2005年7月号(175号)   

 北陸地方は例年よりとても遅く梅雨入りしましたが、そのとたんに大雨。
 自然はきまぐれなものですね。
 今年はお天気に振り回されているような気がします。

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 今月の話題

  ●新しい園の生活には慣れましたか?
  ●【子どもの救急(7)】熱中症
  ●HPの訂正
  ●統計から見たわたぼうし病児保育室(3)
  ○感染症情報
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■新しい園の生活には慣れましたか?

 新学年が始まって数か月がたちました。新しく園や学校に入った子どもたちはもうすっかり慣れたことでしょうね。でも「風邪ばっかりひいて、しょっちゅう休んでいる」などと困っている親御さんも少なくないようです。

 子どもが初めて集団生活に入ると、いろんな感染症にかかりやすくなります。風邪を繰り返したり、扁桃炎、気管支炎、下痢、中耳炎とさまざま。そこにはいろんな病原体がいるからです。

 ワクチンで予防できるものもありますが、限られています。そうなると、かかるのもある程度仕方ないことといえます。

 大切なのはその時々できちんと治すこと。次第に抵抗力がついてきて、感染症にかかりにくくなっていくことでしょう。「病気にかかるほど、体は丈夫になる」のは本当です。

 生活環境も家庭中心から一転しています。子どもにとってはとても大きな社会の中にいるわけで、緊張感もストレスもそうとう強いです。

 そんなこんなで大変な一学期を過ごしてこられた方々も、これからは落ち着いてくることでしょう。早く園の生活をお子さんと一緒に楽しめるようになるといいですね。

■【子どもの救急(7)】熱中症

 これからの暑い季節は、熱中症に気をつけていて下さい。すでに6月にも気温の高い日にはそうとう発生しています。真夏でさらに暑さの厳しいときにはしっかり予防をしていてほしいものです。

 熱中症はよぶんな熱が体の中にこもってしまった状態。体温調整が未熟で、自分では衣服や環境温度の調整ができない乳幼児では、簡単におきてしまいがちです。

 炎天下の屋外ではもちろんですが、蒸し暑い室内でもおきてしまうことがあります。
予防は何といっても涼しい環境においてあげること。太陽が真上にある時間帯(午前10時〜午後2時くらい)は、できれば外出をさけるようにしましょう。外出するときには日よけになる帽子をかぶり、日陰・木陰で過ごして下さい。

 ベビーカーの中は密閉状態。日よけをつけ、風通しをよくしないと「蒸し風呂」になってしまいます。自動車の中に子どもだけを残しているおくのは犯罪です。けっしてしないようにお願いします。

 海水浴のシーズンですが、太陽が横からさす午前中の早い時間か、夕方に行くことをおすすめします。
水分不足も禁物。うすい麦茶やスポーツ飲料などをとりながら過ごして下さい(あまり甘すぎないものを)。

 お子さんの様子をよく見守ることも大切です。もしも顔色が悪く、ぐったりしているようなら熱中症の可能性があります。涼しいところで休ませ、水分をあたえて下さい。具合が良くなれば、もう大丈夫。

 しかし、元気のない状態が続いていたり、意識がはっきりせず、ぐったりしているときには一大事! 救急車ですぐに病院に向かって下さい。

 熱中症はときには死に至ることもあります。夏場の過ごし方に注意をして、熱中症にならないようにして下さい。また、もし熱中症が心配な様子がみられたら一刻も早く的確な対処が必要です。

 お子さんを暑さから守り、楽しく夏を過ごして下さい。

■HPの訂正

 あるお読者の方から次のような指摘をいただきました。
----「先日、おたふくかぜの予防接種を受け、翌日から接種部位周辺が直径4cm程赤く腫れました。こちらのHPを閲覧させていただいたところ、”注射したところが赤くなったり、はれたりすることは、ありません。”とありました。しかし、かかりつけの小児科で診察を受けたところ、まれではあるが、こういった副反応が起こる事があると説明を受けました。混乱を招く上記の記載は、削除、または、変更されたほうがいいかと思います。」

 それに対しての私の返答です。
----「ワクチンの中では『不活化ワクチン』は、接種部位が腫れやすい性質をもっています。それに対して、『生ワクチン』はそれほど腫れが問題になることはありません。確かに『絶対にない』とは言えませんが、ご指摘のように「まれな副反応」とされているものです。また、ワクチンの成分に対する反応で腫れる以外に、消毒に対する反応や、接種後に強く揉むことで腫れてくることなどもあります。

 いずれにせよ、HP内の記述は一般的なものを書いていますので、すべてのことを網羅して書いてはいません。個々のお子さんのことについては、今回のように主治医の先生によく診てもらうことが大切です。

 当方のHPの記述が原因で無用な心配をおかけしたとのことですが、今後は以上のことも考慮していただきながら、参考にしていただければ幸いです。」

 HP中の記述が不正確だというご指摘です。返事の中にも書きましたが、すべてのことを網羅して記述することは不可能です。小児科学の知識を完全に提供すべきだとしたら、小児科の分厚い教科書をそのまま使ってもまだ足りないでしょう。

 このHPは、一般の方に分かりやすく小児科の情報を提供するようにしていますので、ある程度はものごとを単純化したり、省略したりしながら記述しています。それがこのHPの特徴です。

 しかし正確さも必要です。そのあたりのかねあいは実際にはむずかしいですね。原則や基本をHPから知っていただき、個別のことはそれらをもとに考え、判断してほしいと思います。

 とはいえ、“間違い”を指摘されていますので、さっそく対応いたしました。
「赤くなったり、はれたりすることは、ありません」→「赤くなったり、はれたりすることはほとんどありません」

 これもなんだかいやらしい表現です。無用の誤解を生まないように、というよりも、へんに突っ込まれないようにしているだけのよう。役人のような文章。私が好まない表現になってしまいました。・・まあ、それも仕方ないのでしょうね。

           (6月10日HP「日誌」より)

■統計から見たわたぼうし病児保育室(3)

 利用者を「病児」(急性期の病気の子)と「病後児」(回復期の子)に分けてみました。昨年度は3分の2が急性期の病児でした(67.1%)。

 子どもの病気はその大部分が急におきます。熱や咳、嘔吐や下痢などといった症状が急に始まり、園を休むことになるのは、日常茶飯事。いっぽうで大人は、急な事態にはなかなか対処できません。とくに仕事をしていると、急に休みをとるのは容易ではありません。

 その結果、小さな子どもをかかえて仕事をするのには、とくに子どもが急に病気になることを考えると、難しいものです。子どものためにも、働く親御さんのためにも、急性期の病児保育こそ必要だと言えます。

■お知らせ

◆日本脳炎の予防接種が中止されています。これまでのワクチンに副作用の心配があるということからです。新しいワクチンができるとまた再開されますので、それまでお待ち下さい(数年はかかるでしょう)。なお、東南アジアへ行くなど、特別な理由がある方への接種はできますので、お申し出下さい。

◆5月に開催した「子育てフォーラム」の講演内容が上越ケーブルビジョンで放映されました。そのビデオ(DVD)がありますので、ご覧になりたい方は受付にお申し出下さい。

◆【予告】恒例の夏休みを、来月にいただきます。8月11日(木)〜16日(火)です。この間はわたぼうし病児保育室もお休みになります。どうぞご承知おき下さい。 

■感染症情報

 先月(6月)は目立った感染症の流行はおきていませんでした。

 春先から多かったウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)も順調に少なくなりました。嘔吐や下痢といったお腹をこわす病気として、これからの季節は食中毒が多くなります。食品の衛生管理には十分に気をつけていて下さい。

 水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は園によって小規模の流行がおきています。ワクチン接種を受けておくと、かからないか、かかっても軽くすませることができます。
溶連菌感染症は少しずつ発生しています。マイコプラズマ感染症(気管支炎)も、園や学校によっては流行しています。

 麻疹、風疹の患者発生はありませんでした。

 暑い季節は「夏かぜ」が多くなります。手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱(咽頭結膜熱)がその代表です。手足口病以外は症状が強く、登園(校)停止になります。園や学校での発生の情報に気をつけていて下さい。

■当院から毎週【感染症情報】をお伝えしています

 □TEL025-544-7722(無料、毎週末に更新)
 □ホームページにアップロード
 □i-Mode携帯へ送信(無料、毎週末)

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