2003年8月号(152号)   

 今年は梅雨明けが大幅に遅れるなど、天候不順が気になります。

 蒸し暑い夏もいやですが、でも気温が上がらないと心配になります。なかなかうまくいかないものですね。

 さあ、夏休み本番! 大いに楽しんでいて下さい。

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 今月の話題
  ●少年犯罪に思う
  ●暑さから赤ちゃんを守りましょう!
  ●病児保育は必要悪ですか?
  ○今月の感染症情報
  ○今月の予定

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■少年犯罪に思う

 ときどき報道される少年犯罪には、胸が痛みます。どうしてそんなことをしてしまう子どもに育ってしまったのだろうか。そして、育ててしまったのだろうか・・

 赤ちゃんは純粋で、無垢。生まれながらの犯罪者はいません。育っていく中で、どこかで何かが間違ってしまったのです。

 人がこの世に生をもらったときは「真っ白いキャンパス」です。そこにいろんな色をつけ、絵を描き、作品が作られていきます。でも、決して「完成」されることはありません。そして、他人任せではなく、自分自身で作品を作っていくことも、「物」とは違います。

 親、家族、そして社会との交流を通して、子どもたちが明るく、健やかに育っていってほしいと思います。そうなるようにするのが大人の責任です。

 少年犯罪が問題になると、決まって「罰を厳しくせよ」という意見がでます。でも、それで犯罪を犯す少年がいなくなるのでしょうか?

 私たち大人の生き方と、社会のあり方こそが問われているのだと思います。

■暑さから赤ちゃんを守りましょう!

 高温多湿の日本の夏は、体温調整がまだ未熟な赤ちゃんにとってはとても過ごしにくい季節です。外へ出かけたりしたいところですが、赤ちゃんのために守ってほしいことがあります。

 まずこまめに水分をとること。お昼前後の外出はさけ、朝や夕方に出かけるようにしましょう。その時も帽子をかぶり、日陰にいて下さい。高温になるところにいてはいけません(毎年、自動車中で熱中症になって死亡する事故がありますが、これは論外! お昼寝の時も気をつけましょう)。

 そして赤ちゃんの様子をたえず観察し、具合が悪そうならすぐに涼しいところで衣服をゆるめ、十分な水分補給と休養を取って下さい。

 「熱中症(熱射病、日射病)」になってしまうと、強度の脱水のために汗をかかなくなり、極端な高熱になったり、顔面蒼白、意識喪失などをおこします。もしこうなってしまうと命にかかわる事態です。救急車を呼び、急いで病院で処置を受ける必要があります。

 しかしいきなり熱中症になるわけではありません。先に「熱疲労」という状態になります。次第にぐったりして元気がなくなってきています。これくらいの時に早く見つけて的確な処置をすると、軽くすみます。しかし、気づかずにいると熱中症まで進んでしまいますので、油断は禁物です。

 夏休みはどこかに出かけたいですが、小さなお子さんがいるお家では大人のペースでなく、子どもたちに合わせて、無理のない行動をお願いします。

■病児保育は必要悪ですか?

 今日(7月11日)新潟日報からわたぼうし病児保育室の取材を受けました。一番興味を持っておられたのは「どうして病後児ではなく病児(急性期の子ども)なのか?」でした。子どもの病気(大半は風邪などの感染症)はだいたい急に始まるもの。予定がたたないのが子どもの病気。「子育て支援」として病児保育をするのであれば、急性期こそ一番ニーズが大きいのであり、そこを見ないというのでは、存在意義は十分とは言えません。

 最後に「必要悪かどうか?」が話題になりました。私は病児保育は決して「なくてすめばそれにこしたことはない」「必要悪だ」などとは思っていません。もしそう考えてしまうと、預ける親御さんは「本来は自分が仕事を休まなくてはいけない・・」「それができなくて、子どもに無理をさせている」などと気持ちの負担を感じたりはしないでしょうか?

 保育士の側も、「できれば家で見てあげるのが一番いいのに・・」「仕方なく自分たちが見ている」などという気持ちにならないでしょうか?

 これから社会が更に発達し、成熟していくと、その構成員である一人ひとりはより大切な役割を果たすようになります。それぞれが自分の能力を十分に発揮していきます。自分の仕事にもより大きな責任をもつわけですから、育児や家事と両立させるためには、トラブったときの安全システムとして病児保育はよりいっそう必要性が増すことになります。

 今までの日本は、「三歳神話」に代表されるように、女性に育児・家事といった仕事を押しつける傾向が強かったです。できれば3歳くらいまでは母親が仕事を持たず、子どもの育児の全てを担うべきだという考えです。「病児保育は必要悪だ」と言うとき、どこかにそんな考えが潜んではいないでしょうか? 子どもは本来親が面倒を見るべきだ・・仕事をするために仕方なく保育園で預かったもらっている・・だから病気のときくらい親が仕事を休んで面倒を見るのは当たり前だ・・

 病児保育が今日本に少しずつ根を下ろそうとしています。でも、質的な側面=病児保育をめぐっての考え方が、まだまだ未熟な段階です。これから日本中に病児保育が広がっていくためには、「必要悪だ」などという後ろ向きの考えではなく、子育てを中心とした社会のありようがもっと豊かになるために欠くことのできないものとして、その存在意義が見いだされることが必要です。

 小難しいことを並べ立ててしまいましたが、要は、親御さんが預けて良かったと思ってもらえる病児保育室であり、子どもが具合の悪いときに行きたいと思ってくれる病児保育室であることが大切なんだと思います。私たちが今力を入れているわたぼうし病児保育室が、一日も早くそんなふうに頼りにされる存在になりたいものです。

   <当院HPの7月11日「日誌」より。一部改変>

■今月の感染症情報

 夏の暑い季節になってきました。熱中症、あせも、とびひなど、夏に特有の問題がおこりがちです。どうぞご注意下さい。

 7月でもっとも目立ったのはヘルパンギーナという夏かぜです。高熱と喉の痛みが2、3日続くウイルス性の病気ですが、熱冷ましなどを使いながらゆっくりと待つと自然に治っていきます。ときに水分も取れなくなることもありますので、脱水にならないように気をつけて下さい。

 手足口病も多く発生しています。こちらは熱を出すことはあまりなく、口の中の痛みがさほどでなければ、食事や集団生活には差し支えありません。プール熱(咽頭結膜熱)はあまり見かけていません。

 この他では、溶連菌感染症、水ぼうそう(水痘)などが少しずつ発生しています。はしか(麻疹)の発生はありませんでした。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の流行も心配されましたが、今のところは大きな流行にはなっていません。

 暑い日が続くと食中毒もおきやすくなります。合わせてご注意下さい。

■お知らせ

 今年も冬に備えてインフルエンザ予防接種を行います。例年と同様に多くの方に受けていただけるよう、土曜午後も含めて特別な体制をとります。ただ今調整中で、今月中にはご案内をいたします。しばらくお待ち下さい。

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週金曜ころ)

■今月の予定

院長出務
  上越休日診療所 3日
  上越市乳幼児健診 6、20、27日
有線放送「健康ライフ」 21日朝6時-
  「暑い季節の健康管理」
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談室」
  木曜午後2:15頃〜(76.1MHz)
  ・第1週=子育てアドバイス
  ・第2週=子どもの病気
  ・第3週=予防接種
  ・第4週=子どもの薬
  (第5週=Q&A)

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