2004年7月号(163号)   

 今年も半分が過ぎました。夏休みまであとわずか!
 今はジメジメして嫌な季節ですが、もう少しの辛抱ですね。

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 今月の話題
  ●出生率1.29ショック
  ●夏の健康管理にご注意下さい
  ●園や学校でも熱中症対策を
  ●保育園でのりんご病(伝染性紅斑)の対処
  ○感染症情報

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■出生率1.29ショック

 先日、昨年の出生率が1.29人と、過去最低になったことが報じられました。このままでは百年後に人口が半分になってしまうとか。日本の少子化が想像以上に進んでいることに驚いています。

 でも、どうして子どもが生まれないのでしょうか。日本には「子宝」という言い方があるように、子どもたちは家庭だけではなく、地域や社会の宝物でした。でも、今はどうも事情が違うようです。

 女性が結婚や出産、育児のために仕事を断念せざるをえない社会構造。男女平等とは名ばかりで、夫からも十分にサポートしてもらえず、妻だけが子育てを担っている現状。夫も家族で過ごす楽しみや、子どもと一緒に成長する喜びも味わえない「会社主義」の日本。

 「子育て支援」が流行語にさえなっていますが、どこかピントがずれていませんか? 女性が人として生きられる世の中を作ることが、最も大切なこと。結局は日本の社会構造を変えていかないといけないんでしょうね。

 折しも参議院選挙が行われています。そんな視点にたっての政策を打ち出しているところはありませんか?

■夏の健康管理にご注意下さい

 日差しも日増しに強くなってきました。夏は子どもたちにとって思いっきり遊べる季節です。でも、必ずしも過ごしやすいとは言えません。健康管理にいつも以上の注意が必要です。

 疲れやすいので、あまり夜更かしをせず、生活リズムを整えておきましょう。お昼寝も、幼児にとっては大切です。

 日差しの強い時は帽子をかぶり、日陰で過ごして下さい。子どもは熱中症になりやすいことを心得ていて下さい。

 日焼けもほどほどに。過剰な紫外線は有害です。UVカットのクリームなども子ども用の物が作られています。

 脱水になりやすいので、水分補給はこまめに。あまり甘くない飲み物がお勧め。食欲は多少は落ちてきます。暑いときにはそれが当たり前なので、バランスのよい食事をとれていれば十分。元気良くしていれば無理強いしないでいいですね。

 食中毒の起きやすい季節でもあります。食品の衛生管理にも十分配慮して下さい。

 汗をたっぷりかきますので、皮膚のトラブルもおこしがち。あせも(汗疹)やとびひ(膿痂疹)を予防するためにも、毎日の入浴以外に、昼間もシャワーを浴びたりして、肌がスベスベになるようにしておいて下さい。

 手足口病、プール熱(咽頭結膜熱)、ヘルパンギーナなどの夏特有の感染症もあります。お子さんの様子をよく見ていて下さい。

 事故にも注意が必要です。プールや海で溺れることのないよう、お子さんから目を離さず、小さい子は手を離さずにいて下さい。出かけることも多いので、交通事故も心配です。安全運転でお願いします。

 楽しい夏を、病気や事故で台無しになることのないよう、いろいろと気をつけていて下さい。そして、お子さんとすてきな思い出が残せるといいですね。

■園や学校でも熱中症対策を

 台風一過の青空が広がった今日一日でしたが、でも暑い一日でもありました。これで4日続けて、最高気温が30度を超える真夏日になりました。湿度も高く蒸し暑いお天気は、熱中症のリスク・ファクターです。どうぞお気をつけて下さい。

 このところ夕方になると、園や学校で具合が悪くなったといって来院する子どもたちが少なくありません。風邪や扁桃炎などの感染症で発熱している子もいますが、中には、どうも熱中症かな、という子もいます。何となく熱っぽく、顔色を悪くして、吐いたり吐き気を訴えているけれど、とくに喉が赤いわけでも、お腹を悪くしているわけでもない・・院内の涼しい中で少し休んでいたり、点滴をしたりしているうちに元の元気が戻ってくる、そんな子どもたちです。それって、熱中症の初期症状のようです。

 園や学校が、気候に合わせてエアコンを使ったり、十分な水分や休息をとらせているとは限りません。いや、むしろそうではないことが多いかもしれません。先日もある新聞で、「教室にエアコンをつけることは子どもたちを甘やかすだけだ!」などというカゲキな意見が載っていました。でも、健康を害するような環境に子どもたちをおくことは、それこそカゲキで危険なこと。発想を転換してほしいものです。

 もちろんただ甘やかすだけではありません。「適切な環境」を用意することが必要なのです。そのためにどうすればいいか、知恵とお金をちゃんと使ってほしいです。

 やはり今日のある新聞の投書に、「フランスでは子育てにそれほど苦労しない」とありました。教育費の負担も日本では高額ですが(大学を卒業させるまでに一千万円以上かかるとか)、フランスでは大学もただに近いとのこと。子どもの保育や教育を社会全体が支えている様子がよく分かります。何よりも、女性が結婚や出産・育児にとらわせず、継続して社会の中で仕事を続けることができ、生きる喜びを味わいながら生活していくことができるようになっているように思います。そんな社会なら、子育てが楽しいでしょうし、結果として子どもを産み育てるという選択をする人たちがまた増えてくることでしょう。

 話はそれましたが、これから暑さがより厳しい季節になります。お子さんの健康状態に対しても、園や学校での十分に配慮してあげてほしいと願っています。そして今年は、パチンコ屋の駐車場に置かれた車の中で、子どもが熱中症で死亡したなどという事件を起こさないように! よろしくお願いします。

 (当院ホームページ6月22日「日誌」より)

■保育園でのりんご病(伝染性紅斑)の対処

【質問】保育所で保育士をしています。今年の3月上旬から現在まで保育所でりんご病になる子が後を絶ちません。今年の3月から現在までずっと続いており、最近では“りんご病”で欠席する子が増えています。このまま、ずっと“りんご病”は流行り続けるものでしょうか?どのようにしたら、なくなるものでしょうか?(Sさん)

【回答】りんご病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。人から人への伝染力がありますので、確かに集団発生してしまいます。またワクチンはありませんので、積極的に予防することはできません。

頬や手足の発赤でりんご病であることに気づきますが、その時はすでにウイルスが体に少なくなったあとであり、伝染力はもう弱くなっています。発赤のでる1週間ほど前に伝染力がありますが、この時には小児では無症状ですので、「登園停止」にはできず、他の方の伝染を予防することはできません。

また、症状は発赤が1週間ほど続くこと以外には、発熱などがないのが大半であり、本人の様子がよければ普通生活でかまいません。

そういった意味合いで、積極的な予防法も治療法もなく、登園停止などの対処も不要です。みんながいずれかかってしまいますが、そのことを防ぐ必要はありませんし、不可能です。

大人がりんご病にかかると、発熱や関節痛などの症状がとても強く、さらに妊娠中であると流産等の危険があります。子どものうちにりんご病にかかるともうかかることはありませんので、大人になってかからないようにするという意味合いでは、子どものうちにりんご病にかかることは意味のあることです。

 (当院ホームページ6月25日「Q&A」より)

■お知らせ

●【予告】来月(8月)11日〜16日は恒例の夏休みをいただきます。この間はわたぼうし病児保育室もお休みになります。どうぞよろしくお願いします。

●院内には携帯電話の影響を受ける医療機器はありません。常識の範囲でご使用していただいてかまいません。診療の妨げにならないようマナーモードにし、話す時には他の方の迷惑にならないよう配慮して下さい。

■今月の感染症情報

 6月の前半はまだ春先の感染症が残っていましたが、後半はそれも下火になり、ようやく落ち着いてきました。

 とくにウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)、溶連菌感染症、水ぼうそう(水痘)の流行は4月ころからずっと続き、今年は例年を上回る規模でした。それらが少なくなる一方で、プール熱、ヘルパンギーナ、手足口病といった“夏かぜ”が次第に目立つようになってきています。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は若干の流行。当地域でははしか(麻疹)と風疹の発生はないようです。

 りんご病(伝染性紅斑)が少しずつ発生しています。ヒロパルボウイルスB19による感染症で、両頬と手足の発赤が主な症状で、子どもにとっては軽いものです。りんご病と気づいた時にはすでにウイルスは体の中から消えていて伝染力はありません。通常、登園(校)停止にはなりません。ただし、大人がかかると症状が重く、妊婦では流産・死産の危険もありますので、注意が必要です。

 風疹は他地域で小規模な流行があります。妊娠前半の女性がかかると「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが生まれる可能性があります。今年は全国ですでに4件の発生が報告されています。成人女性は風疹について十分にご注意下さい。

■当院から毎週【感染症情報】をお伝えしています

 □TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 □FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:45〜
 □上越有線放送=月曜18時〜
 □ホームページにアップロード
 □i-Mode携帯へ送信(無料、毎週末)

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