診療しております。どうぞご利用下さい。

わたぼうし病児保育室は先月、会員登録を更新しました。まだお済みではない方や、新たに利用したいと思っておられる方はどうぞ登録をお願いします。

■今月の感染症情報

 4月上旬はインフルエンザや他の感染症も少なくなっていたのですが、後半からまた風邪などが多くなり、小児科外来は冬のようなにぎやかさでした。

 とくに嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)は冬場以上の流行をみせ、脱水などのために点滴をすることがとても多かったです。夏に向かって少なくはなっていくと思いますが、しばらくはまだご注意下さい。

 マイコプラズマによる気管支炎(または肺炎)の流行がまだ続いています。熱を出す以外に咳が強く、抗生物質によっては効果が不充分なことがあります。熱や咳がなかなか良くならないときには、この病気も心配です。

 水ぼうそう(水痘)は次第に多くなってきました。伝染力が強く、園などでこれからさらに広がる可能性があります。

 県内ではしか(麻疹)患者がそうとう発生しています。上越地域はまだですが、くれぐれもご注意下さい。1歳になったらすぐにワクチン接種を受けておいて下さい。

 またおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)も他の地域で出ていますので、今後当地域でも患者発生が始まるのではないかと思っています。こちらもワクチンで確実に予防できます(任意接種)。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  保健所未熟児相談 9日
  上越市乳幼児健診 7、14、21日
  谷浜小学校健診 28日
有線放送「健康ライフ」 15日朝6時-
  「春〜初夏の健康管理」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談室」
  木曜午後2:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気(1)
  ・第3週=子どもの病気(2)
  ・第4週=予防接種
  (第5週=Q&A)

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