2006年3月号(183号)   

 数十年ぶりの豪雪に悩まされた冬がようやく終わり、もうすぐ春が来ようとしています。

 これほど春の訪れが待ち遠しかった年はなかったかもしれません。暖かな日差しがまぶしいですね。

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 今月の話題
  ● オリンピックとイタリア人気質
  ●【子どもの救急(14)】皮膚のトラブル
  ●時間外電話相談が好評です
  ●入園前の準備にワクチンも
  ●感染症情報

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■オリンピックとイタリア人気質

 冬季オリンピックが開催されました。世界のスーパープレーヤーたちの見事な競技を見ることができ、とても楽しい2週間を過ごすことができました。

 日本では荒川静香選手がフィギュアで金メダルをとりました。おめでとうございました。残念ながらメダルをとれなかったり、入賞できなかった選手も多かったですが、それなりに皆さん頑張っていたのだと思います。その労をねぎらいたいと思います。

 荒川選手に対しては多くの観客がスタンディングオーべーションで、彼女のすばらしい演技に惜しみない声援をおくっていました。その様子を見ていて、自然と涙が出てきました。違う国の選手であっても、素晴らしいプレーを素直に賞賛する気持ちが嬉しかったです。

 ところで、会場の工事は開会式の直前になっても完了しないとさかんに報道されていました。でも、いつのまにか素晴らしい競技場が作られ、運営されました。「大丈夫だよ」とイタリアの人たちが明るく語っていたとおりでした。

 日本人のきまじめさは良い面ではありますが、度が過ぎると形だけを気にしたり、周囲とのかねあいから消極的になったりしてしまいます。そして、うまくいかないとすぐ否定的になることも少なくありません。

 前向きで、肯定的に考えられるイタリアの人たちがうらやましく感じられました。彼らの生き方を少しはマネしてみたいものです。(やっぱり無理かな?)

■【子どもの救急(14)】皮膚のトラブル

 子どもの病気の中で、皮膚に何かのサインがでるものは少なくありません。そのため、皮膚のトラブルによる時間外の受診もよくあります。

 麻疹(はしか)、風疹、水痘(水ぼうそう)などの感染症の時にみられる発疹(ほっしん)は特徴的で、それを見るだけで診断がつきます。湿疹としては汗疹(あせも)、おむつかぶれ、蕁麻疹(じんましん)、膿痂疹(とびひ)などもあります。アトピー性皮膚炎のような慢性の病気でも、急に悪化することもあります。

 いずれの発疹や湿疹の大半はかゆみがあり、子どもにとっては苦痛の原因になります。その場の対処はかゆみをとってあげることが大切です。

 皮膚のかゆみは、皮膚が温かくなるとよけいに強くなります。お風呂上がり、暑いところにいた時、食事の直後、眠くなった時など、皮膚の血流が多くなり、皮膚が温かくなると同時にかゆみがさらにひどくなります。こんな時は皮膚を冷やすようにしてみて下さい。衣服を薄着にしたり、暖房のない部屋にいったり(夏場ではクーラーを使ったり)、冷たいタオルで皮膚を冷やしたりと、子どもが嫌がらない範囲で工夫をしてみましょう。

 お風呂はお子さんの具合が良ければ問題なく入れることが多いです。汗疹や膿痂疹などでは皮膚を清潔にすることが治療の第一歩になることもあります。しかし、入浴によって皮膚が温まるとかゆみが増してきますので、ぬるめのお湯で手早く入るのがコツです。夏場ではシャワーだけでも効果がありますし、赤ちゃんはおしりの清潔にも注意をしていて下さい。

 食べ物は体が温まるようなものは避けた方が良いでしょう。熱い物や辛い物がそうです。また、脂っこい物もあとで皮膚のかゆみが強くなることがあります(とくに蕁麻疹)。

 皮膚のトラブルは緊急の受診が必要なものは少ないのですが、程度の強い蕁麻疹は注意が必要です。とくに目が腫れていたり、喉をかゆがっているようですと、粘膜の変化も強いので、喉の炎症がいっしょにある可能性があります。咳き込んでいたり、呼吸の仕方がつらそうなら、最悪の場合は窒息の可能性もありますので、急いで受診をして下さい。
 
また、皮膚のことだけではなく、熱、咳、機嫌、元気さ、食事など、お子さんの様子を良くみていただき、何か心配なことがあれば早めに対処するようにお願いします。

■時間外電話相談が好評です

 先月から当院では独自に「時間外電話相談」を行っています。医院の診療時間以外のすべてをカバーして、専任のスタッフが電話でご相談に応じています。2月は80数件の利用がありました。1日あたり3件になります。まだ始めたばかりのサービスですが、その利用の多さに驚いています。

 利用者からは「水曜の夕方、子どもがいきなり高熱を出しました。・・子どもの様子を聞いてアドバイスをいただきました。やさしく対応していただき、それだけで安心を得ました。」「いつも先生に悪いなと思いながら電話しているので、この電話相談はとても助かります。」といった声も寄せられています。

 相談員からの連絡で院長が直接電話でお話したことが何件かありました。幸い緊急性がなく、電話での指導ですみました。

 子どもの病気は急に始まるものがほとんど。親御さんが心配になったときに、いつでも、必ず対応できることが「時間外電話相談」の利点です。これからも内容をさらに充実させ、安心して子育てができるよう応援していきます。

■入園前の準備にワクチンも

 この四月から新たに保育園に入るというお子さんも多いことでしょう。入園のためのいろんな準備で忙しいと思いますが、ぜひ考えてほしいものに予防接種があります。

 子どもたちは集団での生活が始まるといろんな病気をもらってしまい、入園当初は休みがちになることがよくあります。風邪などが多いのですが、麻疹(はしか)、風疹、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などは、あらかじめワクチン接種を受けてあれば、十分に予防できます。

 とくに麻疹は命にかかわるような重い病気ですし、一人でも麻疹患者がでると、その周囲にいる乳児などに次々に感染させてしまうこともあります。一歳になったらすぐに予防接種を受けることになっていますが、ちゃんとすませてありますか? 必ず母子手帳で確認し、もしまだの方は必ず受けておいてください。

 水ぼうそうとおたふくのワクチンは任意接種ですが、受けておくメリットは十分にあります。費用は自己負担ですが、お子さんが病気にかかることを考えると、お金にかえられないと思います。

 また、生活のリズムは大丈夫ですか。大人の都合で「夜更かし・朝寝坊」になっている子どもたちが増えているようです。

 もしお子さんがそうでしたら、入園前に少しでも生活リズムを切り替えるようにしてみてください。朝は眠そうにしていてもキチンとおこし、朝食や身支度もちゃんとしましょう。昼間、体をしっかり動かしていると夜は早く眠くなることでしょう。
 
入園してから急に替えるのは大変ですので、今から少しずつ早起きに慣らしていって下さい。

■感染症情報

 心配していたインフルエンザの流行は今年は小規模ですんだようです。例年よりやや早く1月中旬より流行が始まりましたが、下旬にピークを迎え、その後2月は次第に発生が少なくなってきました。このままいくと、3月の早い時期に終息するのではないかと思います。(春先に流行することの多いB型は昨年に大流行したため、今年はほとんど発生していません。)

 ウイルス性胃腸炎が今年は真冬になっても流行が続きましたが、2月中旬より下火に向かっています。しかし春先までは発生しやすいので注意をしていて下さい。

 水ぼうそう(水痘)、溶連菌感染症の発生が増加していました。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はいくつかの園で小さな流行を繰り返しています。麻疹、風疹の患者発生はありませんでした。

 感染症ではありませんが、春先は花粉症の多くなる季節です。子どもでも珍しくなくなっています。どうぞご注意下さい。

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