2004年3月号(159号)   

 道路脇の雪もすっかり消え、冬が通り過ぎていこうとしています。

 卒園、卒業などうれしい季節になってきました。春はもうすぐそこまでやって来ています。

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 今月の話題
  ●インフルエンザ騒動と危機管理
  ●病児保育は急性期こそ必要です
  ○インフルエンザ情報
  ○今月の感染症情報
  ○今月の予定

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■インフルエンザ騒動と危機管理

 冬場の小児科で一番問題になるのはインフルエンザです。新しい検査薬や治療薬ができたとはいえ、流行の規模はあらゆる感染症の中で最も大きく、発症までの時間も短く、流行拡大のスピードもとても速いものです。インフルエンザへの対応は確実に、かつ迅速に行う必要があり、危機管理そのものです。

 そのインフルエンザ流行がやっと下火になったと思ったら、各地でトリ・インフルエンザの発生がおきています。ウイルスの性質が変わり、人へ感染するようになったら、瞬く間に日本中、そして世界中に新型インフルエンザの流行が広がってしまいます。

 鶏の大量死がありながら放置していたなどとは言語道断。現場の判断ミスが未曾有の大事件に発展する可能性もあり、今後の推移を、深刻な懸念をもって注視しています。

 それにしても、危機管理がきちんとできないのは日本人の体質なのでしょうか。早くこの国と日本人が変わってほしいと願っています。

■病児保育は急性期こそ必要です

 先日NHKの取材を受けましたが、その中で「なぜ急性期の病児保育をしているのか?」が話題になりました。

 上越市はすでに2つの同様の施設を開設していますが、それらは病後児=病気の回復期の子どもたちを対象にしています。しかし、私のところでは「急性期の病児保育」にこだわっています。その点に記者の方の興味があったようです。

 子どもたちが園を休むのは風邪などの感染症が多く、その大半は急性のものです。急に熱を出したり、咳をしたり、吐いたり・・。小児科医にとって「子どもは急に具合が悪くなる」は常識です。

 そのため、親御さんの対応も急を要することが多くなります。しかし、「急な対応」がなかなかできないのが大人の社会。責任をもって仕事をしていればなおさら、突然にお休みをとることは難しいです。

 子どもの病気の時くらい親がみてあげるべきだという意見があります。でも、それができないために多くの方が困っています(特に女性)。また、そんな時に子どもを預けることは親として安易だと言う方もいます。しかし、私の知る限り、心を痛めていない親御さんはいません。

 当院での利用者統計でも、その過半数は急性期の病児です。そのために小児科医が診察し、医院と同じ施設内で保育をするなどの体制を作っています。そういったことができるからこそ、急性期でも安心して預けることができる----ここにわたぼうし病児保育室の存在意義があると言っても過言ではありません。

 子育て支援の中で急性期の病児保育はとても大切です。全国的に少しずつ「病児保育」の整備が進んできていますが、これからはその内容と質も大切にしていってほしいものです。

(注:理由は分かりませんが、2月末現在、今回の取材内容は報道されていません。)

■インフルエンザ情報

●インフルエンザ流行は2月後半は次第に下火になってきました。全国的にも、東日本から西日本に移ってきているようです。

●これまではA香港型が主でしたが、1月に当院に受診した女児からB型インフルエンザ・ウイルスが検出されました。これは本県1例目だったとのこと。B型は“春先のインフルエンザ”と呼ばれ、昨年も3〜4月に中規模の流行を起こしています。引き続きご注意下さい。

■今月の感染症情報

 今年のインフルエンザ流行の規模はここ数年でもっとも大きなものになりました。主にA香港型の流行で、2月中旬からは下火になってきています。しかし、例年はA香港型に続いてAソ連型やB型インフルエンザの流行がおきることが多いので、もうしばらくは注意が必要です。

 乳幼児のインフルエンザでもっとも怖いのは脳症の合併です。今シーズンも1月中旬までに全国で51名の発症があり、うち6名の子どもたちが亡くなったという報告がありました。

 2月後半はインフルエンザの発生が少なくなるにつれて他の感染症も目立つようになりました。ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)、溶連菌感染症、水ぼうそう(水痘)などがそうです。これらは例年春先まで続きますので、引き続きご注意下さい。

 感染症ではありませんが、スギによる春の花粉症が2月下旬からすでに出ています。今年は例年より花粉の飛散量が少ないと予想されていますが、先月が暖かかったため、早く飛び始めたようです。花粉症の方は早めに対策をとっておいて下さい。

■お知らせ

●ワクチン・デイ
日本小児科医会などでは子どもたちへのワクチン接種をさらにすすめるために今年度から予防接種週間を設けました。平日にはなかなか受けられない方のために、当院では6日(土)に予防接種外来を実施します。定期接種が漏れている方や、任意接種をご希望の方はどうぞご利用下さい。(要予約)

●健診・予防接種専用電話のご案内
健診や予防接種の専用電話を設けました。予約のご連絡はフリーダイヤル0120-447709(無料)へどうぞ。(午前9時〜午後5時まで。水曜、土曜は午前のみ)

■当院から [感染症情報] を毎週お伝えしています

 TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:30〜
 上越有線放送=月曜18時〜
 ホームページにアップロード
 i-Mode携帯へ送信(無料、毎週末)

■今月の予定

院長出務
  上越市乳幼児健診 17日
  上越保健所未熟児相談 12日
  聖母保育園新入園児健診 3日
講義「子どもたちのかかりやすい病気の対処」
  清里村立清里保育園 17日
有線放送「健康ライフ」 18日朝6時-
FM-J「Dr.ジローのこども健康相談室」
  木曜午後2:15頃〜(76.1MHz)
JCV「子育て応援団・健康アドバイス」
 月、水、金曜午後2時〜(上越ケーブルテレビ)

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