2006年4月号(184号)   

 雪国にとって待ち遠しかった春がやっと訪れようとしています。

 それにしても今年の冬は厳しかったですね。3月の終わりになってまた雪が降ったのにも驚きました。

 もうすぐ当地にも桜前線がやってくることでしょう。楽しみです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 今月の話題
  ● 新生活スタート
  ●【子どもの救急(15)】咳のでるとき
  ●【院内迅速検査(1)】CRP
  ●病児保育室の利用状況
  ●防犯カメラ設置
  ●感染症情報

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■新生活スタート

 新しい生活のスタートが、この四月の特徴です。大人だけではなく、子どもたちも環境の変化にとまどうことでしょう。

 とくに初めて集団生活に加わる幼児の場合は「激変」と言えるかもしれません。小学校に入学する子どもたちにとっても、やはりとまどいは大きいのではないかと思います。

 まずは生活リズムを整えて、朝しっかり目をさまして登園、登校ができるようにさせて下さい。そのためには夜は早めに休むことも必要です。

 また、新しい生活で疲れてくる子どもたちのために、家庭ではゆっくりと過ごさせてほしいと思います。親御さんにたっぷりと甘えさせてあげることで、放電したパワーを充電させることができるでしょう。

 大切なのは、自分が大人たちから受け入れられ、大切にされているという実感です。それを感じることが自信につながりますし、しっかりと生きていけるパワーになっていくものです。

■【子どもの救急(15)】咳がでるとき

 咳は主に風邪や気管支炎などの感染症のときに出ます。とくに痰が多くなってくると、痰を外に出そうとして湿った咳が多くなります。こういった咳は、夜間や睡眠時に強くなりがちです。

 また、感染症によって特有な咳の仕方があります。百日咳では夜中や朝方に激しい咳が続く「咳発作」をおこします(その途中の息が吸えなくなります)。クループという病気では、声がかれて喉の痛そうなケンケン咳が特徴です。

 気管支粘膜が刺激されても咳が出ます。例えば異物やほこりを吸い込んだり、温度差の大きな空気を急に吸い込むなどがそうです。

 咳というのは気管支の中を正常な状態に戻そうとする反応ですので、体にとってただちに有害な症状とは言えません。しかし、咳の程度が強く、睡眠を妨げたり、食べ物がとれないようなことが起きているようですと、やはり咳を軽くしてあげる必要があります。

 咳がひどいときには、まずは室温や湿度のチェックを。心地よい温かさに加えて、湿度は多めにした方が楽になるでしょう。立てだきにして背中をさすったり、軽くたたいたりもしてあげて下さい。脱水になると痰が固くなって出にくくなりますので、水分は少しずつでもとらせて下さい。

 夜の咳が強かったときには、翌日以降に小児科を受診し、必要な治療を受けて下さい。

■【院内迅速検査(1)】CRP

 CRPは通常は血液中にないタンパク質ですが、炎症反応によって体の組織が壊れると増えてきます。その数字によって病気の重症度を知ることができます。

 小児科で炎症反応の強くなる病気の代表は感染症です。風邪から扁桃炎、気管支炎、肺炎などをおこすと、CRPは高い数字になっていきます。また、これらの感染症が治ってくると数字が小さくなり、病気の経過をみるのに役立ちます。

■検査値の目安(単位はmg/dl)
・0.0〜0.9:正常
・1.0〜1.9:やや増加
・2.0〜9.9:中等度の増加
・10.0〜 :高度の増加

  ※CRP:C反応性タンパク(C-reactive protein)

■病児保育室の利用状況

 わたぼうし病児保育室は2001年6月の開設からもうすぐ5周年を迎えます。

 利用者は年々増え、昨年度は延べ1,350名の子どもたちをお預かりしました(1日あたり5.6名)。これは全国の施設の中でも、トップクラスの利用数になります。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

【データ】
 年度/年間利用数/1日あたり利用数
 13年度/157名/0.8名
 14年度/622名/2.6名
 15年度/697名/2.9名
 16年度/1,154名/4.8名
 17年度/1.350名/5.6名 

■防犯カメラ設置

 今週から当院は防犯カメラを設置し、運用を始めました。出入り口(3か所)のほか、医院駐車場、院内の主要なところにカメラがあり、常時モニターしています。たえず職員がその画面を見られるようにしてあるほか、その映像はすべて記録され、一定期間保存しておきます。

 目的は、「犯罪や事故・事件の防止」です。医院には不特定多数の方が出入りするので、トラブルがおきることも一応想定しておかなくてはいけないでしょう。小児科医院ですので、来院者は子どもや女性が大半をしめます。職員もほとんどが女性です。けっして人を信用しないわけではありませんが、残念ながら悪意をもって何かをたくらむ者がゼロだとはいえません。むしろ、一定の確率で存在すると考えておくべきです。トラブルが起きてからでは遅いので、あらかじめそれを予防する必要があります。その一つが「防犯カメラ」です。

 常時、人の出入りがモニターされ、記録されていることを周知することで、悪意のある者が入り込む余地が少なくなるでしょうし、トラブルを起こすことが、ゼロにはならないかもしれないけれど、その可能性は少なくなっていくことでしょう。

 万一、事件などが発生しても、記録されたモニター映像は、その解決のために大いに役に立つはずです。

 一方で、プライバシーに配慮する必要はとうぜんあります。そこで撮られた映像が他に流されたりすることがないよう、きちんと管理していきますし、一定の期間がすぎれば自動的に消去される仕組みになっています。

 防犯カメラ導入の直接のきっかけは、昨年秋におきた赤ちゃん誘拐事件です。病院の産婦人科病棟から、身代金目的で新生児が誘拐されましたが、幸い数日後に赤ちゃんは無事親御さんのもとに帰ってきました。事件を起こしたのは犯人ですが、病院の側も犯罪を防止するための方策が十分にはとられていなかったという問題も指摘されました。

 当院で同様の事件がおきるとは、とても考えにくいのですが、でも何がおきるか分からないのが今の世の中です。全ての人たちが良い人だと信じたいですが、残念ながらそんな「性善説」が通用しないのは、毎日のニュースを見ていれば明らかです。もちろん「性悪説」にたつわけではないですが、一定の“歯止め”は必要です。

 その一つの方策が、今回の「防犯カメラ」の設置になったというわけです。このシステムによって、来院されている子どもたち、保育室で預かっている子どもたちの安全がこれまで以上に確保されることになります。親御さんにとっても同じです。さらに、昨今は医療機関は強盗などの被害に遭うことも少なくないのですが、そんな事件から医院と従業員を守ってくれることにもなると思います。

 今後防犯カメラによって、より安全に、そしてより安心して塚田こども医院とわたぼうし病児保育室をご利用いただけるようになります。もちろん、この映像が使われないですむことを願っています。

  《HP「院長ブログ」3月30日より》

■感染症情報

 今シーズンのインフルエンザの流行は1月中旬に始まり、下旬にはピークを迎え、2月以降は順調に小さくなってきました。例年より小規模で、早く過ぎていったようです。例年は3月にB型インフルエンザの発生があるのですが、今年はほとんど発生がなく、春休み中に終息しそうな様子です。
ウイルス性胃腸炎も3月は下火に向かいましたが、春先はまだ発生しやすいので、引き続き注意をしていて下さい。

 溶連菌感染症の発生はまだ続いています。今冬の流行規模は、新潟県が全国で最も大きかったとのことで、当院でもそうとう多くの患者さんを診療しました。のどがとても痛くなり、熱、発疹なども伴います。早期に抗生物質を使うと確実に治療することができます。

 マイコプラズマ感染症の流行が昨年から続いています。気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をおこし、とくに咳が強いのが特徴です。効果のある抗生物質が決まっていて、うまく治療が受けられないととても咳が長びいてしまいます。

 水ぼうそう(水痘)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はいくつかの園で小さな流行を繰り返しています。いずれもワクチンによって予防が可能です。任意接種ですが、受けていただくことをお奨めしています。

 麻疹、風疹の患者発生はありませんでした。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

目次の
ページへ

このホームページ
のトップへ