2004年9月号(165号)   

 まれにみる猛暑の夏もやっと終わり、これからは次第に過ごしやすくなります。

 秋は、一年で一番落ち着いている季節かもしれません。体力も知力も、子どもたちといっしょに充実させたいですね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 今月の話題
  ●オリンピックが残したもの
  ●【子どもの救急(1)】咳が出るとき
  ●入園当初の繰り返す風邪
  ○感染症情報

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■オリンピックが残したもの

 多くの感動を残しながら、アテネ・オリンピックが終わりました。日本勢の活躍にはめざましいものがあり、ついテレビに釘付けの毎日でした。

 若い人たちがこんなにも立派に育ってきたのかと思うと、メダルの数以上に嬉しいです。どちらかと言うと日本人は自分に自信がなく、ここ一番というところで実力が発揮できないと思っていたのですが、そうではない若者たちがいっぱい成長しているんですね。

 「精神論」「根性論」に振り回されることなく、きちんとスポーツに向かいあっている姿勢を見ると、日本もずいぶんと変わったんだなという思いを強くしました。

 オリンピック選手になってメダルを獲得できるのはごく一部の人ですが、それをめざして多くの子どもたちが希望をもって生きていけるとしたら、こんな素晴らしい贈り物はありません。

 自分のもつ力を信じ、明日を夢見て成長を続ける子どもたちを、大人である私たちはちゃんと応援していきたいと思います。

■【子どもの救急(1)】咳が出るとき

 咳(せき)は気管支が刺激されて出る反応。ウイルスや細菌が入り込んで気管支粘膜の炎症を起こしていると、それが刺激になって咳が出ます。痰や異物を体の外に出そうという反応なので、もともとは正常で必要なものです。

 しかし、咳の程度が強すぎて、夜眠れなかったり、咳き込んで吐くようだと心配ですし、呼吸状態が悪ければ問題です。咳を静めてあげたり、呼吸状態を良くすることが必要になります。

 咳には「乾いた咳」と「湿った咳」があります。痰が多く含まれていると湿った咳になりますので、痰を少なくしたり、ドロッとしている痰をサラッとさせる薬も使います(去痰薬や気管支拡張薬)。

 熱があるときには感染症によるものが考えられます。高熱が続くと気管支炎や肺炎も心配です。呼吸状態が悪いようなら、早めに受診して下さい。

 喘息の時にも咳はでます。しかし、気管支が狭くなるので、ゼーゼーという音をしながら呼吸するのが基本で、咳のない場合もあるので見誤らないようにしないといけません。

 特徴的な咳が出るものとしては百日咳があります。とても強い咳が数か月続く病気ですが、咳き込んで吐いたり、息を吸うことができないほど強い咳発作を起こします。とくに赤ちゃんは、咳の時にそのまま呼吸を止めてしまうこともあります。

 咳の対処としては、まずは、どうして咳が出ているのかを見極めることが大切です。その上で、いくつかのことを行ってみて下さい。まずは室内の温度と湿度を過ごしやすいように調整します。咳でつらそうな時は立て抱きにして、背中を軽く叩いたり、リズミカルにさすってあげたりすると楽になるかもしれません。水分を十分にとると、痰が軟らかくなって出やすくなります。

 咳は夜間の方が強くなりがちです。本人の様子が具合良さそうであれば慌てず、ゆっくりと過ごして下さい。咳が長びいたり、熱などの他の症状があれば、翌日に受診をして下さい。

 もしもぐったりして呼吸困難を起こしているようなら、夜間でも急いでの受診が必要でしょう。窒息やけいれんなど、重い症状があるときには救急車の出番かもしれません。

■入園当初の繰り返す風邪

【ご質問】今年の春から保育園へ通い始めました。ところが、入園してすぐに風邪をひくように。一ヶ月に2〜3回はひきます。そして治るまでに最低一週間はかかります。風邪にかかるときまってひどい咳と鼻水、鼻づまりという症状が出ます。常にくしゃみ鼻詰まり咳が出ている感じです。風邪をひくたびに咳などが出るのは体質でしょうか? 一度アレルギー検査をしたほうが良いですか? 大きくなると丈夫になるでしょうか? あまりにひどいので、保育園をやめたほうが良いかな?と考えてしまいます。(Yさん)

【答え】初めて保育園に通い出すと、風邪などの感染症にかかりやすくなります。子どもたちの集団の中にはたえずいろんなウイルスや細菌が“充満”しているからです。半年ほどそんな状況が続き、それ以降、次第に風邪などをひかなくなっていくものです。あまり症状が強かったりすると心配でしょうが、そのたびに丁寧に治しておくことが肝心です。

 気管支が弱く、風邪などの感染症にかかると痰のからんだ湿った咳や、喘鳴が出やすい子も多く見かけます。気管支拡張薬、去痰薬などを使うわけですが、時には続けて使用することが必要になります。

 気管支喘息の体質があるようでしたら、喘息の治療を同時に行っていかなければいけないです。気管支が弱いだけで、たまたま喘息のような状態になりやすいだけであれば、年齢が大きくなると次第に喘鳴などの症状が出なくなっていきます。

 アレルギー検査は喘息の診断にある程度役立ちますが、絶対に必要なものではありません。検査をするべきかどうかは、主治医の先生のご意見を聞いてみて下さい。

          (医院ホームページ「Q&A」より)

■お知らせ

◆今年もインフルエンザ予防接種を10月15日より行います。それに先だって予約を専用電話で受け付けます。できるだけ多くの方に受けていただきたいと考え、今年も土曜午後に専用外来を特設しました。どうぞご利用下さい。

 《インフルエンザ予防接種予約受付のご案内》
今月8日(水)午後1時より電話での予約受付を開始します。フリーダイヤル0120-447709へどうぞ(無料)。初日は午後5時まで、以後は午前9〜午後5時までです(水、土は12時まで)。

■感染症情報

 今年の夏はまれにみる猛暑でした。そのためあせも(汗疹)、とびひ(膿痂疹)などといった皮膚のトラブルがとても多かったです。

 一方で、あまり大きな感染症の流行がなかったのは幸いでした。いわゆる夏かぜの中でヘルパンギーナが7月には多かったのですが、8月はそれも少なくなりました。プール熱(咽頭結膜熱)や手足口病もほとんど発生がありませんでした。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は夏休みを通じて患者発生がありました。2学期以降も園などでの流行は続くのではないかと思います。合併症として髄膜炎が多発しますし、成人では副睾丸炎や卵巣炎などの合併も少なくありません。ワクチンで確実に予防できますので、まだかかっていない方はぜひ受けて下さい(大人の方もどうぞ)。

 水ぼうそう(水痘)、溶連菌感染症は若干の発生、はしか(麻疹)、風疹などの発生はありませんでした。

 気管支炎症状をおこすマイコプラズマ感染症をときどき見かけます。熱よりも咳が強いのが特徴で、きちんと抗生物質を使って治療しないと咳がとても長びきます。注意していて下さい。

■当院から毎週【感染症情報】をお伝えしています

 □TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 □FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:45〜
 □上越有線放送=月曜18時〜 (吉川有線放送でもお聞きいただけます)
 □ホームページにアップロード
 □i-Mode携帯へ送信(無料、毎週末)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(画面の左にフレームがない方)
ホームページのトップへ