2004年8月号(164号)   

 暑中お見舞い申し上げます。

 今年は大変な猛暑。
 体調や事故に気をつけて、夏休みを最後まで楽しく過ごして下さい。

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 今月の話題
  
集中豪雨の中で・・
  
食中毒を防ぎましょう
  
思いやりのある市町村合併を
  
水いぼの対処
  
感染症情報

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■集中豪雨の中で・・

 先月は新潟、福島、福井で集中豪雨があり、大災害になりました。今年は世界各地で異常気象が起きているとのこと。地球の環境が急激に変化しているのかもしれないと思うと怖いです。

 私たち人間はいつのまにか、自然をコントロールしたり、時には改造できると思いこんでしまったようです。しかし本当は、人間は大きな自然の中に抱かれていることを、今回の害は教えています。

 被災者の方は、とても大きな挫折感を味わったことでしょう。でも、多くのボランティアの方が復旧のために汗を流したのは、救いになったのではないかと思います。人は自然と共に生きていると同時に、人々のネットワークの中で生活していることも、また事実です。

 被災された方々と地域が一日も早く復旧されることを願っています。

■食中毒を防ぎましょう

 夏は食中毒が心配。高温多湿の日本は細菌にとっては好都合です。食品の製造、流通、販売までの段階で問題が生じることもあるので、業者の側の衛生管理もしっかりとお願いしたいところです。そして、各家庭などでも細心の注意をすることで、食中毒をしっかりと防ぎましょう。

 食中毒予防の原則は「菌をつけない」「増やさない」「殺菌する」の3つです。具体的には次のような注意を守って下さい。

1 洗う
 調理前に手は石けんを使ってよく洗い、手拭きやタオルは清潔に。食材も、野菜などの生で食べる物はよく洗って下さい。

2 清潔に
 まな板や包丁は良く洗ったり、熱湯をかけたりして菌の付着を防ぎます。アルコールなどの除菌・殺菌剤も使用してみてください。

3 冷蔵庫
 冷たくしておくことで菌の繁殖は抑えますが、休んでいるだけで死滅するわけではありません。詰めすぎて十分に冷えなかったり、庫内が不潔になっていることで、かえって食中毒を招いてしまうこともあります。中を清潔にし、食品の整理を定期的にしたりと、気をつけて使って下さい。

4 加熱
 病原性大腸菌は75度1分間で死滅するなど、ほとんどの細菌は十分に加熱することで殺菌できます。しかし、食材によっては中まで火が通らないこともありますので、注意が必要です。なお、一度作られた毒素は加熱してもなくなりません。

5 早く
 時間をおくと細菌が増えていきます。調理後は常温で置いておくことはせず、できるだけ早く食べてしまうことも大切です。

 そして、体調が悪いと少ない細菌にも負けてしまったり、症状が強くなったりすることもあります。十分に休養をとるなど、体調を良くしておくことも、大切な食中毒の予防になります。

■思いやりのある市町村合併を

 上越市とその周辺の14市町村が、来年1月に合併します。市町村の数では全国一で、上越市への編入合併になります。行政の制度や住民へのサービスは、基本的には上越市が現在行っているものに統一されていきます。

 小児科医が関係するのは、健診や予防接種です。それぞれの市町村はこれまである程度独自にやっていたので、それを「上越方式」に統一するのはいろいろと問題があります。いきなり変えるのは、住民にとっても、医療機関や医師にとっても負担がとても大きいです。きっと大混乱になるでしょう。それなのに、合併当初から上越方式にすべて変えるという案が提示されました。これはまさに「激変」です。

 しかも合併は来年の1月ですから、最初の数か月は雪の中。山間部など、冬場の自然の厳しさを考えれば、制度を変えさえすればそれでいいとする姿勢は、生活している人たちのことをどれくらい分かっているの?と言いたくなります。

 また、乳幼児医療費助成についても議論になっています。上越市の制度では、外来は3歳までを対象にしていますが、それを上回る町村が5つあります(6歳の小学校入学前まで)。それらのところでは引き下げです。助成の対象になっていた4、5、6歳の幼児が、いきなり元の3割負担に戻ってしまいます。合併することが、少なくとも医療費助成についてはこれらの町村ではデメリットになります。ずいぶんと不満がでるでしょうね。

 医師会内では、こういった制度改革には一定の時間が必要だということで意見が一致しました。そして、その町村の地域性を十分に考慮して施策を作って行くべきだと。

 昨日は上越市の担当者と医師会との間で話し合いがもたれ、これらの点もよく理解していただきました。健診や予防接種では、近い将来に上越方式に統一するという方向性を確保しながら、しかし当面は従来の方法を大切にしていくという方針がだされました。また、乳幼児医療費助成については、予算上の問題はあるが、できるだけ早急に年齢の拡大をしていくとの方針がすでに確認されているということです(いつまでにどうするという数値目標がないので本当に大丈夫か心配ですが)。

 その場ではいろいろな議論がありましたが、私はとくに「合併して良かったと思えるような合併を!」「小さな町村の人たちへの思いやりをもって取り組んで欲しい」とお願いしました。あと5か月で新市の誕生です。残されている時間はもうあまりありませんが、その中で真摯な話し合いを続けることを切に望んでいます。

 (当院ホームページ7月29日「日誌」より)

■水いぼの対処

【質問】保育士をしている者です。水いぼについて、お尋ね致します。園では医療機関に行く事をお薦めしますが、病院によって対応の仕方が様々です。また、講演をお聞きしていても、いろいろなお考えの先生がいらっしゃり、プールの時期になると、いつも悩んでしまうところです。プールもokという事になると、感染の面からいってどうなんでしょうか。先生のお考えをお聞かせ下さい。(Tさん)

【回答】水いぼについては、じつは私たちも対応に苦慮しているところがあります。

 水いぼはウイルスの病気で、自分の体の中で次第に増えていくこともありますし、他の人に移してしまうこともあります。しかし、その伝染性はとても弱く、また、たとえ水いぼがあったとしても日常生活に差し支えるような症状はありませんので、「隔離」などはもちろん必要ありません。また、このウイルスに対する免疫が次第にできてくるために、いずれ自然に治癒します(その期間はまちまちですが、小学校の半ばには水いぼを持っている子はまずいなくなります)。

 他の人へ感染させるのは、裸どうしで接触するときですが、普通の保育園の生活で肌と肌が長時間触れ合っていることはありませんね。プールに入るときは裸に近い格好になるので、うつりやすいというイメージを持たれるかもしれません。実際、水いぼがあるとプールを禁止されるというお話をきいたことがあります。

 しかし、プールで水遊びをしているときも、ずっと肌を接触しているわけではありませんので、それだけで感染のおそれがあるのではありません。つまり、プールを禁止する必要はありません。

 ただし、ビート板や浮き輪を一緒に使うと、そこからはうつるおそれが無いわけではないので、それらは使わないか、個人用にしておいてください。

 医療機関での対応ですが、はっきりいってまちまちです。長い目で見ればいずれ自然に治っていくものですし、それほど大きな感染性をもってはいないので、何も処置しないということもあります。それに対し、増えていくこともあり、少しでも見つけたら早めに処置をすることもあります。

 私自身は、その中間でしょうか。水いぼが大きくて、赤みをもっているものは、中のウイルス量が多いので、増えたり感染させたりしやすく、数が少ないうちにとっておいた方がいいと思っています。小さいもので数がそれほど多くないときは、あまりとらないで経過をみていることもあります。

 また、季節による違いもありますが、夏場はとることが多く、冬場はそのままにしていることも多いようです。このほか、親御さんのリクエストがあれば少しでもとることがあります(その背後には、園の先生方のご意見もあるわけですが)。

 ということで、水いぼの対処が統一的ではない印象をもたれるのは、このような理由があります。ご理解いただければ幸いです。

 最後に、繰り返しですが、水いぼがあるというだけでプールを禁止するということはありませんので、園でのご配慮もお願いします。

 (当院ホームページ「Q&A」より)

■お知らせ

◆【休診のご案内】今月11日(水)〜16日(月)は夏休みをいただきます。この間、わたぼうし病児保育室もお休みです。ご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

◆今年のインフルエンザ予防接種は10月15日より行います。予約は例年通り専用電話で受け付けます(9月8日〜)。詳しくは8月下旬にお知らせします。

◆今年4月北海道で、額に貼った熱冷まし用シートが口と鼻を塞ぎ、4か月の赤ちゃんが窒息するという事故がありました。これからも同様の事故が起きる可能性があります。お子さんにこのシートを使うときは、目を離さないように注意して下さい。なお、医学的にはこのシートの効果は確認されておらず、子どもにとって必要な物ではありません。

■今月の感染症情報

 7月は感染症の大きな流行はありませんでした。

 いわゆる「夏かぜ」の中でヘルパンギーナが目立ちました。高熱と喉の痛みが強く、食事が摂りにくくなりますが、数日でよくなっていくウイルス性の感染症です。プール熱(咽頭結膜熱)や手足口病はほとんど見かけませんでした。しかし他の地域では流行していますので、注意をして下さい。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の流行は小規模ですんでいます。感染力が強くないため、園での感染拡大が一挙に進むことがないからです。

 水ぼうそう(水痘)、溶連菌感染症などの発生は少なくなりました。当地でははしか(麻疹)、風疹の発生はおきていません。

 気管支炎症状をともなうマイコプラズマ感染症をときどき見かけます。以前は4年に1回の大流行があり、「オリンピック肺炎」と呼ばれていましたが、最近は流行の山はとくになく、いつでも発生しています。熱よりも咳が強いのが特徴で、きちんと抗生物質を使って治療しないと咳がとても長びきます。

 暑い季節なので熱中症、あせも(汗疹)、とびひ(膿痂疹)などの予防をしっかりと。食中毒も発生しやすいので、食品の衛生管理に注意していて下さい。

■当院から毎週【感染症情報】をお伝えしています

 □TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 □FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:45〜
 □上越有線放送=月曜18時〜 (吉川有線放送でもお聞きいただけます)
 □ホームページにアップロード
 □i-Mode携帯へ送信(無料、毎週末)

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