2004年10月号(166号)   

 今年は台風の当たり年。お盆ころから多くの台風が日本を襲い、各地で大きな被害が出てしまいました。

 喘息発作もおこしやすい気候が続き、大変な季節をおくっている子どもたちも多いです。

 早く秋晴れの空を見上げたいですね。

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 今月の話題
  ●インフルエンザ対策は危機管理
  ●【子どもの救急(2)】熱が出たとき
  ●インフルエンザ最新情報
  ○感染症情報

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■インフルエンザ対策は危機管理

 昨シーズン、アメリカではインフルエンザ大流行し、パニックがおきました。アメリカでは予防接種は高齢者などだけに行われていましたが、そのためか多くの乳幼児が罹患し、亡くなる子どもたちも少なくありませんでした。

 わが子をインフルエンザから守ろうとワクチンを求めて長い列を作っていたニュース映像を、覚えておられることでしょう。

 そのアメリカでは、今シーズンから乳幼児もワクチンを必ず受けるものとされました。さらに、小さな子どもがいる家庭では、親も上の子もが接種を受け、家の中にインフルエンザを持ち込まないようにすることも決められました。

 インフルエンザはとても重い症状をもたらし、毎年必ず流行する感染症です。日本では小児の脳症も心配です。そしてここ数年、多くの子どもたちが予防接種を受けるようになりましたが、しかし国の制度が整わず、希望者だけが自費で受ける任意接種のままです。本当に子どもたちの命を守ろうとする気持ちがあるのか、疑問です。

 アメリカがインフルエンザ対策を「危機管理」として取り組んでいることを、日本も見習ってほしいものです。

■【子どもの救急(2)】熱が出たとき

 乳幼児は体温を調節する働きが弱く、ちょっとしたことで体温が上昇します。おかしいなと思ったら、まずは室温が高かったり、衣服を着すぎたりしていないかどうか、確かめて下さい。また、運動したあとや眠くなったときも少し体温が上がります。

 発熱の大まかな目安は、乳幼児が37.5度以上、学童以降が37度以上で、年齢が小さいほど体温は高めです。また個人差もずいぶんありますので、その子の平熱をあらかじめ知っておくことはとても大切です。平熱よりも0.5度以上高いと要注意、1度以上高いときには発熱だと考えて対処して下さい。

 発熱の原因の大半は感染症によるものです。ウイルスや細菌が入り込んでくると、体温を上昇させてそれらの繁殖を抑えようとします。つまり発熱は体の防御反応であり、それだけで心配だということではありません。40度くらいまでは自分の脳でコントロールして体温を上げていると考えられます。

 その意味では、感染症が良くなれば熱は出なくなるので、むやみに解熱薬を使う必要はありません。

 脱水状態では熱が下がりにくいです。体調が悪く食欲も落ちているでしょうが、水分は少しずつでもきちんととる必要があります。

 子どもの病気で心配なのは、熱の高さよりもその子の様子です。ぐったりしている、顔色がとても青白い、苦しくてもだえているなど、全身状態が悪い時には早めの対応が必要です。

 また、嘔吐を繰り返したり、意識がなかったり、けいれんをおこしているときには緊急性があります。

 なお、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は、はっきりした症状がなくても重い感染症が心配ですので、至急受診をして下さい。

 ご家庭での対処は、お子さんが一番心地よいようにしてあげることです。熱の上がりかけで寒気がある時にはあたためてあげて下さい。熱が上がりきると暑がるようになります。そうしたら衣服をゆるめたり、室温を下げたりして、涼しくしてあげて下さい。

 熱冷ましの薬は原因の病気を治すわけではありませんが、熱のためにつらいようでしたら臨時に使ってあげても良いです。また熱冷まし用の粘着シートはおでこを冷やして気持ちよくしてくれますが、熱を下げる働きはありません。

■インフルエンザ最新情報

◆インフルエンザは毎年冬場に必ず流行する感染症です。その流行の規模や症状の程度などは、あらゆる感染症の中でもっとも恐ろしいものです。多くの方にワクチン接種を受けていただき、症状を軽くすませたり、流行の規模を大きくしないようにしてほしいと願っています。

◆制度の変更はまだありません。65歳以上の高齢者には公費による補助がありますが、子どもや成人などは任意接種(自費)で受けていただいています。

◆今シーズンのインフルエンザ予防接種は、例年通り10月中旬より始まります。13歳未満は2回(1〜4週間隔)、13歳以上は1〜2回の接種が必要で、11月中か、遅くても年内にはすませて下さい。ワクチンにはA香港型、Aソ連型、B型の3つが含まれ、今シーズンの流行予測にあったものに変更されています。

◆今年のインフルエンザ・ワクチン供給量は1,997万本になるとのことです。昨シーズンは1,463万本使用されましたので、約4割の増加になります。また100万本はメーカーが融通用として保管することになりました。昨年は地域による片寄りがあり、接種を希望していても受けられない事態もありました。今シーズンはこの点では大幅に改善される見通しです。

◆昨シーズン、アメリカではインフルエンザが大流行し、143人の小児が死亡しました。このため、今シーズンからは生後6か月〜2歳未満の乳幼児をワクチン接種の推奨対象に加えることになりました。また、生後0〜2歳未満の乳幼児に密接に接触する家族なども対象です。昨年の反省をふまえて、これまで「子どものは不要」とされていたアメリカでは、制度が一挙に変わりました。

■お知らせ

◆インフルエンザ予防接種・予約受け付け中

今月15日よりインフルエンザ予防接種が始まります。現在予約を受付中です。フリーダイヤル0120-447709へどうぞ(無料)。午前9時〜午後5時まで(水、土は12時まで)。ご希望の方は早めにご連絡下さい。

■感染症情報

 10月に入り、少し秋風が吹き始めました。これからは朝夕の気温が下がっていきます。風邪など多くなりますので、注意していて下さい。

 9月はまだ感染症の発生は全般的に少なかったです。

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は少しずつ発生していました。春から穏やかな流行が続いていますが、もうしばらく続くでしょう。ワクチンで予防できます。

 気管支炎症状をおこすマイコプラズマ感染症をまだ見かけます。咳がとても強く、長びくことがよくあります。

 水ぼうそう(水痘)、溶連菌感染症は若干の発生でしたが、寒い季節には流行しますので、注意が必要です。全国的に問題になっているはしか(麻疹)、風疹などの発生は当地ではありませんでした。

■当院から毎週【感染症情報】をお伝えしています

 □TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 □FM−J(エフエム上越76.1MHz)=金曜13:45〜
 □上越有線放送=月曜18時〜 (吉川有線放送でもお聞きいただけます)
 □ホームページにアップロード
 □i-Mode携帯へ送信(無料、毎週末)

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